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"TAKE ME BACK TO NOVEMBER"

で、久しぶりに紙にペンを走らせ、簡潔に書き出してみようと思った...
吐き出すことで、プレッシャーから解放されるからか、それとも説明責任を果たせるからか...
まあ、セラピー効果もあるのだろう。

"TAKE ME BACK TO NOVEMBER"

本当に好きな曲の一節だ。タイラー・ザ・クリエイターの "November"。

2017年に初めて聴いたときは心に響いたが、私の人生の中で、さまざまな間隔でさまざまな意味を持つようになった。要するに、物事が今よりも良かった過去の時間を懐かしむ歌なんだ。

ロマンティシズムを感じながら過去を振り返るのは人間の本質だと思うから、すぐに親近感が湧くよね。もう取り戻せないものへの憧れ。あの曲のあのセリフは、僕とつながっていて、そんなふうに感じる本当の理由がないときでさえ、僕はそれを感じた。

それを実感したのは2023年12月だった。病気と診断され、検査を受けて安心して帰ろうと病院に行ったその日に、「今夜泊まっていける?明日手術したいので」と言われた。その時、私はすでに両国国技館で上野勇希にKO-D無差別級のベルトを奪われていて、ほっとしたような、うれしいような、悔しいような、落ち込んでいるような、そんな心境だった。

KO-D無差別級のベルトを巻いていた時も、自分でも混乱していた。あれほど集中し、孤立したことはなかったかもしれない。自分に厳しく、プレッシャーを感じ、毎日日記をつけ、規則正しい生活をしていた。私にはトンネル・ビジョンがあり、重要なのは会社やファン、ひいては自分自身が誇れるチャンピオンになることだけだった。もちろん、当時の私はまだ脱臼したばかりの肩を抱えていたが、それも問題ではなかった。それが私を止めることはなかった。

もしかしたら話していないかもしれないが、赤井沙希とのタイトル防衛戦の後、あることがあった。試合中、ジャーマンスープレックスを決めたとき、右肩に何か裂けるような音がしたような気がした。試合後は力が入らず、病院に行った。この時、すでに両国が近づいていて、上野が挑戦状を叩きつけていた。最初に診てもらった医者は「手術が絶対に必要だ」と言い、東京が誇るオリンピックドクターの専門医を紹介してくれた。

その訪問の前に友人たちと話をした。「ベルトを返上して手術をした方がいいかもしれない」と言われた。

それは絶対にできなかった。ベルトを返上するくらいなら、死んだほうがましだと、その瞬間は心から思った。KO-D無差別級王座を失うなら、リングの上で失うつもりだった。
そうして専門医のもとへ訪れた。彼は前回の検査で吹っ切れたのは大げさで、まだリングに上がれると思えば上がれると言った。
そして私はそうした。私はリングでベルトを失った。
心が痛むことに変わりはなかったが、全力を尽くしたとは言えた。
もちろん、勝った日は祝福される栄光の日々だが、負けた日はほとんどが孤独でしかない。
それからの数週間、私は方向性もやる気もないように感じたが、チャンピオンになったときは本当にすべてを出し切ったのだと、どこか誇らしげだった。

これ以上悪くなることはないだろうと思っていたら、悪くなった。

「手術が必要です」

12月、私は異国の病院のベッドで一人待っていた。

"TAKE ME BACK TO NOVEMBER"

11月は私の人生で最も困難な挑戦だったが、少なくとも最も困難な瞬間に私は幸福を感じることができた。人々は私を誇りに思うと言い、人々は私を応援していると言った。私はようやくレスラーとしての運命を感じ、人生に意味を持つことができた。苦難にもかかわらず、プレッシャーにもかかわらず、肉体的にも精神的にも苦痛にもかかわらず、そして孤独にもかかわらず、私は11月を取り戻したいと切望した......そして今もその切望を感じている。

私の人生にようやく意味を与えてくれた賞を失ってからちょうど1年が経とうとしている。今度も敵は手ごわい。今回リングの向こうに立つのは、間違いなく最強で最も危険な相手だ。

でも、私は山を乗り越えてきた。私は強い王者と強い挑戦者を乗り越えてきた。病魔に立ち向かい、それを退け、再びDDTのリングに立つことができるように復活してきた。それが強さなのか?私は普段、自分のことを強くない人間だと数値化しているけれど、もしかしたら自分には強さのようなものがあるのかもしれない。

それがみんなの強さと合わさって。挑戦した瞬間、励ましてくれたのは会場にいた人たちだけでなく、会場の外にいた人たちでもあった。日本中のDDTファンが。北海道、九州、関西、東北、そしてタイ、シンガポール、マニラ、アメリカ、イギリス、ヨーロッパ......。

これがあれば、私は無敵だ。

無敵こそが、DDTの怪物、青木真也を征服するために必要なものなのだ。

もう一度、自分に誇りを持ちたい、みんなにも誇りを持たせたと思いたい。自分の意味を見つけたい。11月にあった喜びを知りたい。私をここまで導いてくれたのは愛であり、私を前進させることができるのは愛だけなのだ。

私はこの道を歩むために、どんな普通の生活もあきらめたが、そのことに一瞬たりとも後悔はしていない。この愚かな外国人にはまだ夢がある。皆さんにも夢を追い続ける理由をあげよう。

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