ビアガーデンと高鹿佑也
最後の2日間はビアガーデンプロレス。初日には、プロレス史上初の "1000カウント "マッチが行われた。しかし、今回のビアガーデンプロレス2日目が私の興味の中心だった。
プロレスラーとして、私はリング上での自分の価値をよく考えている。プロレスラーなら誰でも、このような自意識を持っていると思うし、定期的にリング上での自分の価値について考えていると思う。私は自分が幻滅するような人間だとは思っていないし、むしろかなり自分をよく分かってると思う。自分が最強でも最速でも技術に長けたプロレスラーでもないことはわかっている。特にキャリアが18年になろうとしているレスラーとして。
どちらかといえば、リングに上がった相手を高めようとする気持ちが自分の強さだとわかってきた。自分と同じレベルになることではなく、その日、その人ができる最高の状態を引き出すこと。
ビアガーデンでの高鹿との試合も同じ気持ちで臨んだ。ただの普通の試合だし、人によっては気にしないカードかもしれないけど......僕はただの試合というのが嫌いなんだ。
高鹿は僕より少し後にDDTに入った。その時中村は僕の最初のツアー中にエキシビションをやっていたし、岡谷は僕の最初のツアーの頃にトレーニングをしていた。
だから、上野での試合に至るまでの彼のプロレスラーとしての全行程を見ていたということになる。ちょっと残酷なことを言ったかもしれない。彼をジェネリック遠藤哲哉だと......そう言ったとき、挑発的だったかもしれないが、あながち嘘ではなかった。プロレスは常に流動的だ。つまり、常に変化していて、未来が重要なんだ。どんな役割であれ、高鹿はDDTの未来にとって重要な存在だし、彼の成長を見てみたい。
だから良くも悪くも、私は試合までに彼の悪口をたくさん言った。心の底では、彼に私が間違っていることを証明してほしかったんだと思う。彼がそうしてくれたことを報告できてうれしい。
彼は私をエルボーでぶっ飛ばし、私はかろうじてキックアウトすることができた。彼は試合中、私が前日バケツでびしょびしょにしたファンにリベンジするため、場外に出た。失敗に終わったが
"この高鹿は誰だ?" と思った。彼は本能のままに行動していた。
レッスルユニバースで見直したとき、うっかり「ジェネリック遠藤」ではなく、彼の名前を正しく呼んでいた自分に気づいたほどだ。彼は最後まで徹底抗戦した。高鹿の可能性を見たし、何より彼自身がなりたかった姿を垣間見た。
それがクリス・ブルックスのレスラーとしての価値なのかもしれない。誰かを高めることができなければ、あなた自身に大した価値はない。
まあ、あの試合ができてよかったよ。以上です。では、また次回。