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努力とはいつ報われる物なのか?

 努力は報われるとは言うものの、いつ報われるのか、結果が出るのか教えてくれる人はいない。
 居ても適当な事を言う人間だけだろう。

 多くの人は結果を早くに求めると思う。
 結果をすぐに求めすぎであり、焦りすぎなので良くないと筆者は考える。

 なぜなら、すぐに出る結果の内容など想像の範疇の代物で大した物ではない。
 例えば受験とかは馴染み深いのではないだろうか?
 高校三年間勉強してそこそこの大学へ進学する。
 中学、高校と6年間勉強して結果は東京大学や京都大学や医学部と言ったところでせいぜい予想の範疇である。

 また、最小のエネルギーで、最大の結果を求めたがる癖がある人も多いと考える。
 これも結果を求める人にありがちの良くない癖だと思う。
 空いたマスに答えをすぐに埋めればいいという、学校での教育の弊害とも考えている。
 答えをすぐに導き出して、埋めると言った、結果をすぐに求める形式の問題しか小中高の間まで12年間詰め込まれるのだから仕方ないとも言えるだろう。
 しかし現実では答えの出ない問題や、人生では年単位で付き合わなければならない問題が山積している。
 大学では年単位の問題を扱うことがあるが実際にそのような問題と真剣に向き合う学生は少数である。単位を取れればよい、卒業できればよい、休講は多いに越したことはないと言った感じで少ない授業数で楽に単位を取って卒業を望む状況である。
 厳しい受験勉強をして、大学まで来て勉強をしに来ているのにあべこべである。

 少し話が逸れたが、このような習慣では想定以上の結果はでないし報われたとは感じないだろう。

 テレビでも若い選手が活躍している様を映し続け、若くして功績を残すことが何かとても重要な物ではないかと多くの人が錯覚しているように見える。
 しかも全容を見たわけでもなく、切り取られた活躍された一部のみを見て錯覚をしている。

 人生をトータルで考えるべきであると筆者は思う。
 有名な将棋指しの人生を例に挙げたいと思う。
 伝説的な将棋指しの升田幸三も「一人前になるには50年はかかるんだ。功を焦るな。悲観するな。もっと根を深く張るんだ。根を深く張れ。」という言葉を残している。
 升田幸三は13歳で「この幸三、名人に香車を引いて勝ったら大阪に行く」と書き置きし家出をしました。後にプロ棋士になり将棋の歴史上最初で最後、本当に名人相手に香車を引いて駒落ちで勝ち名人なった今は亡き棋士であり、将棋の歴史においてとても重要な人物である。藤井聡太ですら自分の方が升田より強いなどと言わないだろう。羽生善治においては升田の元に訪れたが将棋を指してもらえなかったという史実がある。
 そんな将棋を極めた人間と言っても過言ではない升田が「一人前になるには50年掛かる」と言っているのである。この名言を見て現代日本人は50歳から結果が出て残り30年80歳まで何の悩みもなく暮らせ、能力が発揮できると思っている人が多いようだがこれは私は、間違いだと思う。
 升田幸三は1918年生まれであり、升田の生きた時代の平均寿命は50代である。
 現に升田は兄弟姉妹が居たが遺産分配の時にはほとんど死んでしまっている。現代では想像できない過酷な時代である。
 つまり、時代背景から察するに升田のこの名言は死ぬ際まで一人前には成れないと言う意味と理解できる。

 薬も同じだ
 広告などでよく見るすぐに痩せるダイエットの薬と謳うものもほとんどがろくなものでない。一般的にもすぐに効果がある薬は副作用を多くはらむ。
 努力することですぐに結果を求めるのは少々安易な考えであり、時間がかかるほどよい結果が得られ報われると言う心構えを持つことから始めてみてはいかがだろうか?

 いつ結果が報われるかは誰にもわからない。
 ただ、時間がかかるほど想像を超えた結果待っていることが多い。

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