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iPhoneで撮ったアイドルの写メをiPhoneだけでちょっといい感じにする方法
ライブアイドルのライブ入場特典で、集合写メや2ショット・ソロ写メが撮れる場合がよくあります。
せっかくの推しの写真、綺麗でかわいいに越したことはないですよね。特にSNS投稿するなら、ある程度整えた写真だと推しにも喜ばれるはず。
今回は「iPhoneの純正カメラで撮りっぱなしにしている」「カメラアプリ任せでイマイチしっくりきてない」といった方に向けて、iPhoneの標準機能だけでできる「ちょっといい感じにする方法」をまとめてみます。
写真に詳しくない、レタッチって何?という方を対象にしていますので、お気に入りのアプリやフィルターがもうある方、レタッチができる方、写真に詳しいカメコの皆さまはお帰りください。
1. iPhone写真の気になるポイント
アイドル写メを撮る上で、iPhone写真の気になる点を挙げてみます。iPhoneのバージョンや設定で個人差はありますが、主に以下が弱点です。
ⅰ. 精細に撮れすぎる
iPhoneカメラはスペックで一眼カメラに劣るものの、とても精細に撮れます。詳細は割愛しますが、精細に撮れている"ように見せる"デジタル処理が秀逸です。
これがハマるシーンもあります。ですが、アイドル写メでは弱点になることが多いです。肌のキメまで見えてしまう精細さは要りません。
ⅱ. 明暗と色がはっきり出すぎる
iPhoneの写真は、コントラストが強くてバキッとした仕上がりになります。特に明るい箇所が強調されやすく、色の出方もそのままでは、アイドル写メにあまりおすすめできません。
プロの写真や推しの自撮りでは気にならないのに、写メだと顔がテカっているように撮れたことありませんか?
あれ、顔に光が反射した部分が強調されすぎてることが多いです。メイクで演出するツヤ感は良くても、テカって見えて嬉しいアイドルさんはいません。
ⅲ. 生っぽく撮れすぎる
結果どうなるかというと、iPhoneの写真は生っぽく撮れすぎます。
一眼で撮る本気の写真とは違うので、アイドルの特典写メで生っぽさは要りません。アイドルさん自身が上げる自撮りで、生っぽく撮れてる写真ってあまり見ないですよね。
2. 推しの自撮りを観察しよう
実際に写真を補正する前に、推しが上げてる自撮りをたくさん、よく見てみましょう。
「いつも見てるし全部保存してるわ!」という方も、自分の写メを推しの自撮りに近付けるには?という視点で観察してみてください。
推しの自撮りをよく見ることで、メイクや写真におけるそのアイドルさん自身の、「自分をこう見せたい、こう演出したい」という好みの方向性が少しわかります。
とはいえ、自撮りは補正前の写真がわかりませんし、いきなり観察しろと言われても難しいです。まずはわかりやすい、色の感じや雰囲気から真似てみるのがいいと思います。
写真全体がどんな色味になっているか
肌がどんな色味になっているか
リップがどんな色味になっているか
この辺りを意識して、推しの自撮りをよく見てみてください。
3. iPhone標準機能で補正してみる
では実際に、標準機能だけでどこまでやれるか実践してみます。
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かわいいですね。
iPhone 15 Pro Max 24mm f1.78 ISO1250
今回はこちらの写真を使わせてもらいます。前に入場特典で手に入れた写真で、iPhoneで撮ったままの状態です。
※あくまでアイドルさんのビジュアルではなく、iPhone写真の特性とそれを踏まえた補正方法への言及を目的としていますのでご承知おきください。
ご本人の素材が良いのでこれで十分いい写真なんですが、上で挙げたiPhone写真の弱点がちょっと目につきます。記事に使うので、これでもあまり気にならない写真を選びました。
写真左から強めに光が当たっていたシチュエーションで、右頬三角ゾーンの肌の表情が見えすぎています。右の目頭付近と鼻筋の反射も、やや目立ちすぎている印象です。
今咲ひめのさんの自撮りでは、肌の黄色やオレンジが割と抑えられていて、リップがやや紫に寄って赤みが主張しない、シックな色味の写真をよく見かけます。写真にもよりますが、今回はそんな感じを目指してみます。
ⅰ. ざっくりと色調整する
まずは全体をシックにするために、色の温度を調節します。
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彩度:-30
自然な彩度:+12
標準補正機能の「フィルタ」から、「ドラマチック(冷たい)」というフィルタを選んで適用しました。フィルタ名がわかりやすくていいですね。
さらに、肌色をもう少し抜いてみたかったので、「調整」から「彩度」を-30に。血色が悪くなりすぎたので、「自然な彩度」を+12にしてみました。
とりあえず、ざっくりと全体がシックな感じになりました。色補正は迷子になりやすいので、一旦ここまでにして後で微調整します。
ⅱ. 明暗調整でテカリ感を抑える
続いて、目頭と鼻筋の反射を抑えられないか試してみます。
反射が強すぎるということは、①反射部分を暗くする、②反射部分以外を明るくする、の2つがやりたいことになります。明暗の差を小さくするイメージです。
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明るさ:+40
ブリリアンス:+36
「ハイライト」は、写真の明るい部分だけを補正できます。
これを思いっきり下げれば反射部分だけ暗くならないかな?と思って-100にしてみましたが、期待した結果にはなりませんでした。反射はあまり消えず、肌の色がさっきより出てきました。保留にして他も調整してみます。
「明るさ」は、ハイライトと比べてもう少し写真全体の明るさが動く感じだったので、これを+40に。全体を明るくすることで、反射部分を目立たなくさせる目的です。
さらに「ブリリアンス」を触ってみたところ、いい感じに肌の部分だけ明るさを補正できそうだったので、+36で明るくしてみました。イメージに近付いてきたので、このまま他も調整してみます。
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シャドウ:-30
全体が明るくなると良さそうなことがわかったので、「露出」でさらに写真全体の明るさを少し上げました。
ただ、全体が明るくなるとメリハリが減って眠たい画になってきたので、「シャドウ」で暗い箇所だけをちょっと暗くします(-30)。
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コントラスト:-12
引き締まりすぎたかな?と思ったので、「ブラックポイント」を-6で微調整。
仕上げに「コントラスト」を-12で調整しました。コントラストは、写真全体の明暗差を補正できます。今回は明暗差を小さくしたいので、コントラストを下げました。
こんな感じで、明るい箇所や暗い箇所など、ポイントを絞って調整しつつ、最後にコントラストで全体を微調整するのが自分好みです。細かいやり方や順序は人それぞれで構いません、今やってる作業の目的を見失わないことが大事です。
ⅲ. 色の微調整とノイズ除去
最後に、色の微調整と「ノイズ除去」を行います。ノイズ除去は、肌の細かい表情が消えてくれたらいいなぁの気持ちでやってみます。
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まず色調整です。改めて見るとちょっと色味が冷たすぎる気がしたので、「色合い」を+9にしています。
色合いは、写真全体を緑寄りかピンク寄りに補正できるものです。破綻しやすいのでやりすぎ注意。ほんの少しの差ですが、肌に血色が戻りました。
「暖かみ」というパラーメーターもあって、こちらは写真を青寄り・オレンジ寄りに補正できます。今回は必要なさそうだったので触っていません。
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ノイズ除去は、やってみたもののあまり変わりませんでした。これ以上上げると肌はいい感じになるんですが、写真全体がぼやけてしまいました。今回はこのぐらいが限界のようです。
被写体が写真左に寄っているので、トリミングで調整して完成です。
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右:補正後
4. Lightroomで追い込んでみる
ここまでiPhone標準機能で補正してみましたが、せっかくなのでLightroomというアプリを使って、もうちょっとだけ追い込んでみました。
有料アプリですし少し手間もかかりますが、興味が湧いた方は手を出してみてもいいかもしれません。
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右:iPhone標準機能+Lightroom
Lightroomでやったこと
目頭と鼻筋の反射部分を抑える、消す
標準機能では消せなかったテカリ感を、わかりやすくするために思いっきり抑えてみました
鼻筋に少しハイライトを入れる
鼻筋の反射を消した分のっぺりしたので、改めて鼻筋にうすくハイライトを入れています
右頬の肌キメを整える
凹凸感と色合いを柔らかく補正しました
右頬のほうれい線を抑える、消す
笑って出るほうれい線は気にならないですが、気にされるアイドルさんもいるので消してみました
5. 最後に
言うまでもありませんが、補正前の写真の状態や、どんな写真を目指すかによってやり方は全然違ってきます。
それぞれの具体的な数値ではなく、補正するときの考え方みたいなものを、うまく掬ってもらえたらと思います。
また、補正していようがいまいが、推しが素敵であることに変わりはありませんし、ましてあなたの推しへの愛が試されるものでもありません。
写真の補正って結構楽しいよってことと、推しの写真を自分の手でもっと良くする楽しみが少しでも伝われば幸いです。
なお、花いろはは11月から関西ツアーが始まり、その他日程も都内を中心に多数のライブがあります。ぜひ一度足を運んでみてください!