26歳、3連休を知る #2
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26歳、3連休を知る #1
人生初の3連休
人生のための3連休
思いがけず、まっしろな3連休をゲットした。
家族と住んでいたころはテレビのチャンネルを自分で決めることさえむずかしかったのだから、完全に自由な3連休なんてなかったはずだ。
ひとり暮らしをはじめてからは、仕事や友だちとの予定など、カレンダーを埋めなければならないと思い込んでいた。社会とかかわらなければ、自分の居場所が消えてしまうような気さえしていた。
今日のGoogleカレンダーには、線が1本も入っていない。どうしよう。
とりあえず、ダイソーへ行く。
2週間ほど前、いろいろあってLEDミラーにリポDを大噴射してしまった。黄色いライトも悪くなかったが、いつかダイソーへ行かねばと思っていたのでちょうどよかった。
時間をもてあまし、Lavaで「人生のための1時間」を過ごす。
なんとなくスーパーにも足を運んだ。暑い日だったけれど、夜には大根を炊いてみた。
21時にベッドへ入る。こたけ正義感さんの逆転裁判5の実況動画をはやく見たくて、逆転裁判4を進めた。
まだ、2日間も休みがある……。
縛りプレイからの解放
消えたくない3連休
2日目も予定は決めずふらふらと過ごした。
「あれ、今日は消えたくない」
2日目の夜に気づく。8歳のときから毎日「消えたい」と思うのが当たり前になっていた。マイナスの感情ではない。「お腹すいた」「ねむい」と並列のイメージだ。
特につらい過去やトラウマがあるわけではない。どこかで何かのスイッチが入り、そういう設定で生きてきたのだと思う。
2日間休むだけ。「消えたい」からの解放は、こんなにもあっけなかった。
やっぱり慣れない3連休
3日目も予定は決めていなかった。からだは軽かったけれど、心は少し重たかった。
会社に行くか、家で仕事を進めないと、自分の存在が薄くなっていくような気がした。そんなはずはないと自分に言い聞かせ、父の日のプレゼントを買いに出かけた。
植物が好きな父のために、リボンは緑色にした(ほんとうは、青しかなかったけれど、こう書いてもばれないだろう)。
家族とのつながりも、社会とのつながりだ。家族のために行動すれば、少し許される気がした。
人間と3連休
2日間休んだだけで「消えたい気持ち」が一瞬どこかへ行ってしまったのだから、わたしは案外単純なのだろう。
コロナ禍で留学がだめになったときから、「消えたい」はわたしの中で大切な軸となった。「消えたさ」のおかげで仕事が進むこともあった。
でも、今回の連休で、わたしの軸はあっけなく揺らいだ。呪いがとけて人間に戻ったような感覚がある。できないと思っていたことも、今ならできるかもしれない。
次の実績:飛行機に乗りたい
留学先から帰った日の、翼の映像が頭につよく残っている。
あの日から、「こわいものリスト」が分厚くなった。
今回の3連休で、リストはそんなに信用できないかもしれないということが判明した。もともと飛行機への恐怖心はなかったのだから、また乗れるはずだ。
2024年後半の目標は、「飛行機に乗る」に決まった。2020年脱出計画の再始動だ。
はじめての3連休、最終日の夜。時間をもてあましてネイルをはじめる。
片手をドライヤーにつっこみながら、もう片方の手でnoteを書いている。
飛行機に乗る前も、爪を整えたい。
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