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ハリドリとタイ料理を比較する

「では、己が引剥をしようと恨むまいな。己もそうしなければ、饑死をする体なのだ。」

芥川龍之介『羅生門』

絶叫系保険

関西に住んでいると、社会人になった今も ときどきUSJに誘ってもらえることがあります。

友だちが少ない身としては、すごくうれしい。

「どこへ行くかより 誰と行くか」派のわたしにとって、遊園地に行くのはハードルが高いのですが、それでも誘ってもらえるのはうれしいことです。

絶叫系が苦手なので、「ジェットコースター苦手なんやけど、ごめんな~」と保険をかけるようにしています。

USJに着いてから「ごめん、乗れへん」ではさすがに迷惑をかけてしまいます。

わたしが嫌いですか

「え、乗せるで?」

わたしたちの配慮などつゆ知らず、
こう言われる場合がほとんどです。

そのへんの「友だち(4軍)」を誘うときに、
相手の希望なんて関係ないのです。

「USJに行きたい」と
「あなたとUSJに行きたい」は違うようです。

でも、それでも、4軍のわたしは、
誘われたことを少しうれしく思ってしまいます。

「どこへ行くかより 誰と行くか」

わたしは、タイ料理が好きです。

タイ料理好きは、自分たちの好みが
万人受けしないことをわかっています。

たいていの場合、「あなた」にタイ料理を好きになってほしいとも、たまにはタイ料理に付き合えとも、まったく思っていません。

「どこへ行くかより 誰と行くか」なのです。

誰でもよいから誘う、なんてことは
決してできません。

「わきまえ」ている

社会人になり、一緒にタイ料理を食べに行ってくれる人が減った今、ひとりでタイ料理に行くのはさみしいと感じることもあります。

でもそれは、「(誰かと)タイ料理に行きたい」とはちがうのです。

わたしが人を誘えるのは、
「あなたとタイ料理に行きたい」と
思ったときだけだからです。

あなたは、わたしとUSJに行きたいですか。


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