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【暮らしのリアル】中国の自動販売機

みなさん、こんにちは。いかがお過ごしでしょうか?いつも読んでいただきありがとうございます。

さて今回は、新シリーズ!

🇨🇳中国から伝えます!暮らしのリアル🏡

中国在住のCHReportメンバーであるキタさんが、中国を歩き、見たり聞いたりした中国の暮らしについて広くお届けするコーナーです!

中国生まれでありながら、アメリカや日本での暮らしも経験しているキタさん。そんなキタさんだからこそ感じる“暮らし”に関わる様々なことをちょっと深掘りしたり、現地のリアルな写真を元にお伝えしていきます。


今回のテーマは

暮らしの中の「自動販売機」

日本中どこにでもあるといっても過言ではない自動販売機。
今回はその自動販売機に注目してみます。

まずは日本の自動販売機事情から整理してみましょう。

実験的な自動販売機は明治時代にもあったものの、現代の形に近い自動販売機が、日本で初登場したのは1962年。日本の三菱重工とアメリカのベンド社が、コカ・コーラに導入した清涼飲料水の自動販売機です。

その後、100円玉、50円玉硬貨の発行の追い風もあり、自動販売機はより身近なものとして普及していきました。

日本自動販売システム機械工業会が提供しているデータによると、缶やペットボトルで販売されている清涼飲料水や、紙パックに入った乳飲料、蓋なしのカップで提供されるコーヒーや、酒などの飲料自動販売機の数は、2020年12月末時点で約228万台と言われています。食券や乗車券などの自動販売機も含めた全体から見ると、約56%が清涼飲料水の自動販売機です。

普及台数は2000年に560万台を突破しましたが、その後は緩やかに減少していきました。また、2020年は新型コロナウイルスの影響で、在宅勤務が増加したことから、オフィス街で自動販売機を利用する人が減り、採算の取れない自動販売機の撤去が進んだといいます。

日本の自動販売機市場はピークを過ぎているものの、約228万台が稼働しています。ここまで普及が進んだ理由としては、街の治安が良く屋外にも設置しやすい点や、残業が多いビジネスマンが手軽に購入できる点などがあるようです。


一方中国はどうでしょうか?

こんな記事がありました。

中国百貨商業協会によると、中国の自動販売機市場は拡大を続けていて、2019年12月末時点では約65万台に昇り、前年比で26.6ポイント上昇したといいます。

中国でも1990年代には登場していた自動販売機ですが、普及の妨げとなった理由のひとつに支払い手段の問題がありました。
日本では様々な硬貨があり、広く流通していますが、中国では事実上硬貨1種類しか流通しておらず、紙幣の利用率も高いといいます。もちろん、自動販売機では紙幣も利用できますが、汚れや損傷の激しい紙幣もあり、目詰まりなどトラブルもしばしば発生していました。

そんな中、近年になり、中国で自動販売機が普及していった理由のひとつに、電子決済があります。中国はキャッシュレスを政府が推奨していることもあり、キャッシュレス対応の自動販売機が支持を得ています。

キタさん現地調査

それでは早速、中国には今どんな自動販売機があるのか、調査してもらいました。

まずはこちら。

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日本でも見かけることのあるタッチパネル式の自動販売機です。タッチパネルを操作し、商品を購入します。飲み物だけでなく、スナックや軽食も販売しています。液晶右下のQRコードを読み取るとキャッシュレス決済をすることができ、キャッシュレス決済利用者は全体の8割以上に昇るというデータもあります。


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これは水の自動販売機です。中央のQRコードを読み取り決済をすると、ロッカーが開き水を購入することができます。数リットルあるボトルで、自宅でストックするために購入している人が多いようです。

キタさんはあまりこの自動販売機を利用することはないといいます。そもそも日本よりも自動販売機が少ない中国では、どこでも水を購入できるとはいえません。よって、水は自宅にストックしてある小さいペットボトルや、マイボトルで持ち歩く人が多いそうです。


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最後は、マンションのエントランス部にあるというこちら。スマート自動販売機です。これまで登場してきた自動販売機とは雰囲気が異なります。

左側に貼り付けられているQRコードを読み取ることで扉を開け、商品を取ると自動で決済することができます。

以前、中国で無人コンビニブームが起き、衰退していった件について記事をアップしましたが、苦戦を強いられる無人コンビニ界で成功しているのがこの「便利蜂」だといいます。

便利蜂の基本的な業態はスマートコンビニで、モバイル決済とQRコード対応のPOSシステムを利用して、レジの無人化を実現しています。2016年に設立された便利蜂は、2020年時点で中国国内20都市に1500店舗以上出店しています。今後も拡大していく中で、先程紹介したスマート自動販売機はオフィス街やマンションの省スペースに設置することができるため、増加していくと予想されます。


今回紹介した3つの自動販売機はいずれも室内に設置されています。日本では公園や路地などの屋外に設置されるケースもありますが、治安面を考慮して室内に設置されることが多いようです。また、増加傾向とはいえ、まだ台数はそれほど多くないため、どこでも見かけるとは言えないといいます。中国の自動販売機業界はまだまだこれからという印象です。

以上、「中国から伝えます!暮らしのリアル」シリーズでした。暮らしの中のちょっとしたことに注目し、これからも中国のリアルをお伝えしていきます。

最後まで読んでいただきありがとうございました。次回もお楽しみに。


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