”メイドインチャイナ”を気にしなくなってきた日本人と中国家電業界の発達〜カメラで庫内をチェックする冷蔵庫?!〜
今回は家電に注目したいと思います。
多くの方々は様々なタイミングで家電を購入する際、たくさんの種類から価格や性能、デザインなどを考慮して購入すると思います。インターネットで購入する場合でも、まずは実物を見てからと家電量販店に足を運ぶ人も多いのではないでしょうか?
実際に家電量販店で家電を見てみると、日本のメーカーではない製品が目につきます。もちろん日本メーカーの方が数は多いのですが、海外メーカーと思われる製品も以前に比べて増えてきているように感じます。調べてみると、その多くが中国のメーカーでした。
そこで今回は、家電に注目し、中国製商品に対する日本人のイメージやその変化、現在の中国家電市場について調査してみたいと思います。
日本人が持つ中国製品へのイメージ
こんな記事を見つけました。
この記事によると、「安かろう悪かろう」というイメージが強かった中国製品の質が向上したことにより、日本人の中で中国製品を選ぶ人が増えてきたといいます。特にスマートフォンなどは、鴻海科技集団 (フォックスコン・テクノロジー・グループ)が中国で巨大な生産拠点を持っており、AppleやDellなどの大手メーカーのマザーボード生産や、組み立てを行なっています。気付かずに手にしている製品の多くが、中国で生産されたものであることに日本人は気付き始め、質の高さを認め始めているといいます。
2017年秋、中国パソコン大手のレノボが日本進出し、富士通のPC部門を買収したことで、PC市場の約4割を占めることになりました。他にも2019年にはスマートフォン市場で世界第4位のシェアを持つシャオミが日本進出を果たしています。
需要を見込んで日本進出を果たす中国企業は確かに増えてきているようです。実際に家電量販店に行っても中国メーカーの製品を見かけます。また、日本メーカーの製品であってもそのほとんどは中国製品です。そんな状況が当たり前になり、質の高さにも気付き始めた結果、中国製への抵抗感は薄れてきているのではないでしょうか。
中国人が持つ日本製品へのイメージ
反対に、中国人の方々は日本製品へどのようなイメージを持っているのでしょうか。中国人観光客が日本で大量に買い物をする様子が話題になり、「爆買い」という言葉が誕生し定着したのは2014年頃だといいます。
春節の休暇時に日本を訪れて爆買いをした人々の消費額は、一時日本円で1,140億円に上ったこともあり、日本企業にとってもビジネスチャンスとされていました。
しかし観光庁の訪日外国人消費動向調査によると、2016年には爆買いの波が収まり、オーストラリアやベトナムからの訪日観光客に抜かれ、前年の1位から5位になったと伝えています。
一般的に日本製は性能が良く長持ちするという理由で人気があり、爆買いの対象となっていたわけですが、中国人は日本製に魅力を感じなくなってきているのでしょうか?
一つの理由として、消費額の低下があげられます。日本に観光にきた中国人が買い求めるものが、ドラッグストアや化粧品など、家電と比べると比較的安価なものになってきたようです。
中国ではEC市場が発達していることもあり、日本製品が欲しい場合であったとしてもわざわざ日本に来て購入する必要が徐々になくなってきました。
CHReport中国人メンバーに聞いてみると、確かに日本製は質がとても良いが、その分価格も高いと話していました。一方で、先に述べたように中国メーカーの製品の質が向上したことにより、日本製を選ぶ人が減ってきたのは事実としてあるかもしれないということでした。
中国家電市場の今
一つの流れとして、中国では比較的小型の”生活を便利にする家電”の人気が高まっているようです。
例えば、ノンフライヤーや電気圧力鍋などの小型調理家電、電動モップやお掃除ロボット、マッサージ機器などです。
発展が進むにつれて、冷蔵庫やテレビといった従来からある大型家電の普及も進み、飽和状態に近付いてきました。一方で、小型でも生活を豊かにする家電への注目が高まり人気を集めているといいます。
また、中国はIoT家電先進国とも言われており、生活家電の多くがインターネットと繋がり、遠隔から操作することが一般的になってきているといいます。
日本でも知名度のあるハイアールは、冷蔵庫などの大型家電業界で10年連続世界シェア1位を誇っています。そんなハイアールはAmazonとタッグを組み白物家電のIoT化に乗り出しているといいます。
例えば、Amazonと繋ぎ様々なサービスが利用できる冷蔵庫。扉にある画面を操作すれば、冷蔵庫内にある食材を使ったレシピを検索したり、必要なものがあれば画面操作で注文することができます。AmazonAlexaも内蔵しているため音声での利用も可能です。
白物家電の世界シェア2位の美的集団(マイディア)という中国企業は、2018年にAI家電の新ブランド「COLMO」を創設しました。こちらでもIoT家電の代表として冷蔵庫があげられます。庫内に設置されたカメラで食材の種類を認識し、レシピなどを提案してくれる冷蔵庫です。
ここ数年の流れとして、IoTやAIを取り入れた便利家電の市場が発達していることがわかります。
家電業界と一口にいっても大型小型だけでも様々種類があり、必需品としての側面だけでなく、生活を便利にする家電も一般的に受け入れられるようになってきました。
現代では、家電に限らず商品を購入する際、インターネットでその商品のレビューや企業情報も確認することができます。国外製品だろうと調べることができるので、イメージに惑わされることは減ったと考えられます。良い製品を購入するためならどの国の企業であろうとあまり気にしなくなっているのかもしれません。
最後まで読んでいただきありがとうございました。次回もお楽しみに!
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