①骨髄異形成症候群と診断されるまで
きっかけ
きっかけは10年前、職場の健康診断。血液検査の結果、血小板の数値が低すぎてこれは詳しく検査した方がいいとのことで即紹介状を書かれて「必ず病院で調べてもらって来てください」と言われる。
今まで大きな病気や怪我をしたこともない私…もちろん何の症状もなく健康そのもの。
元気いっぱいの自分が何で?まあ大したことないんじゃない?というくらいの気持ちだった。
でも今思うと本当にこの時ちゃんと調べてよかったと思う。
不調があれば病院に行く習慣はあるけど…何も不調はなくて元気なら自分の体に病気が隠れてるなんて疑いもせずに過ごしてしまう。
ふと立ち止まって本当に自分は健康なのか?と考えるきっかけが健康診断なのかなと思う。
健康な人ほど健康診断をしっかり受けること。本当に大切だと思います。
私はこのときに病気を見つけてもらえたから、今こうやって普通に生活できてる。
病気に気づかないままだったら…全く違う未来が待っていたんだろうな。
初めての検査
大きな総合病院で人生初のマルク(骨髄検査)をやる。
一番痛い検査という噂をちらっと聞いたことがあったからかなり怖かった…。
マルクは主治医の先生自ら検査をしてくれるんだけど、最初の主治医が華奢な女医さんで「ち、ちはるさん…すごくしっかりした骨を持ってるね~」とつい褒めてしまうほど立派な骨だったらしくかなり苦戦していた…生まれて初めて骨を褒められました。
血液の病気の患者さんは必ずマルクを経験すると思うのだけど、痛みの感じ方って人それぞれ。
私は最初の麻酔がズキンとくるときは痛いな~と思うけどそのあとは特になんてことないな~と感じる。
私と同時期に骨髄移植をしていて入院中仲良くなった女の子は、マルクが恐怖すぎて毎回叫んで暴れてると聞いてびっくり!
私はそんなに怖くはないけど、あのうつ伏せで半ケツ姿になるのが何回マルクをやっても恥ずかしい…。
しかも見て学ぶ系の技術だからかなのかしらんけど結構研修医の見学があるんだな…これなんの罰ゲーム!?って気持ちになる。
あと、麻酔が切れたときにくる鈍い痛みがやだ。
…「私マルク怖くないんで」ってかっこよく言ったわりには文句が多い。
(そりゃあんな検査やらなくていいなら絶対やらない人生選びたい!)
「骨髄異形成症候群です。」
そんなこんなで色んな検査をして、後日結果を聞きに行った。
とりあえず病名が長くてはっきりどんな病気かわからなかったので
「は、はあ…」
って感じだったと思う。
<骨髄異形成症候群>
血液の大もとの造血幹細胞がわずかに異常を起こし、ゆっくりと身体の血液成分全体に異常がひろがってくる病気。
その結果、骨髄が血液を造るという正常な働きをしなくなり、正常な血液細胞を送り出せなくなるため様々な体の異常があらわれてくる。
以前は「前白血病状態」「くすぶり型白血病」と呼ばれたり、治療に反応しにくい原因不明の貧血の一部として扱われてきた。
と先生に渡されたプリントに書いてあった。
「前白血病状態」
という文字にちょっとビビる。
しかしそのときはまだ血小板だけが少し少なくて他の数値は正常だし無症状だったので定期的に血液検査をして経過観察していけばいい、とのことだった。
高齢者に多い病気と聞いたので症状が出たり治療が必要になるのはおばあちゃんになってからかな…と楽観的に受け止めてそんなに大したことなくてよかった、とそのときは感じた。
このときはまさか10年後、自分が造血幹細胞移植をするなんて思ってもいませんでした。
本当に病気っていつどうなるかわかんない…!