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薬学生だったあの頃の自分へ

はじめに

私の薬剤師としての月日は、ようやく5年目に突入したところで、まだまだ偉そうにこの世界について語れることはそう多くありません。
しかし過ぎた大学時代に関してならなかなか思うところがある。ということで、本日は薬学生(だった頃の自分)に対して記事を書いてみようと思います。

念のため断っておくと、私の学業レベルは高くない。留年こそしなかったが、成績は末尾の方であったと自覚している。

その私がこの記事を書こうと思ったのは、①Twitterの薬学系アカウントのフォロワーには一定数の薬学生が含まれていること、②薬局×○○というトピックが上がっていること、③学生時代の自分に伝えたいこと(考え)が今の自分にあること の3点が要因だ。


薬局×○○について

私はこれを目指す一人として、現在活動している。目下、調剤喫茶の計画中である。
中には薬剤師はまず薬剤師として一人前を目指すべきという指摘もあり、意見が分かれるところだ。

私見を述べるなら、私は薬剤師として一人前を目指すことと×○○を併走させることは決して矛盾しないと考えている。仮に薬剤師一本に絞ったところで、24時間薬剤師としていられるわけでもない。○○に割ける時間はあるはずだ。

なにか面白そうなことがあるのならやってみよう!そういうエネルギーはあったほうがいい。楽しくやれば、未来は楽しくなる!


何者になりたいのか

私にとって薬剤師は手段の一つに過ぎない。
元々私の夢は頼れるおっさんであり、薬剤師なんてものは後から付いてきた。つまり薬剤師としての超一流は初めから目指していない。

(今でこそこう断言できるが、学生時代はそうではなかった。人より勉強が出来ない劣等感も大きかった。けど途中で目指すものが違うのだと気がついた。私は勉強が出来るやつになりたかったわけではなかった。)

薬学生の多くが薬剤師を夢見て、そこを目指している。一方で、その先どうなりたいのかを考えている人間はそう多くないのではなかろうか。薬剤師=ゴールとなっている学生が、卒業後に目標を失って迷子となっているところは複数回見てきた。

私は頼れるおっさんになるべく薬剤師となったが、その能力を行使する場所が無ければ、夢は叶わないだろう。だから私は喫茶を開き、その地域に根を下ろして、頼りになる存在として老いていきたいと考えている。


薬学部のカリキュラムについて

薬剤師とは、

「調剤、医薬品の供給その他薬事衛生をつかさどることによつて、公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もつて国民の健康な生活を確保するもの」(薬剤師法 第一条)

というだけあり、求められる知識は薬学だけに留まらず、環境や衛生問題など多岐に渡り、世間の理解よりも随分と幅広い。
もちろんそれらを会得するために、現行の薬学カリキュラムでは、膨大な知識を詰め込む形となっており、また臨床の即戦力となるべく実務実習も長期に行われている。そのため薬剤師は医学部と同様6年間大学生活を送るわけだ。

しかしここで一つ確認したい。
このカリキュラムで習うすべての知識が、果たして目指す未来に必要なものだろうか?

自分の愚行を肯定するわけではないが、全ての教科で満点を取ることが一番正しいとは思わない。
情報過多と言えるほどの学びがある薬学部だからこそ、学生はその情報の取捨選択を行い、省く力が必要なのだと思う。

通常大学とは、学ぶものとそうでないものを選択することで自身のカリキュラムを完成させるが、薬学部ではそのような選択の余地がないほど必修科目が多い。(うちの大学だけかもしれないが)

ここまで言うと、「では代わりに○○や△△について学べばいいのか」と思われるだろうが、少し待って欲しい。
将来に向けて意欲たっぷりなのは結構なことだが、現在を楽しむことを忘れないで欲しい。
月並みではあるが、学生のうちしか出来ないことが沢山ある。今はそれを精一杯楽しんで欲しい。
アルバイト友人との交流趣味の向上それらを見つけるところから始める必要があるかもしれない。

"アルバイト"は就職してからいろいろやるのは難しい。どうせ将来それを生業にするわけではないのだからすぐに辞めたって構わない。いろんな世界を見ておこう。

"友人"を気軽に友人と呼べるのは、大概学生時代で最後だ。
大人になってから出来る友人もいるだろうが、期待しない方がいい。気軽にそう呼べるようになるには比にならないくらいの気持ちが必要になる。

"趣味の時間"はこの先行き詰まった時に必ず助けになる。出来れば多種多様な趣味を見つけておくと良いだろう。それに趣味が思わぬ繋がりを生み、仕事に活きることもある。身に付けておいて損はない。それに卒業してからはしばらく趣味を見つける時間は取れないだろう。その間に行き詰まってしまうことも多いから、やはり卒業前に見つけておこう。


まとめ

学びのたくさんある薬学部において、本当に学ぶべきことを自身で選び、時には少し力を抜いて欲しい。勉強で一位を取ることが全てではない。
自分将来に関わることを真剣に学んだら、後は赤点を取らなければいいと開き直ったっていい。
それよりも今しかできない価値を見つけて幅の広い人間になろう。それがあなたの薬局×○○になるかもしれない。そうなったら面白い。面白みのある人間はどこでも重宝されるし、挫けることもない。仮に挫けてしまっても立ち直る術はその中で見つけられるはずだ。己を知り、己を高め、面白みのある人間になろう。

ではまた


PS.
偉そうな記事になってしまった💦
この記事は昔の自分に宛てて、「そのままで大丈夫」と自己肯定感を届けるために書いたようなものです。あしからず。
この記事を読んで下さったあなたは、きっと私よりも一生懸命で面白みのある人間だと思う。

どうか素敵な未来を!


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いしまる
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