土地家屋調査士会 研修【R7.1.14】
愛知県土地家屋調査士会の定例研修を受けてきました。
土地家屋調査士は様々な研修がありますが、県別の調査士会の研修で私にとっては格式が高く、スーツで行って参りました。
場所は鶴舞公園にある名古屋公会堂。
平日の昼間にやるので中々参加しづらいのですが、修行の身の私なのに事務所が優しいので参加できます笑。
テーマは令和3年民法改正以降における土地家屋調査士業務の考察。
土地の売買や担保設定などの時に隣接土地所有者の方たちと、土地の境界を確認する境界確認というものを土地家屋調査士が行います。その際、相続などの登記がされておらず所有者不明だったり、全く協力する気のない隣接所有者だったり、様々な問題が生じます。
そこが土地家屋調査士の仕事の最も精神的に辛い部分なんですが、そういった問題となる事象の法的な位置づけ、解釈などを講義していただきました。
隣地のほとんどの方が優しい方なのですが、全員が全員スンナリともいかず、土地家屋調査士が受任するずっと前から隣地同士で遺恨がある場合もよくあります。せっかく難しい資格を取ったのに、精神的に辛い仕事だから辞めてしまう調査士もいるくらいです。
現代の環境に合わせて法整備していってくれているようですが、まだまだ問題解決まではできていません。境界確定ができない世の中では困ると思うのですが。境界が曖昧な土地を買いたいと思いますか。
個人的には、協力しないのであれば自分が将来売る時に逆に困る側になると思うのですがなかなか理解されません。
不動産を買う時は地続きなので、そういった相互協力を理解した上で買って欲しいものですが、現実はそうもいきませんね。
民法改正により、所有者不明土地や管理不全土地、共有者不明の持ち分帰属などを我々の業務に落とし込んで行かなければなりません。
土地家屋調査士以外の方はわからないと思いますが、境界と言っても所有権界や筆界、行政の管理区域が違う場合もあります。
道路や水路を行政に確認してもらうにも所有権界を確認したのか、管理区域を確認したのか行政によって違うんです。
隣地と揉めた時に裁判となったら、立ち会いで何を確認したのか、どう説明したのか、などが重要となってくるようです。
一般の人からしたら「そんなのどっちでもえーわ！」っていう話かもしれませんが、我々土地家屋調査士の法律的な存在意義が問われる部分でもあります。
単純に機械で測量して、図面作って、申請する代書屋さんではないということ。
調査士全体で法的解釈を周知徹底していく貴重な研修でした。
境界の専門家としてこれからも研鑽を積んでいく所存でございます。
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