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クエス王女関連のイベント文字起こし:20話
・バサラの手紙
「勇敢なるクエス殿、フォボス殿、サスケ殿へ
今まで私バサラは、アショカの旗の下、貴殿たちと剣を交えてきた。だが、今のアショカは罪なき人を殺し、弱きものをくじく、思想の欠片もない情けない国に成り下がってしまった。私バサラはこのような現状を考えるに、我が配下の軍団とともに、アショカと袂を分かつべきという結論に達した。そこでまず、貴殿たちと和議を結び、今後の方針を語り合いたいと考えている。
もし貴殿らが私と会談しても良いと考えるなら、ぜひとも返事をいただきたい。私はどんな困難があろうと、貴殿たちに会いに行くだろう。今の世界を救うために、過去のことは忘れ、どうか広い心と共に、私の言葉に耳を傾けてほしい。
―――バサラ」
「本気かなあ?」
「ワナとも考えられるが、今はそんなことを言っていられない。たとえ1%でも可能性があるなら、和議に応じたいと思う。」
・バサラとの会談
「よく私の呼びかけに答えてくれた。貴殿らの勇気と、度量の広さに敬服する。」
「将軍こそ、よく決断なされました。その心のやさしさに敬意を表します。…ところで、そちらの方は?」
「私はバサラの娘、ラーナと申します。父につき、雑用など申し付かっております。」
「堅苦しい挨拶はこの辺にして…単刀直入に話そう。正直なところ、今のアショカに正義はない。アショカ教徒でなければ生きる権利がないなどとは間違っている。私は、己の間違いを正すため、アショカから離れ独自に動こうと考えている。」
「で、具体的には?」
「今、アショカに逆らった町がことごとく滅ぼされている。私たちは、彼らの盾になろうと思う。」
「盾になる?」
「アショカ国境付近に陣取り、アショカ軍の動きを牽制しようと考えている。我々のお蔭でリュートの動きが止まれば、それで良しとしたい。」
「つまり、戦うのでなく、存在することによって他を守ると?」
「そうだ。私はこれ以上血が流れるのを見たくはない。もし我々がリュートと戦えば、血を流すのは私と同じアショカの民なのだ。」
「良い方法だと思う。戦って敵を倒すことだけが勝利じゃない。戦わずして勝つのが最もいいんだ。その間にボクたちがリュートの首を取れば…。」
「そうだなあ。アショカの兵隊だって…人間だもんなあ。」
「わかってもらえて非常に嬉しい。将来、世界中のすべての種族が仲良くやれる世界を作りたいと考えている。」
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「…私には邪悪な魔法がかけられていたらしい。アショカを裏切ると自動的に魔獣に変身するような魔法だ。」
「誰がそんなことを!人を何だと思っているんだ!」
「人を人とも思わないやり方は、リュートの得意とするところだ…クエス姫、こちらから話を持ちかけながらこの体たらく、どうか許してください…」
「バサラ殿…!」
「ラーナよ、クエス姫にあいさつをなさい。そして、今後は彼女に従いなさい。…ラーナ、お前に最後の頼みがある。」
「なんでしょう、お父様!?」
「私はこのままでは再び魔獣に変わってしまう…。」
「お父様!」
「その前に、お前の手で…私を殺してほしい。」
「そんな!」
「私が人であるうちに…最も愛するお前の手で、この世と別れを告げたいのだよ。今後…お前には更なる困難が待っているだろう。これくらいのことができないようではやってはいけ…ラーナ、頼む、私を早く楽にしてくれ!」
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「さらば…ラーナ…我が、最愛の娘…ありが…とう…」
「…お父様はああ言いましたが、私はあなたたちと行動するつもりはありません。アショカのやり方に我慢できないのは同じですが、私は私なりに戦います。」
「…それがいいと思う。実際、ボク達は君に何もしてあげられない。」
「お父様の口癖は、「人間話せばわかる」でした。でも、結局話してわからない人に殺されました。私は、話せばわかる世界を作るために、暴力を使うことになるでしょう。後世の人は、私を批判するかもしれません…それでも戦おうと思います。」
「…嫌な戦いだな…。」
「早く終わらせないと。人が…人らしく生きているうちに。」