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「整体師」というイメージと現実
一般的なイメージと実際の治療家の違い
メディアに取り上げられる「整体師」と称する人物の印象は、次のような感じでしょうか。
・厳めしい顔をしている
・ちょっと高圧的(でも根は患者思い)
・作務衣を着用
・風変わりな治療法
・腕は確か
以上は過去に私がテレビなどで目にした平均的な人物像です。
皆さんはどうですか?
でも、実際にはいたって地味なものです。
奇跡の治療は出来ませんし、荒療治もしません。
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ちなみに私は自身で「整体師」と称することはありません。
公的資格は「あん摩マッサージ指圧師」という国家資格です。
ただ、用いている手技が上記の“あん摩”とも“マッサージ”とも“指圧”とも異なるため、「治療師」とか「手技療法家」などという表現を好んでいます。
口頭で自己紹介するときは「治療院を営んでいます」という言い方をしますが。
話を戻します。
つい先日、腰を痛めた方が、医師に整体はやめた方がよい、と止められたそうです。
その先生は、私のことや、施術の内容をご存知ないでしょうから、おそらく上述したようなイメージをお持ちなのかもしれません。
そしてもうひとつは、当院のような手技療法で症状の改善がなかったり、あるいは不幸にも悪化してしまった患者さんを目にしたことがあるのかもしれません。
それにより、「そんな民間療法は効果があるわけがない」というバイアスが生まれることはあり得るかと思います。
このようなバイアスは、実のところお互い様であって、私たちも例外ではありません。
「病院なんか行ったところでよくなりませんよ」という手技療法家もいます。
確かに、複数の医療機関に通ったけれど、治療らしい治療は受けられず、シップや痛み止めといった対症療法ばかりで、効果を感じられなかったという患者さんが、すっかり良くなったという例は当院にもあります。
でも、ちょっと考えればわかることですが、病院での治療で治った人は、治療院に来ません。
つまりお互いに分母とする基準が違うのです。
理解と尊重をもとに相補関係を気づくことが重要
自分が充分に理解していない治療法を、思い込みで否定することは誤りであると考えます。
大切なのは個々の特性を認め合い、必要に応じて補完し合うことなのではないでしょうか。
そして最も重要なのは、患者さん一人ひとりの状況やニーズに合わせて、適切 な治療法を選ぶことです。
いつも患者さんの立場に立って、患者さんの利益を最優先に考えることが大切です。
そのためには標準医療とも積極的にと連携し、互いに尊重し合いながら、患者さんのために協力していくことが必要とされるのではないでしょうか。
それが、理想的な医療従事者の姿だと私は信じます。