親子三代力を合わせて ~山間部でのお茶づくり~
こんにちは、長老大学オンライン支店スタッフのあいかわです!
今回は、O様の聞き書きをさせていただきました。O様は、ご実家が農業とお茶づくりをされていたとのことで、とても素敵な笑顔でいろいろなお話をしてくださいました。今回は、そのなかでも、O様からお聞きしたお茶づくりに関する貴重なお話を紹介したいと思います。
O様:わたしはね、飲むお茶のね、茶畑をもっとりまして。面積は、本山小学校のグラウンド、運動場のね、3倍ぐらいのね。ぜんぶね、自分の茶畑で。加工する機械もね、ぜんぶひと揃え、そろえておりましてね。
それで、嶺北ではね、わたしの家だけでしたね。わたしのね、じいさんが植えまして。昔はね、いま本山町の農協があるところに、私の家の加工場があったんです。というのはね、高圧の、モーター回す電気がね、山のほうにはなかったんです。家庭用の電気しかありませなだったからね、茶畑の機械はね、摘んだり揉んだりもしたり、いろいろして、4つか5つの過程を経てお茶に仕上がるんです。茶葉を摘んでからね。
わたし:Oさんのおうちはお茶農家さんだったんですか?
O様:いえ、うちは田んぼとね、お茶とね、両方でした。でも、若宮公園という公園がありますが、あそこのカーブのところにね、工場(こうば)がありまして。もとはね、農協のあるところに(工場が)あったのが、農協ができるということで工場を移転しまして。そこでね、ずうっとね、何年したか忘れましたけんどね、20年かずっとね、やっております。でも、歳がいきましたし、それから機械も古くなってきましたのでね、お茶をつくるのはやめました。
わたし:どなたか人を雇ってみえたんですか?
O様:いえ。親がつくってね、親が加工して。子ども(O様)が摘んで、親が加工しよったんです。機械一式はね、構えとりました。
O様は昭和8年生まれだそうですが、おじいさまが茶畑を始められたのは、なんとO様のお生まれと同じ昭和8年だったそうです。いまはおやめになられたとのことでしたが、親子三代でずっとお茶づくりをされてきたということで、とても素敵だなと感じました。
また、O様は、お茶の種類についても教えて下さいました。
O様:お茶の種類は緑茶ですね。緑茶でもね、春に1回採ったら、夏に採ってね、それから秋にも採ってね。二番茶、三番茶というんです。そのすべてに、春に採る一番茶と同じ過程の加工をするんです。
春に採るのは一番茶というんです。春に芽が出ますよね。それを摘むんです。摘んだら、そしたらまた芽が出ますろ? それが二番茶。そしたらもう1回ね、秋ごろ、いや秋前になりますかね、それが三番茶。4月に一番茶、6月に二番茶を採って、8月の終わりごろ、9月前、もう1回三番茶というのを採るんです。でも三番茶の葉っぱが固いかどうかというと、そんなことはない。
わたし:一番茶と二番茶と三番茶は、味にちがいがあるんですか?
O様:あります、確実にちがいがあります。春はね、芽が出て、いちばん、まあ好みにもよりますけんどね、いちばんおいしくて値段も高いんです。二番茶はね、いちばん味も淡白ですから、値段も安いんです。(一番茶の)次は三番茶が、値段が高いんです。
あと年によっては(三番茶の後)もう一回採ります。芽が出てくるとね。その場合はね、採って、製品にしないんです。
わたし:それは、製品にしないでおうちで飲むんですか?
O様:いやいや。それはね、採ってそのまま置いて。あの、茶の畝(うね)を剪定して、均さな(ならさな)いかんのです。水を張って、畝になっているので、ずっと。
三番茶の後にもまた芽が出るときがあると伺い、お茶の葉というのは生命力がすごいんだなとひしひし感じました。また、いつごろ採るかによって味がちがってくるというのはとても興味深く、これから自分でお茶を購入する際、飲み比べてみたいなととても勉強になりました。
そして、O様は茶摘みのやり方についても教えてくださいました。
O様:あと、葉はね、機械で摘んで採りますから。
わたし:人間の手で摘むんじゃなくて?
O様:いえ、一番茶の品種のええやつはね、(ふつうは)手で採ります。一芯三葉と言って手じゃないとつめません。でもうちはね、一番茶もね、ぜんぶ機械のハサミで採ります。それはなぜかと申しますと、ウチのお茶は味はえいけんど、昔の種から作った品種的には名も無い茶ですからね。一番茶を手で採るほどのね、一番茶はね、値段が高いですろ?特殊な人はそれを飲みますけんどね、一般論ではあんまり高いお茶は飲みませんから、はは。
摘むときはね、1メートルぐらいの機械でね、両方をふたりで持ちましてね、畝をずっと、ざあーっと、歩くスピードで(茶葉を)採るんです。
わたし:ふたりがかりで! すごいですね。ちなみに、Oさんは何番茶が一番好きですか?
O様:いやあ、それはうちはぜんぶ好きです、ははは。
ご自分の家でつくったお茶はみんな好きだとほがらかに仰るO様の姿から、長年やってこられたお茶づくりに対する愛情が感じられ、わたしもとてもあたたかい気持ちにならせていただくことができました。
O様、素敵なお話を聞かせていただき、本当にありがとうございました!
O様のお茶のお話の続きはこちら↓
【デイサービス長老大学オンライン支店 ご利用者募集中】
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?