外食恐怖症(だった)話
前回、鎌倉の洋食店『コアンドル』のお話を書いた時に、料理の味云々ではなくて、落ち着いた雰囲気のお店で美味しく料理を食べられたことが嬉しかったと書いたが、それにはタイトルに書いた理由があった。
私は小さい頃から、レストランの雰囲気が苦手で、お店に入ると食欲がなくなり、何も食べられなくなり、デザートだけでもと両親が頼んでくれたのを無理矢理食べては気持ち悪くなって、トイレで吐いてしまう、ということを繰り返していた。
ちなみにこの時よく食べていたデザート、チェリー味のアイスクレープ。
とても美味しかったのに、決まって一口食べるとトイレに駆け込んでいた。
両親に悪いことをした。
ここでポイントなのは、きちんとしたレストランの雰囲気がダメ、ということである。
ファストフードとかスーパーにあるイートインみたいな気軽なところだと大丈夫。
成長するにつれて、だいぶマシにはなったが、友達と出かける時は、入っても大丈夫そうなお店か私が選ばせてもらった。
大学生になったら、ちょっと改まったお店に行くこともたまにあったが、子供の頃を思い出し、食べられなかったらどうしよう、といつもドキドキ不安に思っていた。
レストランに行ってはみたいのに、美味しいかということより、食べられるかということが重要で、肝心の味を楽しむことは全くできなかった。
いつのまにか克服し外食大好き人間に成長した今となっては、なぜなのか全くわからない。
一種のパニック障害かなと思っている。
子供を産んで体質が変わり、何でも美味しく食べられるようになったので、それに伴い外食恐怖症も克服したと考えられる。
若い頃は、きちんとしたレストランも入れないし、食べすぎるとお腹を壊すし、夏は梨しか食べられない時期もあったし、とても痩せていた。
10キロ以上太った今では考えられない。
外食恐怖症は辛いけど、克服できたよって同じような経験している人に伝えられたらいいな。