母のことが好きになれない
タイトル通りなのだが、こんなにタブーな言葉もそうそうないだろう。
口に出してはいけないことと認識しているが、どうしようもない気持ちだ。
数年前に父が亡くなり、それから1人で暮らしいている母。
最初のうちはせっせと実家に通っていたが、今はせいぜい2ヶ月に一度。
以前は実家に寄ったら1人では寂しいだろうとお昼も夜も一緒に食べてのんびりしていたが、今は父のお墓参りだけ済ませてさっさと帰る。
なぜなら母にイライラして優しくできないから。
先日、40年ぶりくらいに再会した、だいぶ年上の従姉妹に、もう少しだけ叔母さんに優しくしてあげて、と言われた。
一緒にお墓参りに行った時、ポンポンものを言う私の態度を見てのことだったが、それは無理な相談だ。
だって、せっかくの何十年ぶりかの従姉妹、母にとっては姪との再会だったのに、遠路はるばるわざわざ父のお墓参りにきてくれたのに、実家で過ごした時、自分の若い頃の青春の自慢話を滔々とするのだ。
ゲストですよ。
お客様。
従姉妹の話を聞きましょうよ。
しかも従姉妹は高校生の孫も連れてきていた。
私は聞きたいことがたくさんあったし、わざわざ来てくれたのだから、おもてなしとしてゲストの話を聞くのが筋だと思っている。
ああ、イライラ。
だから、優しくするのは無理だ。
母に優しくするのは兄の役割だと思っている。
父は、私を溺愛していた。
父は単純に女好きだ。
だから子供も女の私の方が好き、兄には厳しかった。
孫も息子と娘がいるが、娘の方ばかり可愛がっていた。
兄には厳しかったので、それを庇うのが母の役目だった。
単純に、はっきりとものを言う私より、ちょっと偏屈なところはあるけど、母には優しい兄の方が可愛かったのだろう。
結婚してからは忘れていたが、父が亡くなりいざ母とがっつり向き合うようになると、まだ実家にいた頃母に感じていた違和感を、また感じるようになった。
もし、母とクラスメイトだったら、絶対に友達にはならない、と若い頃よく思っていた。
それくらい気が合わない。
母の性格が嫌いだった。
贅沢な話だが、母は専業主婦だったので、家事はしっかりやってくれたし、虐待されたわけでも、モラハラがあったわけでもない。
ただ単に気が合わないだけ。
それと、自分の意志を持たないところと仲の良い友達でもすぐ悪口を言うところもきらい。
そして、自分が悪くても絶対にごめんなさいを言わないところもきらい。
兄は勉強がよくできて、中学から名門私立へ入った。
その学校のお母さんの仲良しグループができて、母は楽しそうにあちこち出かけていた。
が、ある時から一切出かけなくなった。
話を聞くと、そのグループの中のご主人が勤める会社の製品の悪口をその集まりの時に言ったそうな。
空気読めない人。
その後悲しそうにするわけでもなく、ちょっと悪口言ったぐらいで何よ、と強がっていた。
こういうところもきらい。
そして何より、父は私を溺愛はしていたが、子供の頃、私が友達の家にお泊まりしたいとか、ちょっと特別なことはぜったいNOな人だった。
私の子供時代は親が厳しくて、そういう家庭は結構あった。
でもだいたい、母親が父親を説得してくれ、結局は家から出してくれるものだ。
だが母は違った。
お父さんに聞いてみないとわからない、と言って、父に聞くと、ダメだって、で終わる人だった。
他の子のお母さんは、お父さんのこと説得してくれるんだよ?何でお母さんは何でもお父さんの言いなりなの?お母さんには自分の意志がないの?
と、何度も喧嘩になったが、母は黙るだけ。
私はそんな母を見て、そんなお母さんにはなるものか!と。
反面教師だ。
娘の気持ちを考え、何かの時に旦那が反対しても私が盾となった。
その甲斐あってか?
娘とはとても仲良しだ。
まぁ、娘が本心ではどう思っているかはわからないけど。。。
父がいた頃は、父がめちゃくちゃな人だったので、父のどうしようもないところを2人で愚痴を言い合うことで、バランスを保っていたように思う。
父がいい緩衝材になってくれていたんだなと、今になって思う。
もういい歳で、老い先短いのだから、優しくしてあげたらいいのに、と思うこともあるけど、会うとどうしても無理。
親だからって、世話をする義務はないとか、そんな記事を読んで複雑な気持ちになる。
そんなことを言いながら、来月もお墓参りにに連れて行くのだろう。
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