【前編】原因不明で、たらい回しにされた結果、歯から異物が刺さってた副鼻腔炎の話。
コロナが出現した2020年ごろ、鼻に異変を感じるようになった。
どうも奥の方でぐずぐず、何かが流れているような気がする。
そして何より、鼻の中がとにかく臭い。
外出から帰って家に入ると「何このにおい!」と叫んだら、他の家族はしれっとしていて、私だけが臭かったということもあった。
このにおい、なんと表したらいいだろう。
・魚が腐ったにおい
・生ごみのにおい
・どぶのにおい
等々・・・
とにかく耐えられない類のにおいなのだ。
早速近所の耳鼻科に行くと、
「うーん、いうほど鼻の症状はないけど、レントゲン撮ってみる?」
となり、結果左の副鼻腔が白く映っていた。炎症がある証拠だそうだ。
じゃあ、抗生物質飲んでみて、と言われ服薬を開始する。
副鼻腔炎の標準治療は、少量の抗生物質を長期で飲む方法だ。
軽いものならこれで完治するそうだ。
私の症状もこの治療のおかげで、すっかり良くなった。
・・・はずだった。
臭いにおいもなくなり、快適に過ごしていたが、半年過ぎたころにまた症状が復活した。
その頃は、コロナ感染者がどんどん増えていた。
うかつに耳鼻科なんて行ったらうつってしまいそう。
と躊躇している間に、どんどん臭いにおいが増していった。
意を決して、耳鼻科に行きまた抗生物質を処方してもらうも、今回は効かなかった。
先生も首をかしげる。
「あのさ、これ鼻じゃなくて、歯が原因なんじゃないの?」
とさらっと言っていたこの一言。
のちほど神のお告げと知る。
副鼻腔炎とは関係なくメンテナンスのために歯医者には定期的に通っていたので、ちょこっとそんな話もした。
念のため歯医者さんも原因となりそうな歯の当たりを叩き、症状を診てくれた。
その結果、歯が原因ではないということだったので、やはり鼻なのであろう。
この時は、もうコロナが猛威を振るっていたので、再び耳鼻科へは足が遠のき、薬が切れたらそのまま放置してしまった。
二年後。
2022年の年末にひどい風邪をひいてしまった。
鼻水が尋常ではないな、と思っていたら、今度は猛烈に歯が痛くなった。
年末なのに、歯が痛いと泣きつき歯医者に駆け込む。
歯が痛いと思っていたが、歯医者さんがその歯を確認すると、特に炎症はなさそう。
「副鼻腔炎が原因じゃないの?」とのこと。
でも、痛いのかわいそうだし、来てくれたからとロキソニンと抗生物質を出してくれた。
年明けに、ちゃんと耳鼻科行くんだよ、と送り出された。
年末年始はこのお薬のおかげでどうにか乗り切れた。
そして2023年明けてすぐ、いつもの耳鼻科ではなくて、もう少し大きなCTを撮ってくれる最新の耳鼻科に行ってみた。
レントゲンではなくCTで確認してほしいと思ったからだ。
CTの結果、衝撃の事実を知ることになる。
「何か刺さってますね~」
??
「ほら奥歯のここから何か出ててこれが副鼻腔に刺さってますよ」
なにー?
確かに細いものが奥歯から突き出ているのが見えた。
「鼻の方はそんなに症状ないから、原因はこれね。はい。歯医者行ってみてもらってね」
と紙を渡された。
そこには、『歯性上顎洞炎』と書かれていた。
初めて聞く病名だ。
ここでも左側の副鼻腔(正確には上顎洞)だけが白く映っていた。
後から知ることになるが、片側だけに炎症がある副鼻腔炎の場合、ほぼ原因は歯からくるそうだ。
一番はじめにかかった近所の耳鼻科の先生は初期の段階で、歯からくるものだと見破っていた。
片側のみに炎症があったからだろうか。
ここで、ちょっと頼りないと思っていたおじいちゃん先生をおおいに見直した。
で、結局また歯医者に向かった。
歯科の先生は、歯の状態を見て、歯からくるものではないと判断していたはず。
お話を聞かなくちゃ。
すると開口一番
「僕も、この何かが突き出ているのは知っていたよ。これはおそらく昔他院で(私がまだ若い頃、推定で20年以上経っている)根の治療をしたときに、器具が残ってしまったものだね」
「でもね、レントゲンで見る限り、上顎洞には刺さっていないんだよね。骨がその間にあるから」
とのこと。
で、結局その根っこの先にある器具を歯を抜かないで取るか、無理なら抜歯をするかという話になり、どっちにしろここではできないから、大学病院に行ってと、某有名歯科大を紹介していただいた。
さて、この器具が残ってしまった件、なんとブラマヨの小杉さんも同じ症状だったと今年の4月にニュースになっていたが、そこそこあることだそうだ。
歯科医師免許を持っている知人に話を聞いたところ、根の治療はそれだけを専門で開業しているクリニックがあるほど専門的で難しい治療で、一般の歯科だとやっている最中に器具の先が折れてしまうことは結構あり、それに気づかずふたをしてしまうこともあるそうだ。
悪質なところだと、折れたのに気づいても取るのがとても難しく面倒なので、そのままふたをしてしまうこともあるらしい。。。
私が若い時に通っていた歯医者は、確かにあまり評判が良くないところだったが、早くて優しいので、ついついお世話になってしまっていた。
今はもう閉院してしまったので、確かめるすべもない。
次回は、某歯科大学の話。