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うつつの夢の裏話 床の間のお坊さん

 お坊さんの顔は今でもはっきり覚えています。実は床の間に現れたのは、お坊さんではなくて、ソビエト出身でアメリカの俳優ユル・ブリンナーさん(の首)でした。因みにユル・ブリンナーさんは映画『荒野の七人』『王様と私』が代表作として有名ですね。
 禿頭の頭が床の間の中央に後ろ向きで置かれていて、私がそれに気づくとゆっくりと首を回して「お前を呪い殺してやる」と言ってきたのですから、幼心ながらもその言葉に驚きましたが、やはり首だけで黄金バット並みの高笑いをされたのには度肝を抜かれましたね。中学の時に読んだ、ロシアの小説家ベリャーエフの「ドウエル教授の首」くらいのインパクトでした。
 さて、世の怪談師が語ることの多い仏間ですが、御多分に漏れず私の過ごした家の仏間も怪異現象が起きやすい場所でした。今回の話以外にも色々怪異が有りましたので、おいおい書いていきたいと思います。
 余談ですが、旦那は若い頃、『帰ってきたウルトラマン』の団次郎さんと言うか、ユル・ブリンナーさん並みにハンサムでしたが、現在はそこに年齢の凄みが入り、『刑事コジャック』のテリー・サラバスさんのような渋さが醸し出されるようになりました。

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