【超速GP】TATB4レイアウトの制作秘話
皆さんこんにちは、アンリミニ四駆ステーション店主のアンリです。今回は第4回タイムアタックチームバトルのコースレイアウトの制作過程をご紹介したいと思います。それではいきましょう。
①TATB4のレイアウト
まずはTATB4のコースレイアウトをご覧ください。
今回のレイアウト制作の出発地点はデジタルでした。実装されてからあまり期間が経ってなく、所持されている方も多くはないかもしれないという懸念はありましたが、思い切って使ってみました。
デジタルセクションは主に4箇所ありますが、なかでもこのレイアウトのキモとなるのは図に矢印で示した3つのセクションです。見てわかる通り、メインギミックの前には必ずデジタルがあるというのが今回のポイントです。
ギミックの説明に入る前にデジタルコーナーについてざっくりとお話します。デジタルは知っての通り、コーナー侵入時や曲がる際に耐久値が削られ、耐久値が底をつくとマシン性能が低下してCOにつながるという性質を持っています。
そしてもう一つの性質として、通常のコーナーよりも減速が強いということ。さらにデジタル特性を持ったパーツをつけると速度が上がるという性質もあります。
以上のデジタルが持つ性質が今回のレイアウト制作の始まりです。
②メインギミック作り
まずはメインとなるギミック作りです。デジタルをただ置くだけでは面白くないので、デジタルを生かしたギミックを考えることにしました。
そこで最初に思いついたのがドラゴンジャンプです。GPのシーズン25・26のメインギミックでもあるので、参加する人も攻略の取っかかりとしてわかりやすいと思いました。
DJを使ってデジタルを生かすにはどうすればいいのか。DJと言えば速度域の調整が難しいセクションです。DJの先にコーナーがある場合、侵入速度によってバウンドが抑えられない、あるいはバウンドが合わずにCOというのはよく見る光景です。
そこで思いついたのがこれです↓
DJの前にデジタルを置くこと。前述した通り、デジタルは減速ポイントにもなれば、加速ポイントにもなります。つまりデジタルがあることである程度高い速度で侵入しても減速でき、低い速度にしても加速できるということになります。侵入速度の調整が難しいDJの前に置くことで、よりセッティングが面白くなるというのが狙いです。
DJ後のストレートの枚数は後々調整するとして、とりあえずこのギミックを中心にレイアウトを発展させていくことにしました。
③サブギミック作り
メインのギミックが決まったので、次はメインを発展させるサブギミックを作ります。
メインギミックはだいたいレイアウトの中盤から終盤に置くというのが僕のやり方で、序盤から中盤にかけたサブギミックで速度域をある程度決めてしまうというのも僕のやり方の一つです。このときもDJの前である程度速度域を決めてしまおうと考えました。
そこで考えたのがナイアガラスロープです。
ナイアガラといえば速度が出過ぎると飛び出しすぎてしまい、遅過ぎても減速ポイントになります。さらに着地枚数を1枚にすることで速過ぎても遅過ぎてもCOするという難しいギミックに変貌します。
速過ぎて飛び出し過ぎるのはわかると思いますが、遅過ぎてもナイアガラの頂上を飛び越えられず摩擦が効いて加速してしまい、そこから飛び出してCOという現象が起こります。そこにデジタルを加えれば、さらに速度域調整が難しくなるというのがすぐにイメージできました。
これで2つ目のギミックのイメージが固まりました。
④3つ目のギミック
前回のTATB3のレイアウト作りの記事でも言述しましたが、僕はレイアウト作りでギミックの3つの集合(詳しくはこちらのリンクから)を大事にしています。
DJとナイアガラで速度や到達時間に干渉したギミックを作ったので、もうひとスパイス欲しいところです。
そこで考えたのが結構前から節電ボディがずっとボディ選びのメインになっていることです。さらに節電UP+という環境を壊すボディまで実装されたので、このままではTATB4でも節電ボディ一択になりかねないなと思いました。
それではやはり面白くないと考えたのがLCの0枚着地です。
着地0枚でのカーブにすることで、結構速度を落とさなければ入りません。もうみんなが忌み嫌うギミックです。
チームコースの特性上スタートレーンが固定なので、LCを1箇所だけにすることでレーンが変わるのを3周目に持ってくることができます。そこを利用して、電池をたらして3周目にLCを入れるというのはどのレイアウターさんもよくやる手法だと思います。
そこからさらに発展させてデジタルを手前に置くことで、減速か加速かという選択肢を迫り、より速度調整を難しくしました。これでギミックの3つの集合のイメージが固まりました。
⑤スタートセクション作り
ギミックのイメージが固まったところでそれを繋いでコースに仕上げていきます。この段階で僕の頭の中ではこれくらいのコースのイメージができていました。
もうTATB4のレイアウトの8割方はできているといった感じです。ここまでできていればあとはスタートとゴールのセクション作りだけですね。
まずはスタート作りから取りかかりました。この段階でどうしようかと考えていたのがデジタル強度です。ここまでのデジタルは4枚。この強度では正直意味がありません。デジタルは6枚からでなければ現実的な干渉にはなりません。それ以下だとおそらく耐久値が100を切っていても問題ないからです。
そこであと2枚のデジタルを足すためにデジタルヘアピンTT複合を使うことにしました(仮にデジタルを持ってない人が買い足す場合、コーナー2枚よりこっちのほうがコストが安いため)。
ただ、デジタルヘアピンは速度調整が結構難しいセクションです。そこの解決策の一つにブレーキがありますが、ソフトブレーキが最適となってしまうと面白くありません。そしてすでに前述した3つのギミックで速度調整の干渉が入っているので、ここでも求めてしまうのはやり過ぎです。それにデジタル侵入速度を高めて、よりデジタル強度をあげたいと思ったのでひと工夫加えました。
それがこちら↓
手前にドラゴンバックとテーブルトップを置くことでスロープの登りがなくなり、侵入速度が高いことでのバウンドCOの心配がなくなります。さらに加速ポイントにもなっていて、少しでもデジタル強度を上げることができます。
ただ、あまりにも速度が出過ぎると当然COします。なので速度調整を求めることになりますが、すぐにクリアできる軽度の調整なので先の3つのギミックのバランスを壊すほどにはなりません。最初のスピード検問ギミックとしても良い感じになりました。
⑥ゴールセクション作り
続いてゴールセクションです。ここまででわかる通り、単純なストレートのセクションが全くと言っていいほどありません。この段階でもうコースの特性上、今回のコースのテーマは”加速”と”減速”ということで固まっています。
なので最後のセクションも単純なストレートにするつもりはありませんでした。ここで僕のいじわるな面が出てきてしまいます。
さっきはもうひとギミック入れるのはやり過ぎと思っていましたが、最後にもう一つ入れちゃいなよと、リトルアンリが囁きました。
そこで考えたのがこちら↓
これは登りのDBで加速して登り、TTでバウンドしながらDBに着地するギミックですが、速度が高過ぎると当然COし、ブレーキがかかり過ぎるとバウンドが合わずにCO。うまくDBに着地が決まるスルッとコーナーを抜けていくイメージになります。
そして3周目にもっとも難しい最内コーナーがありますが、電池たらしでここはうまくハマるんじゃないかという算段です。速度調整が必要になりますが、ここまでの3つのギミックでの調整内の速度域にはなると思ったので採用しました。
⑦最終の微調整
これで9割方はできたので微調整していくだけです。
スタートのデジタルTT後にスロープを置いたのはブレーキ検問(いらないという意)と減速ポイントという意味があります。その先のウェーブも加速or減速ポイントの一つです。
45度バンクは電池たらしポイントと、最後のDBTTDBに勢いをつけて入る意味もあります。そしてLC前のストレートは最初は0枚にしていましたが、割と簡単だったので微調整を繰り返して2枚が良い塩梅になりました。
ここまできたらDJ後のストレート枚数は2枚じゃないと簡単過ぎると思ったので自然と2枚に決まりました。こんな感じで最終の微調整をしていきました。
⑧レイアウト完成
これでレイアウトの完成です。
今回はデジタルをどう使って、減速するのか、あるいは加速するのかというのがテーマとなりました。試走ではどちらでも完走できていましたが、実際にどっちが最適解なのかは試走では出していません。
コースを作るときは最後の最適解はレーサーが決めてくれるものだと思っているので、TATB4を通して参加する皆さんが答えを出してくれると思っていました。皆さんはどんなセッティングになりました?
それでは長くなりましたが、お粗末様でした。