医療ドラマ2

僕が今まで見た医療ドラマをつらつらと書くシリーズ第2弾。

次は産婦人科をテーマにした「コウノドリ」というドラマ。2015、2017年にTBSが放送していました。今、アマプラで見ることができます。

画像1

主演は綾野剛さん(中央)。このドラマがいいと思ったのはストーリーとして面白かったのもありますが、とにかく現代の「問題」を浮き彫りにしていました。

例えば、産後鬱、社会保障制度の綻び、未受診妊婦、10代の妊娠、晩期妊娠、不妊治療、障害を持つ子を産む決断、未熟児、無痛分娩、子宮頸がんなどの癌治療の両立などなど。

出産にまつわる課題

ここから印象に残ったことを2点紹介します。ネットで調べたことや僕の偏見で書いているのでご容赦を。

未受診妊婦

未受診妊婦とは妊婦検診を受診することなく分娩に至る妊婦を指します。背景には経済的理由、妊娠全教育の不足、妊娠・出産に対する意識不足などがあります。問題点として週数不明、合併症不明をはじめとする様々な高いリスクを孕み、周産期死亡の増加、院内感染の危険性を孕みます。また出産費用不払いの問題など行政の連携の問題もあります。

もっと詳しく見ていきましょう

背景

①経済的理由

妊娠検診は月に数回通院する必要があり、健診料が負担になります。結果として陣痛が来て初めて病院に行くことがあります。

②妊娠前教育の不足

分娩時年齢は若年傾向を示し、未受診の理由として妊娠に気づかないことや出産に適した環境が確立していないことが産むのをためらう原因になりえます。思春期からの母子保健対策が必要です。

結果

①妊娠週数が不明

妊娠前健診を受けていないため予定日がわからず、後の検査・診断に影響を与えます。そのため周産期死亡率や低出生体重児の割合が増加しています。

②合併症の増加

妊娠前健診を受けないと、妊娠合併症や新生児合併症のリスクが高くなります。妊娠中はホルモンバランスが不安定になりやすく、適切にコントロールしないと妊娠高血圧症候群(PIH)などが起こります。

こんな感じで未受診妊婦は厄介な問題です。

ドラマでは救急車で運ばれてくる未受診妊婦を主人公は受け入れます。上記のようなリスクがあるのを承知で。「生まれてくる赤ちゃんに罪はないからね」そういうのです。かっこよすぎませんか?現実はどうなのかわかりませんが、例え危険性があっても助けるという命の大切さをしみじみと感じた回でした。

産後鬱

母親の抱える問題のうち一番多い悩みはこれかもしれません。

ドラマではある母親が産休をきっかけに仕事を離れなければならない状況にありました。しかしその時大きなプロジェクトのリーダーをしており自分で成し遂げたい気持ちが大きく、妊娠について意識が回っていない状況でした。その時点でかなりストレスを抱える結果になってしまいます。
出産後、仕事場に戻ると衝撃が。自分の居場所がまるでなかったのです。産前産後育休は12週間以上取れます。しかしキャリアを磨きたい女性にとって長いと感じてしまうかもしれません。その結果その女性は育児と向き合えなくなってしまいます。それに加えて夫は仕事で家を空けているため自分一人で向き合う必要がありました。
仕事を失ったショックもある中、泣き止まない赤ちゃんと向き合うことが彼女にとってどれだけ苦痛か。部屋は荒れ、髪が抜けてしまうほど。最終的に自殺を企図します。現実では、ちょっと古いデータですが、2015~16年で102人も自殺しているのです。


出産・育児に関する問題は山積しています。今後このような問題は早く解決しなければならないですね、、、


本当は明るいドラマ!!!

はい、すみません。このドラマはこんな暗いドラマではないです笑。出産の大変さを背景に命の大切さ、誕生の奇跡を我々に伝えている、そんな明るいドラマです。このドラマを見て母親はこんなにも大変な思いをして、自分が生れたのは奇跡の上なのだなあとしみじみと思わされました。

エンディング

エンディングはUruさんの「奇蹟」


とても穏やかで心落ち着く曲です。Uruさんの素晴らしい歌声がそれを可能にしていると思います。出産とは「奇蹟」であるというこのドラマにマッチしていると思いました。

つぶやき


産婦人科って大変な診療科だと思います。いつ生まれるかわからない赤ちゃん、またその赤ちゃんがどういった形で産まれてくるかもわからない、そんな問題と向き合う必要がある大変な職業だなとこのドラマを通して思いました。同時に命のすばらしさを最前線で感じ取ることができる仕事であるとも思いました。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?