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TikTokでの誹謗中傷・プライバシー侵害に対する開示・削除手続き完全ガイド

SNSの普及に伴い、TikTokなどのプラットフォームでの誹謗中傷やプライバシー侵害が増加しています。この問題は、個人の尊厳や社会的信用を損なうだけでなく、精神的な苦痛や生活への悪影響を引き起こす深刻な問題です。本記事では、TikTok上での誹謗中傷やプライバシー侵害への対策について、証拠確保から削除依頼、発信者情報開示請求、損害賠償請求に至るまで、手順と注意点を詳しく解説します。

1. SNS誹謗中傷問題の現状とTikTokの特徴

TikTokは短い動画を手軽に投稿・共有できるプラットフォームとして、世界中で人気を集めています。しかし、その利便性と拡散性の高さが、誹謗中傷やプライバシー侵害の温床となることがあります。

1-1. TikTok上での被害事例

1. 名誉毀損
偽の情報や悪質な噂が広められ、個人や企業の名誉が傷つけられるケース。

2. プライバシーの侵害
許可なく個人情報や画像、動画を公開されることで、生活に重大な影響を与える事例。

3. 侮辱的なコメントや投稿
差別的な表現や人格否定を含む投稿により、被害者が深い精神的苦痛を受けるケース。

4. デマ拡散
根拠のないデマや陰謀論が投稿され、誤解や混乱を招く事例。

2. 被害を受けた場合の初期対応:証拠の確保

被害に遭った場合、最初に行うべきことは証拠の確保です。証拠がなければ、後の法的手続きが困難になります。

2-1. 証拠としての有効性を高める方法

1. スクリーンショットの取得
 問題のあるコメントや動画を画面ごと保存します。投稿日時や投稿者アカウント名が明確に表示されていることが重要です。

2. 動画やリンクの保存
スクリーンショットに加えて、投稿のリンクや動画自体をダウンロードして保存しておくと効果的です。

3. 第三者による確認
証拠の信憑性を高めるために、信頼できる第三者にも被害状況を確認してもらうことが推奨されます。

4. ログ保存の重要性
IPアドレスなどの発信者情報の保存期間は限られているため、迅速な行動が必要です。

3. TikTok運営に対する削除依頼の手続き

被害を軽減するために、まずTikTokに直接削除を依頼することができます。

3-1. 削除依頼の方法
TikTokには、プラットフォーム上で不適切なコンテンツを報告する仕組みがあります。この機能を利用して、以下の手順で削除を依頼してください。

1. 該当コンテンツを開く
問題のある投稿を特定し、画面右下の「共有」ボタンをタップします。

2. 報告メニューを選択  
「報告する」を選択し、問題の種類(例:嫌がらせ、プライバシー侵害など)を指定します。

3. 詳細を入力  
被害内容を具体的に記載し、TikTok運営に対応を求めます。

3-2. TikTok運営の対応に関する注意点
TikTok運営が削除依頼に迅速に対応しない場合や、削除が却下されるケースもあります。この場合、さらなる法的手段を検討する必要があります。

4. 発信者情報開示請求の具体的手続き

誹謗中傷を投稿した発信者を特定するためには、発信者情報開示請求が必要です。以下に、その手続きの流れを詳しく解説します。

4-1. 発信者情報開示請求のステップ

1. TikTok運営に対する情報開示請求
投稿者のIPアドレスやタイムスタンプの取得を依頼します。TikTokに対して手続きを行います。なお、TikTokは提供命令にも対応してくれます。

2. プロバイダへの情報開示請求
TikTokから得た情報をもとに、該当IPアドレスの利用者情報を保有するプロバイダ(通信事業者)に開示請求を行います。

3. 法的手続きの必要性
プロバイダが情報を開示するには、裁判所の判断が求められる場合があります。弁護士を通じて発信者情報開示命令の申立てを行うことが一般的です。

4-2. 改正プロバイダ責任制限法による一括請求

2022年10月の法改正により、サイト管理者とアクセスプロバイダに一括して情報開示請求が可能となりました(提供命令)。この改正により手続きが効率化され、被害者の負担が軽減されています。

5. 損害賠償請求と刑事告訴の実際

発信者が特定された場合、損害賠償請求や刑事告訴を検討することができます。

5-1. 損害賠償請求

1. 慰謝料請求
被害者が受けた精神的苦痛に対して金銭的な補償を求めます。

2. 営業損害の賠償
名誉毀損や営業妨害などの影響についても請求可能です。

5-2. 刑事告訴の方法

1. 告訴状の提出 
警察や検察に対し、名誉毀損罪や侮辱罪での告訴を行います。

2. 実行可能な罪状  
名誉毀損罪(刑法230条)、侮辱罪(刑法231条)、業務妨害罪(刑法233条)が適用される場合があります。

6. 対策と予防:被害を未然に防ぐ方法


6-1. プライバシー設定の活用

1. アカウントを非公開に設定
限られた人だけがコンテンツを閲覧できるようにする。

2. 個人情報の公開を避ける
本名や住所、連絡先などの情報を投稿しない。

6-2. 投稿内容の注意

1. 誤解を招く表現の回避
炎上リスクのある投稿は慎重に。

2. 第三者の権利を尊重 
他人の写真や動画を無断で使用しない。

7. まとめ

TikTok上での誹謗中傷やプライバシー侵害に直面した場合、迅速かつ適切な対応が求められます。証拠の確保から削除依頼、情報開示請求、損害賠償請求に至るまで、手順を正しく踏むことで被害を最小限に抑えることが可能です。また、普段からSNSの利用において注意を払うことで、被害を未然に防ぐことができます。
被害に関する相談は、専門の弁護士にお任せください。適切なアドバイスと法的サポートで、あなたの権利を守ります。


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