昔の合唱連盟コンクールを振り返って気づいたこと
こんにちは。最近、林真理子さんの「六条御息所 源氏がたり」を読みはじめました。スラスラ読めておもしろいです。
合唱曲の流行り・廃り
源氏物語でよく登場するのが、和歌。登場人物たちの和歌のやり取り読んでいて、思い出した曲があります。
女声合唱とピアノのための「形見」
川口義晴 詞/新実徳英 作曲
この曲は、日本合唱連盟の2002年のコンクールで、女声課題曲[F3]でした。当時高校1年生だった私も、練習したり、コンクールで聴いたりしていました。
テキストになっているのは、恋に落ちたものの、どうも恋人になることは許されない間柄の模様の二人のあいだで交わされる和歌。メロディは情感たっぷり。古語でストレートに気持ちが綴られていました。ロミオとジュリエットのような世界観に、歌っていても、聴いていてもどっぷり浸れます。
もう一度聴きたいな、と思って、音楽配信サービスやYouTubeを探したのですが、無い。とてもきれいな曲なのに、聴く手段がないというのは残念で悲しいことです。楽譜も受注生産となっていて、今では演奏されることもほとんどないのでしょうか。J-POPほどではないにしても、合唱曲も流行り・廃りがあるのでしょうね。
作曲家 新実徳英さんの公式Webサイトを見たところ、女声合唱とピアノのための「形見」は、2003年、女声合唱団 青い鳥によって初演されています。もし録音が残っていたら、ぜひ聴きたいなぁ。CDが出ていたらいいのですが。
昔を振り返って気付いたショックなこと①
ところで、過去の日本合唱連盟のコンクール課題曲(合唱名曲シリーズ)を眺めていると、他にも発見がありました。
先月のクリスマスコンサートでquintetで歌ったCristobal de Morales「O Magnum Mysterium」が、2004年のコンクール課題曲だったのです。
2004年といえば、高校3年生。コンクールにも出場していました。課題曲として私が歌ったのは別の曲でしたが、コンクールで他の団体が歌っているのはきっと耳にしているはず。混声と女声の違いはありますが、そんなに大きな違いはないはずなので、自分の記憶になかったことにがっくり来ました……。
自分が高校に入る前の数年分の[F1]課題曲(=ルネサンス曲)は練習したり、演奏会で歌ったりしていて、その経験はCristobal de Morales「O Magnum Mysterium」に取り組むときに確実に自分の血肉になっているのを感じたのですが、全く聞き覚えがなかった自分にショックでした。
「はじめての曲に短期間で取り組まなきゃ!」と(思い込んで)張り切っていたクリスマスコンサートについては、3回に分けてまとめていますので、よかったらご覧ください。
どう準備する?ールネサンス曲をquintetで歌うことになりましたー|Emi|note
怖かった練習を経て気付いたことールネサンス曲をquintetで歌うことになりましたー|Emi|note
昔を振り返って気付いたショックなこと②
日本合唱連盟のWebサイトで、過去のコンクール情報を見て気付いたもうひとつのこと。
それは、審査員にレジェンド的合唱指揮者の関屋 晋さんがいたことです。関屋 晋さんといえば、高校2年の冬だったか、著書の「コーラスは楽しい」を読んでいました。たしか、アンサンブルコンテスト前、インフルエンザで学校を休んでいるときに読みました。合唱経験2年目で、部活動としての合唱しか知らなかった私は、「へぇ~合唱って楽しいんだな」と、すなおに思い、著者に親しみと尊敬を感じたことを覚えています。
そんな方が、自身が参加したコンクールで審査員をやっていたとは。当時、全く意識をしていませんでした。演奏することにばかり意識が行っていて、審査員が誰かなんて、全く眼中になかった。今思うと、よくよく講評を聞いておけばよかったです。関谷 晋さんが亡くなったのは、この翌年、2005年でした。
合唱を長く続けていると、こういった発見もできておもしろいですね。今こうしてシンガポールで取り組んでいる曲や、演奏会で聴いた曲、出会う人も、あとから振り返ると、何かとつながっていることに気付くのかもしれません。一つひとつの出会いや経験を大事にしたいなと思いました。
ではまた!
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