どう準備する?ールネサンス曲をquintetで歌うことになりましたー
もうすぐクリスマスですね。所属している合唱団では、クリスマスコンサートに向けてクリスマスキャロルを練習中です。クリスマスコンサートでは、Cristobal de Morales「O Magnum Mysterium」をquintet(五重唱)で歌います。このquintet、アルトは私が参加することになりました。練習期間は短く、私にとっては少々難易度高め。どう準備していったかをご紹介していきたいと思います。
Quintetが決定!
今年のクリスマスコンサートに向けた練習がはじまり、はじめて「O Magnum Mysterium」に取り組んだ日。練習中に、「人が歌うのを聴くのもいい経験だ。試しに歌ってみて。ソプラノはXX、アルトはEmi、テノールはXXX……」と指揮者が言い、歌ってみたところ、その曲はそのメンバーで演奏することに、その場で決まりました。
半ばオーディションを兼ねた「歌ってみて」だったのに、英語があまり分からないので状況がよくわかっていませんでした。理解したのはその日の夜。合唱団内のグループチャットで連絡が回ってきて、ようやくアルトを歌うのは私1人だと理解して、家で膝から崩れ落ちました……。
プレッシャー無しに、伸び伸び歌えたのがよかったみたい。この曲は昨年のクリスマスコンサートでも演奏しているので、他のメンバーはもう習熟済み。今年はじめて歌う私のために、アルトのパートリーダーが、後ろからささやき女将(古い)のように歌ってくれたから、試しに歌うときは安心して、和音にひたりながら歌うことができたのでした。
練習の最後、約30分は、いつも全員が輪になって、自身の名前とその日に思ったことなどを1人ずつ話していくのですが、「「O Magnum Mysterium」はとても和音がきれいで、歌っていて楽しかった。演奏会で歌うのが楽しみ。」と笑顔で私は話しました。その感想は事実なのですが、やけに自信たっぷりなこと言ってたんだな私……と恥ずかしくなりました。
Quintetのメンバー
さて、quintetが決定したその日。パートリーダーから、quintetメンバーだけで練習するから、翌週の練習に1時間早く来れるか、と連絡が来ます。行けると即答して、練習が確定。
翌日、パートリーダーからこんなメッセージが転送されてきました。「それぞれのパート、もう歌えるようにしてみんな集まるよね?」とプレッシャーがかかってます。
ソプラノで音楽療法修士課程のEと、ベースで国際政治の研究者のKは、それぞれ合唱団の幹部で、歌も上手な実力者。テノールはQとTの2名(4パートの曲ですが、テノールは2人なのでquintetです)。Qはあまり面識はないですが、学生さん。いつもバイクで練習に現れて、船会社で働くTは、音とリズムをたまに外すけど、よく通るいい声です。う~ん付いていけるかな。不安になります。
今回歌うのは、キリストの誕生を描いているO Magnum Mysteriumという曲。作曲は、クリストバル デ モラーレス(Cristobal de Morales) 。1500年頃 - 1553年のスペインのルネサンスの作曲家です。合唱団によっては、指導者がこういう予備知識を教えてくれたりします。今の合唱団では、教えてくれる人はいないので、ちょっと自分でwebで調べてみました。
ルネサンスのラテン語宗教音楽自体は、日本合唱連盟のコンクール課題曲で、馴染みがあります。高校時代、合唱連盟のコンクールには女声合唱で出ていたので、[F1]の番号が付いた曲を毎年コンクールで聴いたり歌ったりしました。この時代の合唱曲がいまだに演奏されていて、コンクール課題曲になっているのは不思議です。合唱の原点で、基礎力強化にちょうどいいからでしょうか。詳しい人に、理由を聞いてみたいです。課題曲について調べてみたら、日本合唱連盟では創立70周年を記念して、歴代の課題曲から選りすぐりを集めた楽譜を「ルネサンス・ポリフォニー選集 宗教曲篇」として出版していました。何はともあれ、ポリフォニーで各パートがしっかりメロディを歌い、それぞれのパートに見せ場が来たり、他のパートと一緒に旋律が動いたりする曲を歌う楽しさを少し知っているので、課題曲には感謝です。
個人練習
Quintetが決まった練習の帰り、ご飯を一緒に食べながら、面倒見のいいささやき女将(アルトのパートリーダー)が、「ラテン語の読み方とか音取り、自分でできる?私が歌って録音したのを送ろうか?」と言ってくれたので、「お願い!」と甘えることにしました。
その日、メトロノームのカチコチ鳴る音と、アルトパートを弾いているピアノの音ともに、アルトのパートを吹き込んですぐに送ってくれました。ありがたい!これを聞きながら、とりあえず何度も練習します。
コロナ禍で集まれないときに、スマホで自分の歌を録音して多重録音による合唱をする企画に参加しましたが、自分の声を録音で聴くのは恐怖でした。何度撮り直してもうまくいかないし、人に聴かせるなんてはずかしい。こんなふうに、すぐに録音して送ってくれるなんて、なんてすごい人なんだろう。
あとはやっぱり、実際の演奏録音を聴いて耳を慣らしたい。YouTubeで検索すると、いくつか出てきます。便利な時代です。昔はCDを探して模範演奏を聴くしかなかったなぁ。
うんうん、きれいな演奏。うっとり。これを聴きながら歌ってみようとして、手元のキーボードで自分のパートの音を叩いてみてふと気付く。「あれ、この演奏の音、低くない?」
これと一緒に歌うと変なクセが付きそう。パートリーダーに連絡すると、
ご存じの方も多いと思いますが、人の声が楽器の合唱も、楽器のように、音の高さをヘルツでやや厳密に決めてたりします。純正律とか平均律とか、いろいろあるみたいです。詳しくないので割愛します。
続けてパートリーダーから、
と、次のお助けアイテムを授けてもらいます。
MuseScoreはスマホアプリ版、PCソフト版があり、楽譜を打ち込むと、その通りに音が出ます。日本でも、コロナ禍で個人練習をするときに使っていました。パートリーダーからこの曲のMuseScoreをもらって聴きます。カラオケみたいに、今音が流れている小節が赤くなります。ブラウザで無料で聴けるのに、なんだか勇み足で、間違って1年分のサブスクをブラックフライデー特価で買っちゃいました。(活用方法をどなたか教えてください……!)
今回はじめて知ったのですが、Cristobal de Morales「O Magnum Mysterium」の場合、John__Smithというアカウントの方が、この曲のMuseScoreを作って公開してくれています。CopyrightはCPDL。こんな共有の仕組みがあるなんて、便利ですよね。
さてさて、こんな風にまずは音取りを終わらせて、曲を体に染み込ませます。通勤電車でも、譜読み。なるべく暗譜して、他のパートとの掛け合いも練習までに覚えたいところ。前の座席のおじさんが、不思議な顔をしてますが、気にしない。
曲に慣れたら、次は言葉です。単語の区切り、言葉の意味をわかって歌うのとそうでないのとではやっぱり違うので、楽譜に書き込みをしたりします。うーん、間に合うかな。
でも、こういう風に打ち込む時間が楽しかったりします。
では!
おまけ
シンガポールでメジャーなインターネットショッピングアプリのLazadaで、クリスマスのオーナメントを買ってみました。こちらはよい香りがするオーナメント。玄関がバニラの甘い香りに包まれて、気分が上がります。