あなたの知らない「下呂」(その1)
改めて、本年もよろしくお願いします!
さて、年始も温泉旅から…、「日本三名泉」と言えば、草津(群馬)、有馬(兵庫)、下呂(岐阜)ということで、一応、知られてはいるんです。が、しかし、温泉好きの人にとっても、「えっ!?、(草津、有馬は分かるが)もう一つは、別府じゃないんですか?」とか「鳴子とか道後とか、紀州の方はどうなるんだ」とか、いろいろと『意義あり』という声が聞こえてきそうです。
かく言う、私もその一人でした。しかし、妻の実家の母の孝行を兼ねて「下呂」に行きましょうと、行った時から、これは覆されました。ということで、2022年末も、また、下呂に足を運びましたので、2023年最初の「旅note」、年始の挨拶代わりとさせて頂きます!
日本晴れの東海道(東京から名古屋へ)
年末年始あっぱれの富士山!
東京から下呂温泉までは、新幹線、特急「ひだ」と乗り継げば、3時間半、4時間もあれば、行けてしまいます。しかし、年末なので、安全を取って、1時間以上早く家を出て、案の定、満席のため、2本見送ってのぞみの自由席に乗ります。
西の丹沢山系の向こうには、富士山が姿を現しています。今日は、最高の眺めになりそう。新幹線からの眺めもスピードに慣れれば、寝て過ごすのはもったいないくらい見どころがあります。
小田原を過ぎ、右側の相模湾はほとんど見れないですが、ミカン畑を見ながら、湯河原、熱海と通過、丹那トンネルで箱根を潜れば、三島。ここまで40分強。中腹の宝永山を正面に、雪化粧した富士山が見えてきます。
ここから先、富士山が良く見えるときには、車掌さんからのアナウンスが流れます。手前の愛鷹山を後にして、右手後方に見えるココからの富士山がやはり絶景でしょう。「新富士駅手前からの富士山」、「富士川の鉄橋からの富士山」、どちらも、捨てがたいので二本動画をどうぞ!
茶畑、浜名湖、そして名古屋駅へ
晴れわたる富士山の姿を見ただけでも有難いですが、ここからも静岡の名産地、見どころが続きます。静岡駅を過ぎ、安倍川、大井川を渡れば、牧ノ原台地の茶畑が見えてきます。
明治以降の幕府終焉と共に開墾進んで、茶の名産地に生まれ変わっていきます。ここを過ぎると掛川。駅の北側に掛川城が見えるのですが、あいにく掛川城は改修中?で緑のネットが張られていて見えず。(掛川推し一つ:数ある静岡の名産地の中でも掛川茶、熱いお湯で数回入れても味が落ちず、おススメ)
天竜川を渡って浜松を過ぎれば、鰻の名産の浜名湖です。左手は今切口に架かる橋と遠方に遠州灘、右手は、浜名湖の眺め。水面が近く、鉄道の撮影スポットでもありますが、車窓からもgoodです!
豊橋通過、豊川を渡って、左手に蒲郡を見て、濃尾平野がひらけて見えてきたら、名古屋までもう一息です。
矢作川越えて、三河安城通過、名古屋に定刻で到着。新幹線の車窓、これだけ眺めが良い日は居眠りもできないです。
名古屋駅で一服
名古屋で1時間弱時間があるので、まず駅そばならぬ、駅きしめん!今や新幹線のホームにしかありません。てんぷらは品切れですが、かつおだしの薫シンプルなきしめんで充分。
在来線のホームに向かえば、名古屋駅は在来特急・快速が多く、乗車案内はは賑やかです^^ 特急ひだに乗り込む前に、長野から「しなの」が入線するので、ホームに向かいます。
中央西線の息の長い特急「しなの」。写真に収めようとしたら、目の前に、小鉄くんがすごい勢いで、飛び込んで来ました笑
名鉄もあり、特急の発着も多い名古屋駅、鉄友を育てるには十分な環境のようです。よく見たら、仲間の撮り鉄君も結構いるW
見どころ満載、高山本線!(下呂まで)
木曽川から飛水狭へ
ここからようやく特急ひだ5号に乗車。まずは、東海道線で岐阜に向かいます。岐阜で進行方向逆になり、そこから高山本線です。
電化されていないまっすぐな線路を快走します。鵜沼が近づいてくると、右手前方には、犬山城。
逆光で上手く撮れず。この鵜沼駅は名鉄の新鵜沼駅と繋がっていて、かつて「北アルプス」という特急が、名鉄からここで高山本線に乗り入れていました。今走らせても、面白いと思うのですが…。
鵜沼からはわずかな区間ですが、木曽川沿いを走ります。少しの間、奇岩と悠々と流れる木曽川を眺められます。
昔は相当の観光客を呼び寄せたであろう川沿いのドライブイン・食堂の廃墟がちらほら見えます。本場のライン川を学生時代に経験しましたが、これはスケールが違うんですよね。ここを日本のライン川と称したところがスゴイ。
「美濃太田」からは、高山線は飛騨川に沿って走ります。ここで、太多線は南東へ、逆方向には、1両編成の長良川鉄道が分岐しています。こちら長良川沿いの一度乗ってみたいローカル線です。ここから10‰の勾配で美濃加茂市をグングン登って行きます。飛騨川の造る河岸段丘の平地の部分、下麻生は舟運の終点だったとのことで少し古い町並みが残っています。
飛水狭、撮影失敗笑
高山線の一つの見どころ、飛水狭。甌穴(ポットホール)と言われる、川の窪みに入った小石が水流でぐるぐる回り、きれいな穴を作り、飛水狭はそれが点在しています。また入った石もまん丸なりこれも貴重なため、大きなものは博物館モノです。車掌さんによっては、アナウンスしてくれる場所です。今日はアナウンスなし、待ち構えていましたが、逆光と操作ミスで撮影失敗!一番良い部分はあっという間に過ぎてしまうので、上麻生の赤い鉄橋が見えてきたら、右側の車窓に張り付いていないといけません(教訓)。
飛騨川の渓谷と茶畑
飛水狭を過ぎても、飛騨川の渓谷は、続きます。決して大きな川ではなく、このくらいの水量で、どうやってここまで渓谷を削って来たのかと思うほど。しかし一旦豪雨になると、ものすごい川になってしまうのでしょう。
白川口から飛騨金山あたりまでは、茶の名産地。白川茶の看板も見え、狭い土地に茶畑が点在しています。
鉄橋で何度も渡るので、右に左に飛騨川を眺めながら、上流へ。
ようやく開けてきたと思ったら、下呂に到着。山あいの温泉駅という雰囲気の駅舎です。
白鷺舞い降りる「下呂」
まずは下呂基本情報からということで、下呂の起源は、平安中期に下呂の温泉街から数キロ東に離れた、湯ヶ峰という山の上に湯が沸いているのが見つかったとか。その後、地震がきっかけか、ある時にその湯がピタリと止まってしまう。しばらくして、白鷺が飛騨川の河原に何度も舞い降り、そこに湯が沸いていたということで、そこから今の下呂温泉が始まったとのこと。
↓↓↓の河原のどこかに白鷺が舞い降りたのでしょう。
ここには、噴泉池という河原のお風呂があるんですが、まことに残念ながら、一昨年から、足湯のみOKになってしまいました。かつて初めて冬に来た時には、水着着用で入れたため、こんな感じで、入浴でき、ご覧の通り、橋からは丸見え。
その時は、明け方の人がいない時間に馳せ参じましたが、6時前に行っても2,3名浸かってました。全国で外湯、共同浴場のマナー違反が問題になる昨今、何とかしたいところです。河原から始まった下呂ですので、せめて水着OKで、入れる噴泉池に戻ってほしい~!
この橋から、温泉街まで歩いてすぐ、白鷺の湯という銭湯(当然、温泉)があります。ここにはかつての下呂の景色が眺められます。昔からの温泉場は、外湯に入りに行くのが普通なので、こういう光景になりますね。
下呂の由緒
基本情報「その2」は、なぜ、三名泉なのか、ですが、下記の通り、時代を超えたお二方が記し、証したから。
万里集九の詩文には、「この飛騨の熱い湯は、不思議な効き目があり、多くの病気が治る。その始まりは、醍醐天皇の御代、延喜の初めから…」と記されており、西暦で言えば、901年から922年、この山奥の温泉が、千年以上のその名が響き渡っていることになります。
これらの詳細は、温泉街の山手にある温泉寺に詳細が綴られています。温泉寺への道はこの激しく長い階段。こんな長い階段を見ると駆け上がりたくなるたちなので、息つく暇もなく、駆け上がります!
門前の前には、瑠璃の松。実はこの松の根っこ、例の「白鷺」がここで羽を休めた場所。休んでいたところを村人が見つけると薬師如来が鎮座していたとか。750年前の松の木ということになります、う~む。
真実はともかく、数百年前の立派な枝ぶり松の木とそこに留まる白鷺に思いを馳せながら、下呂の街を眺めるのでした。
ということで、東海道のあっぱれ初富士の影響で、下呂までの路程が長引いてしまい、初日後半は次の記事にて… (つづく)
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