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52歳でリタイアして起きたデキゴト

若いころから漠然と50歳でアーリーリタイアできたらカッコいいなと思っていました。海辺か高原の湖畔に家を持ち、好きな時にゴルフをしたり、テラスで日光浴をしながら本を読み、昼間からビール。
やらなければいけないことは何もなく、ストレスとは無縁の世界、想像するだけで最高じゃないですか?  
私が目指していたのはイマドキのFIREではなく、消費にも安心してお金が使える、そんなスタイルのアーリーリタイヤメントでしたが。。。

引っ掛かっていたのはお金のこと

40代も中盤になると資産の状況もあって、その計画を先延ばしせざるをえませんでした。仮に100歳まで生きるとして、毎年1000万円を50年分貯めるとすると5億円の資産が必要になります

毎年1000万円というのは自分の現在の生活に併せて考えればよいので、たとえば500万円では、2億5千万円、300万円では1億5千万が必要となります

毎年いくら必要なのかは「どんな生活をしたいのか」によっては変わってくるでしょう。チョロは、結構贅沢(自分的に)な状態を望んでいて。。。

・月に2~3回はゴルフに行きたい
・ゴルフには車が必要なので車は維持したい
・年に2回の海外旅行と、四半期くらいでの国内旅行
・週に1回くらいは外食したい
・服は質素でよいけれど、いつも清潔なものを着ていたい
・ただし、住む場所は郊外の自宅のままでいい

などと考え始めると、やはり自由になるお金が年に1000万円くらい必要なのでは? と、考えました。とするとやはり5億円が必要!

でも、それだと突然インフレが起きたり、大きな災害が起きたときの備えが心配だな。すると最低でも10億円くらいはないと厳しいかな? なんて、考えがグルグルしていました。
サラリーマンの平均的な給与所得が400万円強であることからすれば、相当な高給取りだったと思いますが、サラリーマンの僕が給与所得のみで10億円のお金を貯めることは不可能です

選択したのはセミリタイヤという道

結果として、52歳で安定して高給を得られる職を辞めて、セミリタイヤをしたわけですが、目標額までお金がたまったわけではありませんw  
では、なぜセミリタイヤしたのかといえば「もう少し日々の暮らしに時間的なゆとりが欲しい」、「お金のことは二の次にして、やってみたいことに出会った」と「子供たちや後輩たちに新しい働き方・生き方を見せたくなった」の3つからでした

50歳を過ぎて最後の転職を意識した時に「コーチになる」という選択が突然のように湧いてきました。誰かの人生を豊かにするためにコーチとして関り、その人の夢の実現や在りたい自分への転換を支援したくなったんです。
ここでいう豊かさとは、経済的な豊かさに限らず、人としてこの世に生まれてよかったと感じられる、自己受容や自己肯定がもたらす豊かさです。自分が関わった人が「こうなりたいな」と思う人生を歩んでいることを見届けることができるコーチという役割はとても魅力的なものに感じました

そう思うと不思議なもので、収入なんてどうでもいい。とたえ年収が10分の1になってもトライしなければ後悔するだろうと思えたのです。 『Life Shift』という100年人生時代の本でブームを起こしたリンダ・グラットンさんも成功していたコンサルティングの職を離れて、大学で教えるという「やってみたい道」を選択した際には、収入が10分の1位になってしまったそうです。でも、やりたくて、その道を選び、後悔したことはなかった。しかも、結果として今は時間も収入も、ゆとりのある生活を送っていると、ある講演を通じてご本人からお聞きしました

いま起きていること

2018年にセミリタイヤ生活に入ってから3年経った今起きていることは、コーチという『在り方』(生き方+働き方)を楽しんでいるということ。クライアントにも恵まれています。収入は会社勤めしているころと比較して減っていますが、ゆとりある生活をするのに必要なものはいただけています。働いている時間は正味で週2~3日ですから、効率的ともいえます。

実はセミリタイヤ直後は、お誘いがかかる仕事はすべて受けるということをしていました。たとえば大学院での講師とか、研修会社の取締役などをしていた時期もありました。どちらも投下時間と経済的なリターンは全く割に合わないのですが、自分が社会から求められていることを実感できることと、カレンダーに予定があると落ち着くという悲しい社会人の性ゆえの思考だったのでしょうね。

現在はコーチとワークショップファシリテーター(研修講師)というふたつに絞ってフリーランサーとして活動を行っています。コーチは幾つかの会社と法人契約を結び、その会社の役員や管理職向けのセッションを行っています。また、個人でのセッションを受けてくださっているクライアントも多くおり、15~25人程度の方と定常的にコーチングをしています。

一方、ファシリテーターとしての活動では「リーダーシップ」、「DE&I(ダイバーシティ、エクイティとインクルージョン・女性活躍)」や「異文化マネジメント」を軸に企業に向けて実施しており、月に3回くらいの割合で登壇しています。

典型的な一日(ワークとライフが統合)

働く時間は正味で週に3日ほど。とはいえ、土日は休みなどと決まった休日を設けるのではなく、1日の中に休みの時間と働く時間がモザイクのように散りばめられている状態です。これは「ワークライフバランス」ではなく「ワークライフインテグレーション」と呼ぶらしいのですが、ワークとライフが統合されていて、その線引きがよくわからない状態です

ある日を例にとって一日をながめてみると。。。
06:30~08:00:起床後、身の回りを整え、朝食、コーチング準備
08:00~10:00:コーチング(おふたり)
10:00~12:00:散歩と買い物
12:00~13:00:昼食
13:00~14:00:コーチング
14:00~15:00:事務手続きやメールなど
15:00~16:00:コーチング
16:00~16:30:事務手続きやメールなど
16:30~18:00:ゴルフ練習
18:00~21:00:入浴、夕食、家族との時間
21:00~22:00:ギター練習
22:00~23:00:読書

この日は1日で4人のクライアントさんとセッションを持ちました。対面を希望するクライアントが多かった時代は片道1時間かけて都心へ出て、セッションを行っていました。さらにセッションとセッションとの合間はスタバやタリーズなどのカフェで時間を潰すという日常でした。コロナ禍で多くの方がオンラインでのセッションを受け入れてくれるようになった今は、体力的にも、経済的にも、効率的にもありがたい状況となりました。

アーリーリタイヤはどこへ?

あれっ、アーリーリタイヤはどこにいったの? 結構働いてるよね?
と、思ったあなた。まさにその通りなんです。
ゴルフ三昧で、昼からビールの生活はどこに行ったのかといえば、そんな日は実験的にやってみたらすぐに飽きちゃったんです。しかもそれをこの先足腰が弱くなるまで30年も続けると思うと、人生の無駄遣いだなと思ってしまったのです。

いま自分がしているのは、目の前にお客さんがいて、その人に役に立っているという実感が得られるシゴトです。「ありがとう」と、言ってお代をいただけるこの環境がすっかり気に入ってしまいました。

しかも週に3日働いているくらいの感覚ですので、負担は感じないし、「やらされている」ではなく「やりたい」仕事だから楽しいんですよね。そのうえ、たとえフリーランスという立場であっても、一部上場企業と直接契約を結んでコーチングや研修を提供することが出来る時代背景に感謝です。

ネクストステップ(もっと自由度の高い生き方)

とはいえ、今の状況が完璧かといえばそうではありません。
次のステップとして考えているのは、、、、

「暮らすように旅をすること」あるいは「旅をするように暮らすこと」

たとえば、この夏はバルセロナにAirbnbで居所を見つけて滞在し、コーチングをしながら、空き時間で現地に住んでいる人のように観光をする。その土地に飽きたら次はロンドン、ストックホルム、、、と気になる土地に疑似的に住みながら旅を続けたいと思っています。とはいえ、コロナの影響でこうした活動は難しいので、まずは国内で実験してみました

今年は京都に1週間ずつ、2回滞在しました。そこでネットを使ってコーチングをしながら、空き時間にお寺を巡ったり、街並みを散策したり。そう、コーチという生き方は場所と時間の自由度がとても高い生き方なんです

企業に勤めて「やらされている仕事」ではなく、「自分がしたいと思うシゴト」を自分が住んでみたいと思う国、場所からやってみる。そんな生き方への助走期間中だと思うと本当にワクワクします

お読みいただきありがとうございます! チョロ!です♪ たくさんの人でなくてもいいけど、「あなた」に届いたらいいなぁと思って書いています。