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10カ月で夢破れた初めての転職

35歳の時に初めての転職をしました。希望に満ちて、新しい環境でバリバリ活躍して昇進していくことを夢見ていたのですが、、、

人生初の転職のきっかけ

新卒から12年ほど勤めた会社の所属事業部が日本から撤退することになったため、転職せざるを得ない状況になりました。そのタイミングで妻は専業主婦、5歳と2歳の息子たちがいましたが、割り増し分を含めて1200万くらいの退職金がありましたし、その2年前にMBAを取得したこともあり、転職先を探すことはそう難しくないだろうと楽観的に考えていました

初めての転職活動

転職先として幾つかの外資系IT事業会社と外資系のコンサルティングファームの面接が同時期に進んでいました。しかしながら、第一希望だった事業会社への転職は、活動中にITバブルがはじけ応募していたポジションが無くなってしまったために、外資のコンサルティングファームへと転職することにしました。中途採用では1000人の応募に対して一人の採用だと人事から言われすっかり自分は一握りのエリートなのだと勘違いさせられましたw

そのファームではパートナーという職位になると高給がもらえると言われており、当時の自分の上司だった人も高額納税者番付でジャイアンツの某投手の次に納税額が多い人と公表されていましたので、いつか自分も! なんて夢ももちました。

ちなみにこの転職活動中には、とんでもない失敗も経験しました。その時の話はこちらで


入社してみると。。。

希望に胸を膨らませてファームにシニアマネジャーとして入社しました。アメリカ人の上司のもと4人編成でチームが作られ、日本市場に対してITアウトソーシングを拡大するというミッションを実行することになりました。

とはいえ、新規市場を開拓し、顧客を獲得するためにどうしたら良いのか? 特に上から指示や提案があるわけではなく、すべてを自分で考えて実行するというミッションにどうして良いかまったくわかりませんでした。事業会社のIT部門出身であった自分には社会人を12年やってもそんなことを考えるという機会も必要性もなかったのです

また、新卒で入社した会社であれば同期のネットワークを通じて、他の事業部との連携や、市場や顧客の情報共有などができるのでしょうが、中途で入社したばかりの自分には社内のネットワークがゼロで誰に何を聞けばよいのかのイメージが全くわきませんでした

唯一の救いは、前職で経験していたIT部門の運営についての知見があったことでした。そのファームの既存のITアウトソーシング部隊に向けて、IT部門のパフォーマンス計測や、価値をどう経営に見せればよいのかという部門運営指導のようなことをしながら、自分の価値を認めてもらうことができました

しかし、肝心の新規事業の獲得はどうにもうまくいきませんでした。システムの新規開発案件と絡めて納入後のシステム運用や継続的な改善などの提案を作ったものの、開発部門のパートナーからは顧客は運用の提案など望んでいないと一蹴されてしまったのです

追い打ちをかけた出来事

アウトソーシングの事業開発は遅々として進みません。会社の売り上げに貢献できなければ自分の存在自体が「不良在庫」となるコンサルティングファーム。自らの稼働時間の60%程度は顧客に対して請求ができる状態であることが求められます

しかし、当時は稼働時間の30%程度を既存ビジネス部門の指導で得る程度でした。そこで上司が他のコンサルティング案件にシニアコンサルタントとして入れるように取り計らってくれました。顧客の課題を解決するために、市場の全体像を見渡し、顧客及び同業他社の強み・弱みを分析するような業務をアサインされたと思いますが、これまたどこから手を付けたらよいかがまったくわかりませんでした

新卒でファームに入って2~3年の若い人たちは難なくこの仕事をこなす一方で10歳ほども年長で経験も豊富なはずの自分はどうして良いのかまったくわからない。素直にどうしたら良いかを聞けばよかったのでしょうが、新卒で入った会社では若くしてマネジャーに抜擢され将来を期待される存在だった自分のプライドが邪魔していたのです

新しい環境ではどうにも使えない出来ない社員、まさに「不良在庫」になってしまいました

救いの神が現れる

ファームに転職して半年が過ぎ、悶々とした闇に包まれていた時に、転職したかった事業会社からポジションが空いたが興味はないかと連絡がありました。
その会社では相変わらず採用凍結が続く中、以前に応募したポジションの人材確保が必須で、アメリカ本社での特例決済でポジションを確保したから応募してみないかという誘いでした

コンサルティングファームで全く活躍の目が見いだせずにいたので、渡りに船とこの誘いに乗り転職をしました。こうして自分のコンサルティングファームでの挑戦はわずか10カ月で終わってしまいました


今になって思うこと

もともと900万だった年収はコンサルティングファームに転職した時点で年俸1100万超となりました。10カ月しか所属していませんでしたが、その年俸をベースとして事業会社との交渉ができたため1300万+ボーナスという条件を得ることができました

またこのファームの名前は日本でも広く認知されていたので、『そのファームで採用された実績がある人』という看板効果がありました。その後の転職で気を付けることはなぜ10ヶ月という短期間で辞めたのかをネガティブに取られないように伝えるストーリー作りだけでした

その後、3つ目に勤めた事業会社では順調に昇進し、役員を務める機会にも恵まれました。今から20年も前の話にも関わらず在宅勤務が認められており、働く環境が抜群でした。面倒な承認手続きなく頻繁にアメリカやヨーロッパへの海外出張+ワーケーションの機会があり、共に働く仲間にも恵まれていたので、短い期間で再度転職した決断が結果として誤りだったとは思っていません

しかしながら、有名なコンサルティングファームせめて3年くらい我慢して努力を続けていれば、違う世界が開けたのではないかという思いもありますが、、、

アドバイスできることがあるとすれば

その後さらに2つの事業会社を経験して個人事業主となった今、これを読んでくださった方に何かアドバイスができるとすると、自分がフィットする会社とそうでない会社は転職直後に自分自身の直感が教えてくれるということです。そしてその直感に従った判断は大きく外れないということです

転職してからそれがわかっても遅いですよね。ですから、下の記事にあるようにしっかりと質問を準備してその会社をよく知ることが必要です

https://note.com/choro_/n/nacdc1639655b

私の場合は2つ目と4つ目の会社では違和感を覚えながらその組織に所属していました。2つ目の会社の話が今回取り上げたファームです

4つ目の会社はその違和感を感じながらも6年近くの時間を過ごしました。そのことについてはいずれ別の機会に取り上げたいと思います

読んでくださってありがとうございました!

お読みいただきありがとうございます! チョロ!です♪ たくさんの人でなくてもいいけど、「あなた」に届いたらいいなぁと思って書いています。