見出し画像

実務未経験&非情報系大学卒のシステムアーキテクト合格体験記

 先日、IPAの高度試験の合格発表がありました。今回、私はシステムアーキテクトを受験していたのですが、午後Ⅱの論文が最後まで書ききれず、完全に諦めていました。せっかく受けたし、論文の評価くらいは見ておこうかな…と成績照会のページを見てみると、結果はまさかの合格。結果を受け入れるのに時間がかかるくらい驚きました。

SA合格note


プロフィール

・いわゆるBFの私立薬学部卒、26歳。薬剤師2年目。薬局勤務。

・在学中に基本情報技術者試験、応用情報技術者試験合格

・ドットコムマスターアドバンスダブルスター取得


試験日までにやったこと

システムアーキテクトの勉強を始めたのが2021/1だったので、勉強期間は約3ヶ月でした。といっても、最後の1ヶ月で詰め込んだ感は否めませんが…。


○午前Ⅰ

応用情報に合格していたので、午前Ⅰは免除でした。


○午前Ⅱ

IPAのシラバスを見て、出題範囲を確認し、応用情報技術者試験ドットコムの過去問道場(https://www.ap-siken.com/apkakomon.php)で問題を解きました。

あとは、下の2冊の参考書の午前Ⅱの問題を5周程して、参考書内の問題は確実に解けるようにしました。


○午後Ⅰ

午前Ⅱでも使用した、ド定番の参考書を使って、解き方を確認しました。

その後は、この参考書の付録についている11年分の過去問をすべて解きました。最初の3年分くらいは分からなさすぎて絶望しましたが、4~5年分くらい解いたあたりで少しずつ正答率が上がってきました。

たまに全く解けない問題にぶち当たりましたが、本番では3問中1問は捨てても構わないのであまり気にしないようにしました。でも解説をしっかり読んで、似たような問題は解けるようにはしておきました。

過去問を解くにあたって、意識していたのが「時間」です。1問ごとにタイマーで時間を計測して、だいたい1問あたり30分くらいで解けるようにしました。本番では2問を90分で解くので、30分の余裕があれば十分だろうと考えていました。


参考書以外では、個人的には三好康之さんのYoutubeがおすすめです。

三好さんの「システムアーキテクト」、「論述式試験」などのタイトルがついている動画を片っ端から見ました。これを無料で見てもいいのか…と思う内容ばかりです。


○午後Ⅱ

本当に困り果てた午後Ⅱ。論文なんて高校のときに小論模試で1、2回書いたくらいで、ましてや要件定義やらソフトウェア設計やらのテーマで書くなんて絶望的でした。参考書にも、実務経験がない人はネタになる経験がないから合格論文を書くのは難しいと書かれているものが多かったです。

嘆いていても仕方ないので、手当たり次第にネタ探しを始めました。多くの参考書に書いてある通り、実務経験のない人にとっては、午後Ⅰの問題が午後Ⅱのネタになります(というか午後Ⅰをネタにするしかない)。過去問を全部解き終えた後、理解しやすかった問題を3問程選んで、徹底的に読み込みました。本番でアレンジして使えるようにするためです。


あとは、具体的な論文の例を見たいと思い、例文集を購入。

この中で自分と相性の良い論文例を読み込んで、論文の流れを把握しました。


その他にしたことといえば、ひらすら妄想することです。自分がシステムアーキテクトになったつもりで、薬局に導入できそうなシステムの要件定義やいつも利用している美容室の予約システムのソフトウェア設計などを妄想していました。思いついたアイデアはメモして、ストーリーになるように繋げていきました。意外と、この妄想がよかったのかなぁと思っています。


試験当日

○午前Ⅱ

わからない問題が多くて、かなり焦りました。でも6割で合格だから、まぁ大丈夫だろうと気楽に考えていました。実際はあと2問間違えていたら落ちてましたが…。


○午後Ⅰ

意外と手応えがありました。過去問で金融系の問題は相性が悪いことがわかっていたので、問3は最初の数行読んだ時点で選択肢から消えました。消去法で問1と2を選択。解答を丁寧に書くという練習をしていなかったので、思いの外時間がかかり、試験時間いっぱいいっぱいでなんとか解ききりました。


○午後Ⅱ

午後Ⅰはうまくいったので、合格の可能性はあるかもしれないと気合を入れて挑みました。問1はアジャイル開発、問2は業務要件の分析と設計でした。アジャイル開発は馴染みがなさすぎて、これも消去法で問1を選択。自分が詳しい分野で勝負しようと、テーマは「高齢者でも利用しやすいお薬手帳システム機能の追加」にしました。緊張であまり頭が回らず、ほとんど何も進まないまま30分を消費してしまいました。本当に時間が足りず、規定の文字数に達することすらできませんでした。最後はダイイングメッセージの如く、字がひょろひょろになった上に、文も途中で終わってしまいました。これはもう落ちたな、と確信して帰宅。合格発表の日もほとんど意識せずに過ごしました。


反省点

○午後Ⅱの論文を書く練習をほとんどしなかった

本番で時間が足りなかった原因は完全にこれです。インプットにほぼ全ての時間を費やし、アウトプットをかなり疎かにしていました。しかも本番は手書き。本番の一発勝負にしてしまったのはまずかったなと反省しています。


良かった点

○論文の内容を具体的に書けた

自分の業務に関連したテーマを選んだこともあって、具体的な内容で論文を書き進めることができたと思います。字数が足りなかったにもかかわらず、ランクAの評価をいただけたのはこれくらいしか理由が考えられません。


最後に

今回の私の合格は正直、滑り込み感がすごいですが、未経験でシステムアーキテクトに挑戦する方の参考になれば幸いです。

また、思い出したことがあれば追記していきます。

いいなと思ったら応援しよう!