DXを実感「DXで変わる100の景色」
クラブハウスでも大変お世話になった地方創生のスペシャリスト森戸裕一さんが出版をされたということで、今日はご著書の感想です。
DXってそもそもなに??
「DXってなに?」と聞かれて、あなたならどのように答えますか?毎日のように聞く単語なのに、いざ言語化しようとすると自信がないですよね。
DXというと、ITシステムによる業務の効率化を思い浮かべますが、これは「デジタル化」であった、DXはその先の社会全体がどう”変革”したかを問うそうです。
「…とは言え、そんな変革なんて中々起こらないよ」という人に向けて、本書では変革が起こった100の事例を紹介してくださっています。
100ある事例から、特に関心が高い3つを紹介
本日は、私が特に気になった3つを紹介したいと思います。
事例10. インスタでの365日ライブ配信で顧客とのつながりを強化
「小柄な女性」向けのアパレルブランドが顧客接点を拡大するために毎日インスタライブで服の組み合わせなどを提案した事例です。
ポイントは「小柄な女性」向けというニッチのターゲットに対して場所に縛れず情報を提供できるところだと思います。チャレンジは服を実際に手にしたり試着できないところだと思いますが、ターゲットと属性が同じ女性をライバーとして起用することで、視聴者が試着した自分をイメージできるようになったことだろうと思います。
インスタライブが出来たからこそ、安価でニッチなターゲットにアクセスできる、まさにDXの例だと思い選びました。
事例85. データ共有の簡素化で広告投資の効率化・営業活動の活性化
こちらは住宅メーカーが広告運用に使用していたExcelをGoodleスプレッドシートに統一したことで、SalesForceと直接データやり取りが出来るようになった例です。これにより、200以上のExcelシートが削減され、週の作業時間は33時間削減されたそうです。
みなさんのPCにはいったいいくつのExcelが保存されているでしょうか?クラウドにあるデータが簡単に加工できるようになれば、常に最新の情報を関係者が共有できるはずです。それが、データ作成の時期のズレや、各作成者の見たいデータの好みにより無限像に仕事量が増え、結果として驚くほどのExcelがPCに保存される結果になるのでしょう。
Excelの特別な関数を知らなくても、見たい人が簡単にデータを分析できるようになることで、データを加工する仕事はなくなるかもしれません。
事例100. デジタルと友達になりデジタルで友達を増やすまちづくり
最後に紹介するのは、この本でもちょうど100例目になる商店街が取り組んだデジタルで友達を増やすまちづくりの例です。
全域に光回線を整備し全世帯で無料でタブレットを貸与するだけでなく、自治体がシニア向けにスマホやタブレットの講習会を開いたり、「ITヘルプデスク」を設置してサポートしてソフト面でもサポートしています。シニアのITリテラシーを高めることで、ポータルサイトを通した相互のコミュニケーションを図っているようです。
ホームページを拝見すると、デジタル田園都市国家構想交付金(TYPE-X)を受けて産学と連携しながら進めているのがうかがえます。
世代を超えた取り組みを促すワークショップなどもされており、「シニアの孤独解決」をライフテーマに活動している私もとても共感できる取り組みです。
私はこの「世代を超えたつながり」をどのように促進していくかが、今後の地域にはとても大切になると思っています。理想は自治会ではなく、近所の子供がITの使い方をシニアに教えている姿です。これって、50年前の日本には当たり前のようにあった互助の世界だと思っています。
私が好きな台湾の「青銀共創」を紹介したブログを最後に紹介させて頂きます。