自分の居場所は自分で選択する時代
読んでくださりありがとうございます。
外資系医療メーカーで働きながら、複業でコミュニティ運営をサポートをしています。今までの経験をまとめて、コミュニティをつくりたい人の参考になるように、「『ひとり1コミュニティ』の未来をつくる」と題してコミュニティの始め方について投稿しています。
今回は「序章:自分の居場所は自分で選択する時代」として、コミュニティの必要性を考えるための社会の変化についてまとめたいます
社会環境の変化は必ずおこる
会社に忠誠を誓っても幸せになれない社会
つい30年ほど前までの日本社会では、「良い大学を卒業し、大企業に就職する」というキャリアパスが安定と成功の象徴とされていました。高度経済成長期の終焉後も、その価値観は長らく続き、多くの人がこれを目指しました。
しかし、近年の社会構造の変化により、このモデルは終わってしまいました。終身雇用や年功序列といった日本型雇用システムが崩壊した結果、大企業で働くことが必ずしも安定を保証しない時代になりました。
また、デジタル技術の普及により、個人が自らのスキルを活かして活躍できる環境が整い、副業やフリーランスといった多様な働き方が台頭しています。さらに、若い世代の間では、経済的な成功以上に、自分らしさや働きがいを重視する価値観が広がっています。
このように、時代は個人の選択の自由を尊重する方向に進化しており、従来の成功モデルが通用しない新しい時代に私たちは生きています。
ソロ社会の到来により家族の疑念が変わる
日本では近年、未婚率の上昇や離婚率の増加、そして生涯未婚率の高まりにより、独身世代が社会の中心になる「ソロ社会」の到来が確実になってきています。
この変化は、経済的要因、価値観の多様化、ライフスタイルの自由化など、複数の要因が重なり合った結果といえます。若い世代では、結婚よりも自己実現やキャリアを優先する価値観が広がり、また、女性の社会進出やジェンダー平等の進展も、従来の結婚観や家族観を再定義する動きにつながっています。
一方で、高齢者においてもパートナーとの死別や単身生活の選択により、「おひとりさま」の増加が進んでいます。
その結果、通常とされていた「親と子」の世帯は2割以下となり、社会の約半数が単身世帯である社会が目の前まで来ています。
個別化した社会の中で、地域コミュニティも崩壊
現代の日本社会では、都市部を中心に地域コミュニティの崩壊が進んでいます。
その要因として、個別化の進展があると思います。かつて地域社会は、子供会や祭り、住民間の交流行事などを通じて絆を深め、互いに助け合う場として機能していました。
しかし、ライフスタイルの多様化や都市への人口集中に伴い、近所付き合いが希薄化し、隣人の顔も知らない状態が一般化しています。特に東京のような大都市では、集合住宅の増加や転居の頻度の高さが、地域コミュニティの形成を難しくしています。
この個別化は孤立感の増大や緊急時の支援不足など、新たな課題を生み出しています。
社会の変化はチャンスでもある
この社会の変化は必ず起こります。
しかし悪い面ばかりではありません。
一番のメリットは利便性が上がりストレスが減ります。とくに人間関係のストレスを大きく減るのではないでしょうか?
この有名な言葉は、すべての悩みの根底には他者との関係性があるということです。仕事、家族、友情、恋愛など、どのような状況であれ、人は他者との関わりを通じて生きるため、悩みもまたそこから生じるとしています。
伝統的な地域コミュニティは、強い結びつきの裏側で個人の生活に干渉しがちでした。たとえば、近所付き合いや地域行事への参加が暗黙の義務となることも多かったです。また、住んでいる場所によって人間関係が固定化されることが一般的でした。
これからの社会の変化はこのようなストレスが大きく軽減されます。仕事や家庭、地域社会という伝統的なコミュニティが崩壊する中で、オンラインコミュニティや趣味のサークル、副業を通じたネットワークなど、選択肢は幅広く、距離や時間に縛られない関係が可能になっています。
この変化は、個人に自由と自己実現の機会をもたらす一方で、所属するコミュニティを自ら選択し、積極的に関与する必要性を生じさせています。
従来は、家族、職場、地域といった既存の枠組みによって自然に人間関係が形成されていましたが、現代ではそのような自動的なつながりが減少し、意図的な選択と行動が求められる時代へと移行しています。
このような状況においては、選択したコミュニティを維持し、深めるための主体的な努力が重要になります。この新しい社会の構造は、個人の自由と責任のバランスを問い直すものであり、個人とコミュニティ双方に新たな適応が求められていると思っています。