死を考えることは、生き方を意識すること
映画「PLAN75」を見た感想
2022年6月17日公開の「PLAN75」を鑑賞してきたので、映画を見ての感想です。ストーリーは以下を参照にください。
75歳のリアルな生活が伝わってくる
倍賞美津子さんが演じる78歳の日常生活がとてもリアルに感じられました。
団地の前の坂を登る時の息遣い、家で1人でTVを見ながら食べる孤独な様子など高齢者の生活をリアルを見ることが出来ます。
主人公は几帳面でルームメイクの仕事もきっちりとこなしていましたが、まだ働けるにも関わらず年齢を理由に突然仕事を失います。
中々仕事が見つからない主人公に、周りは生活保護を受けるようにアドバイスした時の、「もうちょっと自分で何とかならないか、頑張ってみる」と言う言葉が印象的でした。自分でお金を稼ぐことは、単に生活の為だけでなく、生きる価値を得るためにも必要なのだと主人公の気持ちに共感しました。
人とのつながりの大切さを再認識
「PLAN75」に申し込むと、専任のコールセタースタッフが死ぬ日が来るまで電話で定期的に話しを聞いてくれます。相手は”仕事”として話しをしているとわかっていても、主人公はコールセンタースタッフとの会話に生きがいを感じます。
これを見て人はひとりでは生きられないと改めて感じました。私が好きな文献にハーバートスタディがあります。この研究では「幸せは富や名誉ではなく、親しい人との豊かな関係」と結論づけています。高齢者になった時の自分をイメージすると、いかに豊かな人間関係を築けるのかが重要だと改めて感じました。
死を考えることは、生き方を意識すること
映画の中の日本では、高齢化が進みすぎたために75歳から自ら死を選択することが出来ます。自動車免許の自主返納のように任意ですが、高齢者の生活を見ていて「死を選択する」理由が伝わってきます。
社会に求められるどころか迷惑だと思われ、仕事などで社会に価値を提供することも出来ず、人とのつながりも無く孤独で生きていく。この様子を見てで人はなぜ生き続きけるのか、生きる意味を考えざるえませんでした。
映画ではこの高齢化の解決が高齢者を活かす方法ではなく、「死の選択」になったのは残念です。
この3点が高齢者になった時に豊かな人生を歩める条件ではないでしょうか?その為に今から出来ることは何があるだろうか…これからの生き方について考えさせる映画でした。
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