第3話 MA-1の話
プロローグ by秋元
「MA-1、最初は色々こねくり回して作ってた。初めて作るから自信がなくて、理論武装したかったというか。最初期の案は、レッドリボン軍みたいに腕にバンダナを巻くみたいなのもあった。もちろん没だけど笑。最初のサンプルは超ビッグサイズで失敗だった。この頃からシルエットに対する拘りが出始めてて、モコモコ過ぎて筋肉モリモリみたいなシルエットにならないように作ったけど、サイズ感は最後まで確信が持てなかった。結局、撮影で涼本さんが着てるのを見て、やっと安心できた。抜群に可愛かったので笑。同時に、この時から “もっとオリジナルの型数増やそう!”って思い始めてます。」
アニメグッズではなくアパレルアイテム
CHORDのアイテムを展開していくうえで、一つ大切にしていることがあります。第2話でもちょこっと触れましたが、『アニメキャラクターグッズではなく、アパレル商品をつくる』ということ。いろいろなアニメとのコラボ商品を作らせていただいていますが、常に念頭にアパレル商品であることを置いて商品開発をしています。
ただ、アパレルブランドというのは無数にあります。既製品のボディ(洋服の型)にプリントや刺しゅうを施したものではアパレル市場に新規参入し打ち勝つことは難しい。そこでたどり着いたのが、オリジナルボディでした。オリジナルボディを使用することはアパレルメーカーでは常識的ですが、アニメコラボアパレルでは珍しいことでした。アパレルとアニメの中間地点にあった、ブルーオーシャンを見つけたのです。
MA-1
◆MA-1 ¥15,400(税込)/Mサイズ、Lサイズ
MA-1はオリジナルボディへ移行していく中で誕生したものでした。要素を極限まで削ぎ落とした、シンプルなビッグシルエット。ビッグシルエット特有の肩幅の違和感やシルエット崩れが起きないよう、試行錯誤しました。袖丈は実際の長さより、長めに生地を使い、遊びを持たせることで“大きいサイズを着せられちゃった”感がなくなり、“きちんと着こなせるビッグシルエット”に仕上がっています。そしてあたたかいので東京の冬は十分に越せそうです。
生地は光沢感があり、カジュアルにもシックにもきめられます。要素を極限まで削ぎ落とした、と記述しましたが、ポケットのボタンやファスナー裏のラップ部分は残しています。パーツとして目立つ部分ではありませんが、細部にこだわることでMA-1としての上質さが感じられます。
最初はすべてのパーツを黒一色にした、『echoオリジナルのMA-1』をつくりました。ブランドアイデンティティを体現するフラッグシップアイテムです。
その後、echoオリジナルのMA-1をベースに『初音ミク MA-1』を製作。ネック部分に「GAZE」コラボタグ、内側の生地をエメラルドグリーンに、左袖に「01」を刺繍しています。『初音ミクそのもの』ではなく、『初音ミクを感じられる』アイテムです。シルエットやエメラルドグリー×ブラックカラーの美しさは初音ミクを知らない人でも惹きつけられるのではないでしょうか。
初音ミク MA-1
MA-1はシンプルでかっこいい、納得のものが出来上がりました。そして、多くの方からご好評いただきました。汎用性のあるシルエットが出来たので、同じシルエットでトラックジャケット(ジャージ)素材でも展開、今秋販売開始です。
秋元
株式会社CHORD 代表取締役
http://chord-web.jp/
https://echoecho.thebase.in/
なかむら
秋元氏から話を伺い、noteを書く人。