第2話 ケンガンアシュラ・川崎さん・涼本奈緒さん
プロローグ by秋元
「よくある話で全然面白くないけど、歯車が噛み合うとか、パズルのピースがハマるとか、どんな規模でも、うまくいく時はそんな感じがあって。川崎さんに刺繍マシン買ってくれって話してたら本当に買ってくれたり、涼本さんっていう超最高な被写体と出会えたり、ただただラッキーだった。一方で、どうやって売るかのロジックだけはメチャクチャあったから、1つづつ実践していく感じだった。だからぶっちゃけ、うまくいったものもあれば、いかなかったものもあるんだけど、『机上の空論』にしないために全て必要なことだった。でも、数百件の住所を手書きするのはもう絶対にヤダ笑。」
企画:ケンガンアシュラとのコラボレーション
earth music&ecologyさんのアニメ/マンガとのコラボブランド「Japan Label」は、CHORD起業後に前社から事業を引き続き、継続します。一方で「Japan Label」は女性向けのアパレルブランドなので、取り扱う作品はどうしても女性向けのもののみ。男性にリーチできないことが機会損失なのでは、、、と考えるようになります。
そんなときに、アニメ「ケンガンアシュラ」のHPを作ることになりました。「ケンガン」は基本的には男性向け作品で、ぼんやりと上記のようなことを考えているなかで、思い切ってCHORDで作らせていただけないかとご提案してみたところ、なんとご了承いただき、アパレル商品を製作・販売できることに!
その際に、試したことが3つありました。
1つ目は刺繍です。個人ブランド「vibes®」や、関わったアイドルのTシャツのプリントなどをお願いしていた川崎さんから「刺繍マシンを買った!」というご報告をいただいたタイミングでした。
製作:川崎商店の川崎さん
CHORDの商品の多くは川崎商店さんに製造を依頼しています。
川崎さんはバンドマンの方で、バンドTシャツを業者に発注するなら、自分で作ろう!ということで、自身のバンドTシャツの製作から始めました。
最初は家庭用のシルクプリントセットで作っていましたが、いよいよ本格的に作るようになり、ついにはプレス機を購入。他のバンドからもTシャツの製作の依頼があったり、弊社でもアニメのノベルティを作ってもらったりしていました。
そして川崎商店を開業し、本格的に事業を始められます。
【川崎商店】
公式Instagram https://www.instagram.com/kawasakishoten/
公式サイト
川崎さんはノリが最高で、情に熱い人。川崎さんへの信頼度は半端ではありません。そんな川崎さんに「次は刺繍したいから、刺繍マシン買ってよ!」と話していたら、実際に買ったというご連絡があり!!!! アニメ商品では製作費用等の側面から敬遠されがちな刺繍デザインをあえてやってみよう!と考えていたのです。
アニメグッズではなく、アパレル商品 / アパレルとして殴り込み
さて、なぜ刺繍なのか。
アニメ関連のアパレル商品として安易に想像がつくのは、前面にドーンとアニメキャラクターやロゴが描かれているものではないでしょうか。「アパレル」というより、「アニメグッズ」という感じのものです。このタイプのデザインは、割といたるところで目にしますよね。
あちこちで目にする商品をつくって、アニメグッズ市場に参入していくには、後発のCHORDでは価格設定、展開規模など、太刀打ち出来ません。他社が行っていないこと=新提案として考え付いたのが、アニメ製品ではあまり見られない「刺繍」でした。
ケンガンアシュラの商品のデザインはいたってシンプルです。キャラクターの二つ名を英語表記にして、筆記体にして、刺繍。簡単に言うと、それだけでした。きちんとキャラクターを立たせたアイテムが欲しい方も勿論いらっしゃると思いますが、あえて「アニメっていうのがわかるのはこのくらいがいい」というシンプルなデザインを提示してみました。
でも服って、いくつあってもいいですよね。「このお気に入りのスカートにはTシャツの方が合うし、こっちのパンツにはパーカーの方が合う」っていうように、服はそれ単体を愛用するだけではなくコーディネートを楽しんでこそのものです。そして「このTシャツ気に入っていたけど、もう寒いし無理だな…」という季節性の悩みもあると思います。
だからCHORDは、Tシャツだけではなく、ロングTシャツも製作。コーディネートの選択肢を増やしたのです。
長い時間お気に入りの服と(アニメ)と過ごせること、コーディネートの幅を広げること。
アニメグッズにはないアパレルとしての提案をしました。これが試してみたいことの2つ目。
撮影&完成:モデルの涼本奈緒さん
試してみたいことの3つ目は、モデルさん中心の写真。
アニメグッズとしての物撮りだけでなく、アパレルとしての表現、きちんとモデルさんが着ることによってできる、“コーディネート・着こなし”や“実際に着るとどうなるかを想起させる”など提案力を写真にもたせていきました。
さらにいうと、写真のクオリティのよさを追求しました。写真作品としてもかなり良いものが撮れたと思います。商品を見せるというより、写真作品を見せているような。そもそもこれがアパレルとしての表現であるかも疑問ではありますが、「その服をきて過ごす日常」がイメージしやすいのではないでしょうか。
そしてそのうえで不可欠な「モデル」=「涼本奈緒」さんという存在。
彼女がどんな人か、ひとことでいうと「会った人みんな好きになってしまう」のではないかという、外見だけでなく、内面の美しさが本当に魅力的!!真面目さからうまれる謙虚さ、礼儀正しさ、そのすべてに惹きつけられてしまいます。
商品を理解し、アニメ作品を理解し、撮影に臨んでくれ、購入者に向けてどうコーディネートしているかを提示してくれる表現力があります。アニメ作品をアパレルとして表現できる要、もうechoは彼女なしではなりたたないのではないか、そう思わせてくれる存在です。
涼本奈緒
https://twitter.com/naosuzumoto
https://www.instagram.com/naosuzumoto/
結果的に
「試してみたいこと3つ」は手ごたえあり!!でした。
シンプルな刺繍・筆記体デザイン、商品展開、モデルさん中心の写真。このどれもが奏功し大好評でした。
ここで得た成功体験を自社内で循環し、その後の商品展開につなげていくこととなります。
秋元
株式会社CHORD 代表取締役
http://chord-web.jp/
https://echoecho.thebase.in/
なかむら
秋元氏から話を伺い、noteを書く人。