心の中に誰かのための居場所をつくる

以前、目にした谷崎俊太郎氏のことばに感銘した。
どんな言葉だったのかは、ハッキリと思い出せない。でも、確か、こんな意味だったと思う。

『子どもはほんを読むことで、こころに他の誰かの場所をつくる。その誰かは、いつもその子どもと一緒にいてくれる。子どもが大きくなって、その誰かが居なくなっても、その誰かがつくった場所はこころの中にある。また別の誰かの為に。』

TRAVELER “Best of the World 2021” National Geographic。
この雑誌を買ったのは、2週間前。
チラチラめくりながら、今度は何処に行きたいかなあ〜って考えを巡らせる。5分もかからない。それから、仕事に取り掛かる。
たった5分間の夢のトラベルで、仕事を終えた時の嬉しさは断然大きくなる。

育児中は、この気分転換さえ儘ならなかった。
ちょっとソファに座ると、待っていたかの様に、1秒の隙もなく、子供が私の脚の上に乗っ掛かってきた。
わたしは、わたしの本を横に置き、「ほん、よもっか。」って、子どもに言う。子どもは、「やった〜!!!」っと、喜んでほんを持ってくる。
いつも同じほんだ。”ごはん“ってほんは、もう50回以上、多分これから先も、100回くらいは読むだろうなっと、思ってる。
いみがわからない、ほん。
意味がわからないから、わたしが退屈しちゃう”ほん“。
そんな”ほん“が子どもたちは好きらしい。そして、何十回も繰り返して読みたいらしい。

こころに誰かのための居場所をつくる。
今、そこの場所に入り込んだわたしの小さな願いは、わたしに寄り添ってくれている。そして彩(いろ)をつけてくれる。