オンライン ファシリテーターになろう!
新型コロナウィルスの感染予防対策として、Zoomなどを活用したオンラインの場作りが一気に加速しています。東京大学のサイトでは「先生, 職員, 学生, 全員で, 学びの場所である大学を守るための努力」として、Zoomなどを活用したオンライン授業を進めることや3月19日にZoomの限界値である1000人参加のオンライン基礎講座が開催されたと報告されています。SNSでもZoomを使って実験や集まりの報告が連日、増えて花盛りです。
オンラインファシリテーターとは
オンライン、またはオンラインとリアルを併用し、場に豊かな対話を育みながら1人ひとりの力が活かされるプロセスと結果を作る進行役です。ファシリテーターがいる場は、合意形成や課題解決が促進され、同時に人と組織の成長が促進されます。
その活動の場は多岐にわたります。
1 インフォメーションや報告、一斉型授業
2 面談やカウンセリング・インタビュー(1on1)
3 研修や授業など学びの場(少・中・多人数)
4 各種会議・打ち合わせ(少・中・多人数)
5 交流会・親睦会
6 その他
特にZoomでは「ブレークアウトセッション」機能を使い、自由にグループワークを行えるので、そこにファシリテーション技術が求められます。 もちろん先生や進行役だけでなく、参加者一人ひとりにファシリテーションスキルがあると「偶然性に頼らない確かな学びを育みやすい」のはリアルな現場と同じ。常日頃から、ファシリテーションを学んでおきましょう。
オンラインファシリテーションに必要な構成要素
1 Zoomの操作技術(オペーレーション)
2 ファシリテーター6つの技術
3 豊かな学習コンテンツや学びを深める課題(問い)
Zoomの操作は繰り返すうちに慣れてきます。まずは失敗しても笑って許してくれる仲間と一緒にトライ&エラーを重ねながら、様々な機能を試してみましょう。今やネットに情報が溢れています。また、有料のZoomオンラインセミナーの案内も検索すると出てきます。
基本はレクチャーとグループワークの繰り返しですが、とくにホスト(主催者)の経験が大切です。「共同ホスト」の機能を使い、誰もがホストになる体験を積んでおくとグループワークの可能性が広がります。
ファシリテーション6つの技術
1 インストラクション(指示・説明)
2 クエスチョン(質問・問いだて)
3 アセスメント(評価・分析・翻訳)
4 グラフィック&ソニフィケーション(可視化&可聴化)
5 フォーメーション(隊形・キャスト)
6 プログラムデザイン(設計)
「よくわかる学級ファシリテーション1かかわりスキル編」(岩瀬直樹・ちょんせいこ 解放出版社)を加筆修正
この1週間、約100人の方を対象に「オンラインファシリテーター講座」を開催しました。その中では、1インストラクションについて説明、体験、考えを深める時間を作りました。ひとつめの技術「インストラクション」はリアル、オンラインを問わず、とても重要です。例えば、「あの」「えっと」のような自分の口癖に気づき、そのノイズを消すだけでも負荷が減り、随分と伝わりやすくなります。上手な人は、そうしたノイズの要・不要を意識的に、または無意識のうちに使い分けていますよね。
雑談タイムのおすすめ
ファシリテーションが効いてる場は昼食時や休憩時間に、雑談が自然発生します。この雑談の育みは場の成長とリンクしていて、とても大きな価値をもつ時があります。でも、Zoomだと休憩時間は映像と音声を切って、各々の世界に戻るのが基本。雑談が起こりにくい環境です。
なので、あえての雑談タイムを設けます。なんでもいいから話してみる時間を少し長めにとる。これって、とても大事です。雑談が育む関係性や情報交換、文化、ありますよね。先生や進行役がいない。本筋ではない。「私たちだけの自由な時間」は、ある意味、とても大切なアクティビティです。私は通常の会議でも「あえての雑談タイム」をとる時、あります。
環境があれば誰もがほぼ、同じ条件で集まれる
これについては、ユニバーサルデザインのひとつだなと実感します。この3回のオンラインセミナーも全国からご参加がありました。いわゆる都会の人も、地方の人も、移動の負荷なく集まり、共に学び、情報交換ができる。グループダイナミズムが生み出せます。今回、感染が心配される既往症の方も安心して参加できる。社会参加をあきらめなくていい。
感染予防がきっかけではあったけど、リアルとオンラインの選別や組み合わせが加速するでしょうし、リアルの学びをオンラインに、オンラインの学びをリアルにする相乗効果を狙っていきたい。そう思います。みなさんは、いかがでしょうか。明日は保健・医療・福祉の仕事に携わる方とオンラインファシリテーションセミナーです。楽しみです。
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