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あいまいな弟

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[登場人物]

・私 (都会で夫と二人暮らし)
・夫

・お義父さん(夫の父・地方でお義母さん、弟と3人暮らしだったが2023年夏前に他界)
・お義母さん(夫の母)
・弟(夫の弟・無職・実家暮らし)

・叔父さん(3人兄弟のお義父さんの弟・妻と同地方で2人暮らし・子供なし)
・叔父さんの妻(叔母さんが2人出てくるので叔父さんの妻とする)

・叔母さん(3人兄弟のお義父さんの妹・嫁いで同地方で夫と2人暮らし)

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50日法要の後、私達夫婦はしばらく穏やかな時間を過ごしていた。

お義母さんは週2回それぞれデイサービスと訪問入浴で他者と接触するようになり、
弟は相変わらず無職だったが、一家が信仰している宗教の100日修行に行くという日まで、
お義母さんとこれまでどおり暮らしてお義母さんについてくれているのは、
きちんとお世話ができていないにしても
お義母さんの近くに居てくれるだけでこちらに来るまではと少し安心していた。
しかしその修行には書類審査と面接があり、叔父さんも弟も受かるつもりで話は進んでいたが、
夫は弟が無職だった経歴を見れば審査には落ちる。
修行であっても誰でも受け入れられるわけではないと思っていた。

私はテレビ電話が久しぶりにかかってきたタイミングで、
今後の弟のスケジュールも確認しておかないと、
お義母さんを引き取る日程も考えないといけないと思い、
弟に聞いてみた。

「修行の審査?みたいなのの結果はいつわかるの?」
弟「もうちょっと。」
「いつごろとかもわからないの?」
弟「うん、でもまぁ、もうちょっとだと思う」
「お義母さんを引き取るのに〇〇(弟)さんの予定も知っておかないとこちらも段取りつけられないから、
わかったらすぐに連絡して」
弟「うん」

こうやって今までも弟からははっきりした言葉は何時も受け取る事ができず、
今回もこのとおり曖昧なのだ。
苛立った私は苛立ちついでに不要なことまで話してしまった。
「修行の審査がダメだった時のこと考えてる?」
弟「…」
「考えてないよね?審査がだめだったらどうするかを考えておかないといけないよ」
やっぱり黙って俯いてしまう弟。
そうだった、彼にとっては余計なお世話だった。
つい苛立って口走ってしまった。

弟のことはともかく、とにかく介護認定の調査結果を受け取れないと
こちらも介護に関する色々な手配ができないから、
今はこれ以上聞くのはよそう。
弟には、介護認定の通知が届いたらすぐに連絡するようにと伝えて電話を切った。

修行に行ったとて。とは心の中では思っていたが、
お義母さんのことで私はもうキャパオーバーなのだから、余計なことを言わない。
改めて自分に言い聞かせた。


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