流れ作業のような人工授精
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[登場人物]
・私 (都会で夫と二人暮らし)
・夫
・お義母さん(夫の母・お義父さんの急死により2023年秋から同居後、2024年2月に老人ホームに入居)
・お義父さん(夫の父・地方でお義母さん、弟と3人暮らしだったが2023年夏前に他界)
・弟(夫の弟・成人後職歴無し・お義父さんの死後、うつ病.統合失調症を発症し保護入院→2024年8月グループホーム入所)
・叔父さん(3人兄弟のお義父さんの弟・妻と同地方で2人暮らし・子供なし)
・叔父さんの妻
・叔母さん(3人兄弟のお義父さんの妹)
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子供の頃から大きな怪我も病気もなく、健康な身体だった。
入院やギプスに憧れるくらいの健康体。
だから不妊治療なんかしちゃったら、うっかり妊娠できちゃうんだろうな。
なんて思っていた。
そんな健康な私には、精子の行動を拒んでしまう抗体があった。
なんだ、、そっか。
妊娠しちゃうかもなんて、思い上がってた自分が恥ずかしいと思った。
しかし、体外受精の場合は私が持っている抗体が悪さをするところを全て「体外」でするので、体外受精においては、年齢的なパーセンテージは低いものの妊娠する確率は普通にあった。
体外受精のための採卵を行なってから、ずっとソワソワしていた。
ほんとに妊娠しちゃうのか、、いや、でもそんなに簡単にはいかないよね。。
その後病院で受精の結果を聞いた。
体外授精させた卵は2つあり、2つとも細胞分裂中に動きが止まり失敗。
体に卵を戻すまでもなく、あっけなくたった一回の保険適用の体外受精は失敗に終わった。
子供はいらない寄りのどっちでもいい。
そんな、不妊治療を受けるにはふさわしくない気持ちを持って挑んだ私は、
体外受精の失敗に、がっかりしながら安心もした。
夫は一緒にがっかりしてくれた。私が少し安心してるとも思わずに。
その後、話し合いをしたが、
夫が、卵を戻す前に失敗に終わってしまった体外受精で、その1回で終わりにするには気持ちが納得できないので、もう少しがんばってみたい。
と言うので、夫の気持ちを汲んで、不妊治療を継続することに決めた。
が、もう体外受精をするには全額自費になってしまうので、
人工授精にステップダウン(という言い方を病院がしていた)することになる。
人工授精は、採精し、濃縮した精子を管を入れた先から人工的に投入するが、
そこから先は精子の力でがんばって卵に到達させて細胞分裂させ、子宮に着床する。
精子不動化抗体を持っている私は、難しいのではないか?と不安に思い病院の先生に聞いたが、
「まぁ、可能性的には低いですがゼロではないのでやってみてもいいと思います」
と淡々と返された。
病院に行き、呼ばれるまで待ち、淡々と看護師さんが私を誘導し、
淡々とエコーを受け、淡々と診察室で先生にスケジュールを話される。
そして淡々と時期を待って来院し、淡々とその日取れた精子を渡し、
時間が来て淡々と診察台座って足を広げ、人工授精を受ける。
淡々と1週間薬を飲み、結果が出る頃淡々と生理が来る。
そしてまた淡々と病院に行く。
私はそんな淡々とした不妊治療を1年繰り返した。
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