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一般の方のUbuntu体験記事を読んで震えた話

みなさまこんにちは、長南です。
私はUbuntuというLinux OSのJapanese Teamのメンバーもやらさせていただいているのですが、そのJapanese Teamがお世話になっている(私は登場していないのですが、メンバーが記事を寄稿していたりします)、PC Watchさんで、こんな記事が公開されました。

いやー、Ubuntu Desktopを使って頂いてありがたい限り! PC Watchさん、記事署名の石川ひさよしさんありがとう! ということなのですが、記事中で触れられていたアプリとの奮闘記を読んでいて、なんだか申し訳なくなってきました。

というのも、すこし前にこんな記事を書いたのを思い出したからです。

PC Watchさんの記事ではテキストエディタの選択に苦労した話が掲載されてて、結果的にPlumaを選択されたエピソードが掲載されていましたが、一方で私が使っていた(使っている)のは、ターミナル上でのvimです(笑)。原稿を書く段階で組版なんか普通はやらないし、なんだかエキスパートというかマニアックでごめんという気持ちになりました。

WebブラウザにはGoogle Chromeをインストールされていましたが、これは大正解というか私も毎日お世話になっています。また画像編集にGIMPを選択されているのもナイスチョイスだと思います。私はUbuntu環境だけではなくWindows環境でもGIMPを使っています。UbuntuとWindowsそれぞれで同じアプリを使っているのでOS間の違和感も感じずに作業しています。むしろもうAdobe Photoshopの使い方を半分くらい忘れているのではないかという勢いだったりします。最後にちょっと触れられていますが、動画再生のVLCもUbuntu、Windowsの双方で重宝しています。

そしてよく問題になるOfficeスイート(文書・表計算)についても苦労されている様子が掲載されていて、既存の資産があるとキツイよなーと感じました。DaVinci Resolve についてはGPUつけているのがWindowsマシンなので、そちらで作業することにしています。

Windows10サポート終了に向けてUbutnu導入を考えている方に

今回のPC Watchさんの記事のようにUbuntuに挑戦しようという方にプチアドバイスするならば、こんな感じでしょうか。

  • Windows, Linux (場合によってはMacOSも)の両方で動作するアプリを導入して慣れておくと移行しやすい

    • Google Chrome, GIMP, VLC 等…

  • できる限り特定のアプリケーションに依存しない形でデータを持っておくとよい

    • Excel形式よりかはCSV、PSD形式よりかはJPGやPNG形式、表計算の形で利用する場合はGoogle SpreadSheetを活用する等

    • ブラウザで完結するアプリやサービスはGoogle Chromeを使うことで移行が簡単かも

  • すべてをUbuntuでこなそうと思わず、Windows上でやることを残すことも考慮する

そして、PC Watchの記事で書かれていたことで大事だと感じたのは、この部分です。

今回のように業務をWindows 10→Linuxに移行しようと思って実行できるのは個人事業主やSOHOが中心になると思う一方で、その規模だと移行にかかる習熟などが結構な負担になる。フリーランスの筆者はそう感じた。この矛盾を乗り越えられるとしたら、Linuxに興味がある、PCやソフトウェアが好きといった方だと思う。

PC Watch「Windowsおじさん、Windows 10 EoSに備えUbuntuに入れ替えてみる」
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/topic/feature/1661955.html

もし「Linuxに興味がある、PCやソフトウェアが好き」という視点を持ってもらえるとしたら、本当にステキなことだと思います。そのことがOSやアプリの違いを乗り越える原動力になりますし、もしかしたらITエンジニアを目指す動機にもなると考えているからです。

私は長い間(そして現在も)ITエンジニアの末席を汚させていただいているのですが、その間に一緒に仕事をした人のなかにはPCやソフトウェアに興味を持てない人が複数おらっしゃいました。「仕事じゃないのにPCなんてイジってられないよ」というのが本音のようでしたが、ITのプロであるのであれば商売道具はうまく使えるようになったほうが絶対に良いし将来が開けるものです。

ITが本業でない方であっても知的好奇心を持つということは人生がより豊かなものになるのではないでしょうか。時にはうまく動かないことを楽しむ、そういったことをUbuntuを通して感じ取ってもらえると、一人のマニアックUbuntu使いとして幸せです。

ちなみに、あまり進捗がでていないので、お披露目はまだ先になりそうなのですが、私のNoteでIT系の(有料)記事をまとめた「マガジン」を公開する予定です。いつもは自分自身のためのメモのような記事を書いているのですが、もうすこしハードルをさげた記事を書いていきたいと思っていますので、しばしお待ちいただければ幸いです。

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長南 浩
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