Abema prime newsに出演してきました
一昨日、この番組にゲストコメンテーターとして出演してきました
正直自分でもびっくりです。
そもそもなんでこんな事になったのか、その経緯と放送の裏側を話します。
出演までの経緯
きっかけは6月1日(放送1週間前)に届いた1通のメンションでした
ジーパンもびっくりななんじゃこりゃあですよ!
こんなの飛んできたらマジラブ1000%詐欺だと思いますよね。
私もそう思ってました。
でも何も考えずにDMを送り、あれよという間にヒアリングを受けることになりました。
ヒアリングはディレクターの方と1 on 1 on Zoom。
まず先方から、番組の趣旨説明、MCやパネラーの紹介とともに、私を選んだ理由も話してくれました。
きっかけはやはりこのnote。
投稿から1年以上立っても未だに反応があってびっくりドンキーです。
自分の記録と記憶を文書化して残しておくのって大事なんですね。
noteをもとに私のこれまでの研究人生について聞かれたあと、今の日本の研究環境の話へ。
番組の趣旨が今の日本の研究環境の酷さを伝えるということだったので、この話は大いに盛り上がりました。
で、条件(ギャラ)提示などを経て無事出演決定となりました。
テレ朝入館〜本番直前まで
当日は21時前にテレビ朝日前で待ち合わせ。
六本木はかなり久しぶりだったんで、建物までたどり着くのにかなり時間がかかりました。
迷いの森ビル、マジ魔境。
このキラキラしてるのが私が収録を行うスタジオです。
待ち合わせまで少し時間があったんで、スタジオをめっちゃ覗き込むという不審者ムーブをかましてました。
しかしこれは孔明38計うちの一つ。
「あの人ずっと覗き込んでる、キモーイ」とスタッフに思わせてからの「え!?今日のゲストだったの、キュン」というギャップを狙う、いわゆる「会社で掃除をしているおじいちゃんが実は会長だったの計」でござる。
いやー乱世乱世。
まず第一の爪痕を残したあとで、無事スタッフと合流し入館。
控室に通され本番までタイキシャトルです。
控室でディレクターと20分ほど雑談&打ち合わせ
私は日本の研究現場の悲惨さについて、現場の生の声を伝える役目というのを、改めて確認させてもらいました。
「立ち会いは強く当たってあとは流れで」
出演のお話をいただいてからというもの、何度も脳内マサル会議を開き100パターン以上のシミュレーションを重ねてきて、この手の話題にはなんとでも対応できるように仕上げてあります。
もちろんキャンディーにまぎれてオンディーも入る憎い演出も健在です。
ディレクターさんからも「みなさん優しいし話を振ってくれるんで自由に話してください」と言われ百人力。
部屋を立ち去る前に「台本通り行くとは限りませんけどね」と言われましたが、生放送なんてそんなもんだと思っていたので、特に驚きもありません。
試合中の相手の成長を予想できないデータキャラはただのカマセです。
そんなこんなであっという間に出演時間が近づいてきました。
台本上では22時7分からの出演なので22時前にスタジオ入り。
スタジオ脇にある椅子に座るとなんとメイクさんがついてくれました。
口ひげ、あごひげあたりを重点的にファンデーションを塗られ、髪もセットしてくれました。
家出る前に髭剃ってきたのにまだ濃かったのか。。。
ずっとスタジオ脇で待ってたんですが、前のコーナーの議論が盛り上がってなかなか終わらず。
結局5分押しぐらいでコーナーが終わり、ついに私の出番となりました。
いざ本番
ピリピリしてるスタジオ
前のコーナーのゲストがはけていよいよスタジオ内へ。
パネリストのみなさんは短いCMの間、次の話題向けて情報収集をしているようです。
そこで「李です、よろしくお願いします」と軽い挨拶をしたのですが反応薄く。。。
もっと砕けた感じになるかと思ったんですが、全然そんなことはありませんでした。
いきなり感じるドアウェー感、もう帰りたい。
しょうがないので待ってる間は、3台あるカメラの位置をチェックしたりしてました。
完全に不審者です。
そんな不審者に対して、隣りに座っていた紗倉まなさんは優しく声をかけてくれました。
「よろしくお願いします。もしかして昨日、リプいただきました?ごめんなさい気づかなくて。」
当該リプはこちら
急にこんなリプが飛んできてもリアクションできないですよね、普通は。
しかも相手はフォロワー数37.6万人!
リプ一つ一つに対応している暇なんてないでしょう。
でも私が送ったリプを覚えててくれて「ごめんなさい」とまで言ってくれるなんて。
少しピリピリしたスタジオの空気を和ませてくれる、まさにマナティのような存在でした。
あー、マナティマジマナティ
この心遣いのおかげで緊張がほぐれ平常心で番組に臨めた気がします。
想定外など想定内の本番開始
さて本番の開始です。まずはVTRから。理研の雇い止めの話から日本の研究環境の悲惨さが浮き彫りになります。
VTR中にいつワイプで抜かれるかわからないので気は抜けません。
真剣にVTRを見つつ適度に相槌をいれます。
他の出演者さんも雑談なんか一切なしで真剣です。
このVTRで1つ目の想定外が。
なんとVTRに私が出演してるじゃないですか。
しかもこれは先日受けたヒアリングの時の様子。
確かに録画して、VTRに使うかもとは言ってたけど。。。
これには完全に面食らいました。
ディレクターさん相手だったんでかなりフランクに、大雑把にしゃべってたんですよね。
こんな様子が全世界に配信されると思わず、頭の中はPaniCrewです。
先程の平常心はどこへやら。
そうこうしているうちにVTRが終わり、CM明けからいざ質疑へ。
ここでようやく出演者の方と少しお話できました。
といっても、軽い挨拶程度ですが。
で、番組的に私の紹介に入ります。
私は「紹介されるときはカメラ目線で」というのを決めていました。
事前にカメラの位置はチェックしてたし、赤いランプが付いてると今写ってるカメラということも知っていました。
で、実際に紹介されたときの映像がこちら
。。。
いや、違う、これじゃない
なんだろもっとキリッとした顔で、まっすぐにカメラを見てたはずなのに
顔ももっとシュッとしてるし、もっと整ってるし、いつも風呂上がりで見る顔はこんなのじゃない。。。
絶望した!テレビ映りの悪い自分の顔に絶望した!
いや、こんなもんなんでしょうね、実際の顔も。
紹介のあとは想定話題に沿って議論が進みます。
うん、ここまでは順調。
このあと、台本上では私を中心に日本の研究環境のヤバさとか、なんなら政府批判とかまでしちゃうぐらいの勢いだったのですが、議論は研究者批判の方向に。
MC成田さんを中心に「日本の研究者は国に任せきりで、自分で金を取る努力を怠っている」「金のとり方が下手と」。
本日2度目の想定外。
マサル会議で想定できなかった101パターン目が現れました。
結局、自分も相手の成長を予想できないカマセキャラに過ぎませんでした。
この後、やれ大学のVCだ、と行った議論が続きました。
私は必死に「みんなが金を取れるわけじゃないし、研究って裾の広さが大事だからみんなが最低限研究できる環境が重要ではないか」とが出来たのが唯一の爪痕だったでしょうか。
それもなんか有耶無耶に。
みんなが盛り上がるとなかなか中に入っていけないんですね。
それを察してか、アナウンサーの平石さんは適度にこっちのアイコンタクトを読んでくれて話を振ってくれます。
司会者って本当にすごいんだなと脱帽。
平石さんは念能力の使い手みたいです。
私と同じ感想を持った人もいます。
これは本当にありがたかったです。
あとMCの成田さんは自分の意見を交えつつ、私が言いたかったことをうまく取りまとめてくれたし、マジ有能さを感じました。
テレビに出る人ってみんな頭の回転が早くてスーパーマンですね。
そうこうしているうちにあっという間に出演時間が終わりました。
あっという間でしたね、ホントに
話題についていくためにかなり頭を使っていたようで、スタジオを出たあとは一気に疲れが来て缶コーヒーがぶ飲みしてました。
退場後、控室でディレクターの方と今日の感想を言い合ったりしておしまい。
「李さんがリードして盛り上がってましたよ」と褒められました、えっへん。
社交辞令とか知りません。
帰りはリクライニングとフットレストがついたタクシー
芸能人って普段、こんないいもの乗ってるんや
反省会
というわけで、無事出演を終えました。
台本通りに進まなかったので、自分が想定していたことの半分も言えなかったと思います。
ただ「薄く広く最低限研究できる環境を整えてほしい」、「研究者(Ph, D持ち)が研究以外の世界にも出ていくべきだ」ということは言えたので満足です。
ただ、ボケる暇がなかったのが本当に残念です。
もっと小ネタを挟んで場を盛り上げようとしたのですが、そんな余裕はまったくなかったです。
「任期付きだとソウルジェムが濁る」とか「研究費がないと成果も論文出せずにポジションも研究費も得られない円環の理に導かれる」とか色々ぶっこもうと考えてたのになあ。
こればかりは場馴れするしかないのかな。
もっと現場の金ない話とか、任期付きの苦労話をしたかったなとは思いますが、これは次回にとっておきます。
みなさんの応援があれば次回もあるかも?