「ふざけるなゴメ公」【ダイの大冒険を語りたい 第24回】5/8(土)第31話+5/15(土)第32話
※Facebook用に書いたものの転載です。当初は友人や趣味の仲間向けに『ダイの大冒険』を知ってほしい、というつもりで書いた記事となりますことをご了承ください。
先週は感想書きをサボってしまいました。第31話「父と子の対決」あまりの大迫力で往年のドラゴンボールZを彷彿とさせましたね。(ドラゴンボールZは劇的に間延びしていた記憶があるので、ダイの大冒険の方がずっといい)ちょっとだけ入ったアニメオリジナルシーン(クロコダインの分など)も良かったです。我が子達はレオナのザオラルが成功すると思い込んでいたようですが果たして…。
第32話「父との決別」で決着です。いやー、バラン編は長かったですね。ダイが今やられんとしているところで、死んだポップが呪文を放つ場面が最大の見せ場でした。
「ふざけるなゴメ公ッ!たとえ…たとえ死んだって…おれは…おれは…」
「おれはダイを見捨てたりはしねえぞぉぉッ!!」
「ゴメ公」とは「先公」や「ポリ公」の流れを汲む言い回しでしょうが現在ではすっかり死語ですね。でもアニメ版でもちゃんと「ふざけるなゴメ公!」でした。
さて、40代のオッサンとして染みるのはバランのこの台詞です。
「いまさら…生き方を変えられん…大人とはそういうものだ」
この話を書いていた原作者の方は、この時期30歳そこそこ。すごいですね。若いのにこんな含蓄のある短い台詞を考えられるとは。これは、バランとダイが相打ちになった後、結局は和解できずに言った言葉です。一見頑固な大人の言い訳にも聞こえますが、そうじゃないんですね。大人が「今更生き方を変えられん」と我が子に言うのは、たいへん勇気の要ることですよ。だって裏を返せば「今までの自分の生き方は間違っていた」と告白しているようなものですから。バランはポップの、友を想う心の強さに打ちのめされました。そしてバランは、魔王軍には戻らない、お前と決着を付けるのが優先だ、とうそぶいています。つまりダイと再戦するまで人間を滅ぼすことを保留する、と宣言しているわけです。これははっきり言って生き方を変えてるんですよ。でも、父親というのは表立って我が子に間違いを認め、謝るというのはできないものです。特に人生の根幹を成す考え方の部分については。それで「いまさら…生き方を変えられん…大人とはそういうものだ」となるわけです。パワハラ・セクハラの何が悪いのか分からず叩かれているからとりあえず謝っとけ、の偉いおじさま方とは全く違います。これに対して、12歳のダイが言い返した台詞がまたいいです。
「わからずやーーーっ!」
「なんとでも言え…」
ダイはバランの真意が全く分かってない。そこが12歳らしくていいんですね。威圧的服従的な関係だったのが、頑固親父と思春期の息子みたいな親子になったようで。
『ダイの大冒険』はテレ東系で土曜の9:30ですよ~。アマゾンプライムやNetflixでも観れるらしいですよ~。