もうすぐ一人人工授精4回目
まもなく人工授精4回目。
1周期、お休みしている間に色々なことがあったものの、それが逆に良かったのか、一旦妊活していることも忘れてしまうくらい、ストレスのない日々を過ごしていた。
毎日が充実していたからか、noteを書く時間すらも取れなかった。
私はかつては常に緊張状態にある気質で、その体質から長年抜け出すことができずに、昔脳梗塞寸前にまでなったことがある。
だから、自分の気質のせいで、どんなライフステージでもストレスがない状況を作ることは不可能だと決めつけていた。だからストレスをなんとかあの手この手で発散したり、ストレスとうまく付き合っていく、という方法を考えるしかなかった。
ましてや、今年に入って、とても悲しいことがあり、長い間勤めていた仕事も辞めたし、なのに人工授精も3度失敗した。
よく妊活の一番の大敵はストレスだと言われているが、ストレスフリーは幻想で、現代社会でストレスをなくすことは無理だと思っていた。思いがけず自分に降りかかるストレスは自分では絶対にコントロールできないからだ。
そしたら、ストレスなく、過ごせる日々がある日突然やってきた。
何か特別なきっかけがあったということは何もない。
長いどん底期を乗り越えたからなのか、今年分のストレスを経験し切ったからなのか、なぜなのか全くわからないが、ストレスが本当になくなった。
ついでに自分を苦しめていた余計なプライドや意地のようなものも削ぎ落とされた気がする。
死にたいくらい辛かった自分が嘘のようで、「ストレス」という言葉すら忘れてしまった。
今のストレスといったら、暑いことくらい。
それだけで、今の自分がどれだけ恵まれているかがわかる。
わけもなくどうしようもなく辛くなって涙が止まらなくなったり、鬱っぽくなってしまう日が以前はどうしてもあったが、今はもう完全になくなった。
誰に何を言われても傷つかなくなった。
別に特段精神が強くなったとかそういうことは全くない。
ホルモンバランスが安定しているんだろうか。
ホルモンバランスが安定しているからストレスがないのか、ストレスがないからホルモンバランスが安定しているのかどっちが先かわからないが、とにかく世のご懐妊した女性たちが、妊娠できた時はストレスがなかった!と口を揃えて言っている中で、その状況は自分には絶対に訪れなくて、そういう人は前世で徳を積んできて、運がやたら良いだけなんだと思っていたけど、今の自分にはストレスが全然ないと胸を張って言える。
ある日突然そうなったから本当に不思議だ。
特に、愛犬を連れて、早朝にお気に入りのカフェに行って、外の木陰の席で、店内から漏れる音楽を聴きながら、最高に美味しい朝食をゆっくり食べる時間はこの上なくハッピーで、それだけで幸せを満タンチャージできる。
そこでわかるのは、私はとても単純で、自由が好きで、自分の好きな物を食べたり飲んだりすることで満たされて、そんな時に大好きな空間の中で、愛するわんこが自分の膝で寛いでいてくれれば幸せなんだということ。
今は(良い歳だけど)バイトのような仕事をしていて、注意されることもあるが、責任のない仕事だからとても気楽に仕事ができて、精神的な疲労を持ち帰らずに済むし、程よく肉体労働なので、いい感じに体も疲れていて、毎晩ぐっすり眠ることができる。
毎日好きな洋服も着ることができて、事実上はおばさんでありながらも、最大限可愛くいられて、自己肯定感も維持できているので、笑顔でい続けられる。
幸せとは虚像だと思っていたけど、忘れた頃に幸せって突然やってくるし、実感できるものなのだと思った。
それでなんやかんやであっという間にもうすぐ人工授精4回目となる。
飲む薬が多くなったからか、ストレスがなくなったからか、いつもより排卵が遅れていて、普通ならめちゃくちゃ不安だが、今は何も心配していない。
排卵を逃したら、今回は見送って、また次の周期で人工授精すればいいやとさえ思っている余裕な自分がいる。
これまで3回失敗したのであるが、そのおかげで人工授精の一連の流れに慣れたということもあり、些細なことで一喜一憂することがなくなったので、積み重ねてきた失敗もざらに無駄ではなかったと思う。
これまでの失敗の分析までできるようになり、私はこれまでの人工授精のタイミングが早すぎたのではないかと今では自分なりに推察している。
(私は海外に住んでいて、私の通うクリニックでは高額な金額を支払わないと超音波で排卵を確認してくれないので、私は排卵検査薬で自ら排卵を見極めるしかないという博打を毎回している。)
これまで長い長いリサーチ期間が取れたおかげで、タイミング法、人工授精、体外受精、顕微授精でアプローチすべき方法は全然違うということもわかった。なのに、世の中それらの情報は混在しているし、さらにもちろん年齢によっての違いや、個人差ももちろんある。
さらに、タイミング法のように1周期の中で何度もトライできたり、体外受精や顕微授精のようにある程度確実だったりすることもなく、人工授精は肉眼で確認することができない上に、1度きりのチャンスなので、最も狙いを定めるのが難しい方法だと思う。だから、成功率が一番低いのだ。
ましてや、高齢での挑戦である。それを運頼みしかないと言ってしまえばそれで終わりだが、ものごとには必ず理屈や理由があるように、運なのだとしてもその運の可能性を上げることは必ずできるはずなのである。
不妊治療はまだ未知数の部分が多く、お医者さんによっても見解が違うことも多い中でも、真実は必ずあるはずで、今後の医学の発展によって、未来では絶対にいつか完全なものになる日が来るのである。
だから、情報という情報に踊らされながらも、未解決事件を捜査する刑事のように、教科書に載っていない史実を見極める歴史学者のように、自分にとってのベストな妊活方法を、今では楽しみながら研究できるようになった。
(刑事や歴史学者が楽しみながら仕事をしていると言ったら怒られそうだが。とにかく、パッションは彼らと変わらないと思う。)
私が好きな英語の表現で"Feed your soul"という言葉がある。
北米では、生きていく上で、お金だけ稼ぐ人は魅力的ではないとされている。人生のゴールはお金を稼ぐことではなく、いかに"Feed your soul(自分の魂に栄養を満たす)"できているかどうかであるということらしい。
とても素敵な言葉だと思う。
Feed your soulする方法に定義はない。
やりたい仕事をしたり、夢を追いかけることだけでなく、質の良い睡眠をとったり、大好物を食べたり、大好きな人と会ったり、趣味に打ち込んだり、動物と戯れたり、なんでもいいらしい。とにかく自分の魂に惜しみない栄養を与え続けている人が素晴らしいのだそうだ。
魂が満たされていれば究極お金は必要以上にいらないし、逆にお金だけ稼いでいても、魂が満たされていなければその人の中身は空っぽであるということである。
充実した毎日を送ることで、日々がキラキラとし出し、自分自身も輝くことができ、その自分の煌めきが、他人にも眩しい光となり、他人も影響され、その人もその人自身をFeed your soulするようになり、それによって、プラスでしかない地球の循環ができる。
そうやってストレスフリーは自分だけでなく、周りの人にも広げることができるかもしれない。
話がそれてしまったが、到達不能であると思っていた、ストレスがないという境地に、あらゆる困難を乗り越えた先に、やっと辿り着くことができた。
今はストレスがないおかげで、絶好調なマインドになっているので、このままのフローで、この世の生きとし生けるものに感謝しながら、優しく穏やかな気持ちで4回目の周期を迎えたいと思う。