こだわりスカーフ

物事に熱中し、半歩前に進む。好きなことを好きなようにつらつらと。

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よふかしのうた

暦、日付の概念はよく出来ているなぁと思う。 太陽が昇っている時間に活動して、月の光の中で眠りにつく。動物の本能を人間なりに可視化したものが暦や日付なんだと思う。 考えすぎてしまう自分にとって、夜は友であり、敵である。 夜が一日の区切りとして染み付いているせいで、「あんまりだった」一日を寝ることで区切ることができない。 だから、寝付けない。天井だけをずっと見つめる無の時間に耐えきれずに、布団から出てしまうのだ。結果寝不足。 今は特に朝起きることを目標の一つにしているので、

    • 私たちのもの。映画『ルックバック』を観て思ったこと

      机に向かっている。今日は久々にゆっくりと研究に没頭している。 目の前には分厚い研究書が開かれている。やっと半分を読み終わったところだ。この本を読み終えたなら、新しい論文に着手しようと思う。 とはいえ。少しくたびれた。 栞を挟み、本を閉じる。 そして大きく伸び。腰もストレッチ 振り返ると、本棚が見える。 その端に立てかけられているのは、『ルックバック』。 そういえば、映画を観てきたばかりだ。 感想をNoteにまとめながら息抜きをしようと考え、現在これを打ち込んでいる。とり

      • ヒーロー見参!

        好きな漫画は何か、と問われると、いつも『ピンポン』の名前を挙げてしまう。 あの漫画には、ライバル関係の尊さが詰まっている。 人は一人では生きられない。 スマイルの抱える思いは、そんな綺麗事で表すには勿体無いほどに深い孤独であるが、『ピンポン』という作品に松本大洋が込めた何よりも普遍的なテーマを象徴しているように思われる。 それをヒーローに例えるというのも、なんとも松本大洋らしい。 ライバルとはヒーローなのだ。 誰かが自分の前に立って、サーブを打ち返してくれることで、人

        • Constitution

          最近、小学生の子達に「憲法」について教える機会があった。 何から説明しようかと考えた時に自分の口を衝いたのは"constitution"という英単語だった。 小学生には、ちょっぴり馴染みがないかもしれないが、"constitution"は「憲法」と訳されることが多い。これを読んでいる人の多くはきっと中学生くらいの時に、英単語帳の中で、この単語に出会う。 おそらく自分も出会いはそのくらいだったと記憶している。 ただ、強烈にこの単語を意識するのは高校生になってからのことであっ

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        よふかしのうた

          旅の恥はかき捨て

          イタリアはトリノという街に勉強半分遊び半分といった旅に来ている。 今日は最終日。明日は空港に向かって、これを書いている明日のこの時間にはきっと飛行機に乗って空の上だ。日本に戻る。 たびは ついに おわりを むかえる 今年に入って二度目の旅だった。一度目は春、パリに行った。 一人で海外に行くのは初めての経験で、どうしたらいいのかわからないことも多くて、100パーセント楽しめたわけではなかった。 むしろ、不安と挫折の方が多い旅だったと思う。 パリは巨大で、華やかで、そして人

          旅の恥はかき捨て

          私たちは走り過ぎていた

          夏休みに入ったので、少しばかり時間ができるようになった。 なので、1年ぶりくらいにNoteを再開しようと思う。人間は1年も経つとほとんど別の生き物になるので、生暖かい目で読んで欲しい。 自分は海外サッカーが好きで、特にマンチェスター・シティのペップ・グアルディオラ監督の大ファンだ。 ペップは卓越した戦術眼や傭兵術、選手の鼓舞に至るまで、様々な能力に優れたまさに現代サッカーの巨人だ。名将の率いるチームとは自然と魅力的なサッカーをする。 とはいえ、そんなことを言いたいわけで

          私たちは走り過ぎていた

          血に勝るもの

          凄い歌詞だなと思う。 星野源の『喜劇』。 こういう表現を積極的に使っていこうとするのはとても良いと思うし、捻り出したのだとすると、それはそれで流石源さんって感じだ。 自分は家族に不自由したことはない。 家庭環境は至って健全で、両親がいて、祖父母との仲も良好。20数年間、愛もお金も、うんとかけてもらえた。 だから、これからする話は全て共感ではなく、想像の話。 教育機関の利点は、様々な人間がごちゃ混ぜになって交流することにあると思う。そうやって、様々な人間と交流し、他者

          ウルトラマンと私

          また久々にnoteに帰って来れた。 本当に忙しいと、余計なことを考えている暇もないことを痛感する。余計なことってのは少し言い過ぎかもしれないが。 さて、シン・ウルトラマンを観た。 観たが、考えることや思うことが多かったので、ここらで決着することにしよう。ネタバレ御免。 まず、大絶賛ではない。 小賛くらいだ。 面白い場面は多数あったし、ウルトラマンを現代に蘇らせた点で、とても上手いなぁと感じた。特に赤線が入る前のウルトラマンのデザインは絶品で、口の気味悪さとても良かった。

          ウルトラマンと私

          人にやさしく

          ちょっぴり本業が忙しくて、書くものが多かったので、noteはお久しぶり。 まあ、自分のリフレッシュも兼ねてやっているので、マイペースで更新できたらなぁと思う。 ちょうど昨日、夜帰りのバスを待っていて、ふと隣を見るとなんだか見覚えのある顔が。高校の演劇部の先輩、M先輩だった。 思い切って声をかけると、先輩は一瞬訝しみながらも、自分のことを思い出したのか、嬉しそうに「おお!」と声を上げた。 そこから帰り道、隣に失礼して、積もる話をしながらバスでの時間を二人で過ごした。 先

          動け、不幸せ

          昔から創作をするのが得意ではない。 登場人物を作り上げるために、その人の背景を紙に書き出していくが、全てが「役割」にしかならない。自分には誰かの人生を作り出すことができない。 誰かに創作物を読んでもらった時、決まって言われるのは「全員君だね」。 仕方がないことだ。誰かの人生を創造できない人間には、自分の人生の模倣を登場人物に無理やり詰めて、なんとか動かすしかない。 生まれてから一度も、自分の描いた人物が勝手に動いたことはない。 人物が動くために必要なのは、そいつが「不

          才能がある、についての考察

          人はすぐ「才能がある」とか言う。 そういう人は多分、自分に「才能がある」とは思っていない。 自分は「才能がある」とは言わない。 自分は「才能」について、「使うもの」であって、「気づくもの」であると思っている。 才能は目には見えないし、一目で「ある・なし」なんか判断できない。 誰かの才能に気づくことのできる人間はそいつに負けた人間しかいない。 自分の才能のなさに気づくことのできる人間もまた、誰かに負けた人間しかいない。 誰かに勝ったとしても、自分の才能に気づくことはない

          才能がある、についての考察

          ここ数日の出来事について

          いやー。参ったなぁ。 参ったって感じだ。 これを打っているのは2022年2月25日。 読んでいるあなたは、いつを生きる人だろう。 ここ二日ぐらい具合が悪い。眠れない。 何も頭に入ってこない。ただ、悶々と考えている。 たった一人の人間がこの世界についてものを考えるのは、多分愚かなことなんだろうなぁと思いつつ、考えて、考えて、あと数十年くらいはこの世界で生きなきゃなという思いに落ち着いたんで、これを書こうと思う。 国際政治がどうだとか、情報戦がどうだとか、民族由来の土地が

          ここ数日の出来事について

          こころと読書

          えらそーな文学批評ができるわけじゃないんだけど、今日は夏目漱石の『こころ』の話。 高校2年生の時、夏休みの宿題で『こころ』の読書感想文が出た。多分、みんな経験するであろう恒例行事だろう。 あまり本を読む方ではなかったので、純文学はどうもとっつきにくかった。 なんだか、うじうじと考えてる人間ばかり出てくるし、明らかにわざと読みづらくしてない?という文体をしていたためである(今になると、漱石の文章がいかに現代人にも浸透する力を持っていたかを思い知る)。 途中まで読んで、パ

          新内眞衣とオールナイトニッポンと

          どれくらいの人が新内眞衣を知っているだろうか? 乃木坂46。言わずと知れた国民的アイドル。知らない人などいない。 現在のアイドル文化を表舞台で牽引するこのグループの中心の、だけれど端の方に、彼女はひっそりと、そして堂々と自分の居場所を持っていた。 彼女を知ったのはちょうど六年前。自分は受験生であった。 受験生で心的に健康な者など存在しない。自分は特に受験に狂っていた。 勉強は上手くいかず、教師とも対立し、やがてその悶々とする気持ちを友人たちにまでぶつけた。 夜が怖かった

          新内眞衣とオールナイトニッポンと

          人を嫌いになる人

          この世には二種類の人が存在していると思う。 「人を嫌いになる人」と「人を嫌いにならない人」だ。 自分は全くもって前者である。 直さなくてはと思うのだが、なかなか直らない。 今、この瞬間にも、顔も見たくないほどに憎んでいる人がいる。 なぜ、人を嫌いになるのだろう?と考えると、それは「関わる」からだろう。その人と話して、意見がぶつかって、利害がぶつかって、相容れないと判断してしまう。 そして、「自分を優先」してしまうのだ。翻っていえば、誰かを阻害しても「自分を優先」するだけ

          人を嫌いになる人

          『鎌倉殿』が始まったので、あえて今『真田丸』を語ってみた。

          大河ドラマ『鎌倉殿の13人』がスタートした。脚本は三谷幸喜。 第1話の印象は端的に「脚本が上手い」。 雪崩のように提示される源平合戦の英雄達、主人公を取り巻く身内関係、とにかく多い登場人物を一つの表情、一つの台詞でさらりと紹介していく。その手際とテンポの良さに脱帽であった。 これからの展開に期待である。 さて、今回は同じ三谷大河『真田丸』について語ることとする。 自分は大して三谷フリークではないが、こと『真田丸』については生涯の一本に加わるほどに好きな作品なのだ。 『真田

          『鎌倉殿』が始まったので、あえて今『真田丸』を語ってみた。