見出し画像

2023下半期

金曜の午後に、土曜の小学校の学校公開が中止となった。
インフルエンザの大流行により、欠席者が学級閉鎖ギリギリの飛行を続けているという事情からだった。週の初めにインフルエンザ大流行の話を聞き齧り、その前の週に新型コロナに罹患し、体調を崩したばかりの次男の調子が戻るのを待って急いで週半ばの水曜に予防接種を受けに行ったのだ。あの時、動いておいてよかったと、中止の連絡を受けてなお、私は自分の行動を少し誇ってさえいた。
その週末には、学校公開の後に私の親が連れ立ってこちらまで遊びにくる予定があり、授業を終えた孫を見せつつ、母親と2人で舞台観劇をするという大きい予定があった。翌週の土曜には別の推しのライブがあり、その翌日の日曜からは、今度は夫が海外へ出張へいく。諸々の予定が立て込んだこのタイミングでことが起こるのだけは避けたかったが、起こるときはなんだって起こる。

帰宅した子供達を連れ、予約しているホテルまで遊びに向かう。なんとなく次男の元気がないような気がするが、熱が出ているわけでもない。たらふくケーキを食べ、親と楽しく過ごし、翌日も体調が崩れることはなく元気そうであり、私は観劇に向かい、久しぶりに母親と二人きりの時間をとても楽しく過ごした。

翌日も発熱もなく、学校へ無事登校し、土曜の元気のなさを少し忘れていたところに、五時間目を終え帰宅した次男から
「今日、体育の前に体温測ったら37.7度だったから、体育休んだ」
と報告を受ける。
体育は2時間目なのに。給食食べて、5時間目も受けて帰ってきたのだ。何があっても対応できるように待機していたが、学校からの連絡があったわけでもない。
そりゃ、クラスでインフルンザ流行るだろうよ。
その後しっかり発熱した次男と私たち家族の「誰も感染してはならぬゲーム」の開始である。
インフル次男と常に一緒に過ごすとしても、週末のヒョンジンくん(スキズのライブ)のためにインフルを発症することはどうにか避けたい私、海外出張の為に私からホテルへの避難指示が飛びインフル絶対回避の夫、急遽初めての一人部屋での就寝を課せられ思ったより満喫することになる長男、一人では寝られない僕はまだ子供だから…と嘆くインフル次男。
予防接種直後だからか、症状はコロナの時の方が辛かったようで、丸三日がすぎ症状がなくなると、存分にニートの暮らしを満喫していらっしゃった。
一方、インフル次男と同じ部屋で寝ていた私は、正直、今回のヒョンジンくんは見にいけないだろうという諦めが心の大半を占めていた。実際、ヒョンジンくんのライブ前に参加しようと考えていた他のアイドルのリリースイベントへの参加券は早々に諦め人に譲ってしまった。(あんたヒョンジン見る日に、他のアイドルも見に行こうとしてたのかい、おいおい、お笑い草だね、どんだけアイドル好きなん…という意見は本当に一字一句その通りなので、全然こっちに伝えてこなくて大丈夫です)
最近のライブのチケットにはリセールシステムがあるものが多く、スキズのチケットも前日までリセールに出すことができる。取引が成立すれば、システム上でチケットの送還や金銭のやり取りなどが全てできるわけだ。そのリミットが金曜の夜。私が発症しなければ、長男が発症しなければ、次男の調子が悪くなければ、夫が避難先から帰宅し5時間ほどのバトンタッチが叶えば、見に行ける…満たさないといけない条件多くないか…だが、リセールへの諦めがつかず、どうしよう…と思いながらリセールリミットを私は超える。
行けなくてもいい、でも気軽に譲れない…だって、見たいんだ、これを逃したらもう見られないかもしれない…少ない確率に賭けたいんだ…

結果、私は全ての賭けに勝ち、ヒョンジンくんを見にいった。
綱渡りだった。

席はなんだかとても見やすい席で、トロッコで外周を回ってくる彼らに思う存分手を振り、ファンサは貰えずとも、人間の距離で彼らを目視することが叶い、1人でのライブ参加を終え誰かと語りたい!!!と思い、ずっと会いたかったオタクとも会えて語れ、とてもとても全て楽しく、帰り道に見上げた空に浮かぶ月にも感動するほど(サムネイルの月)、全てが感性に充ち、ああ、とても良かったと、心底染み渡る一日になった。ここまで呼吸出来ないほどフルスロットルの3週間を終え、明日夫が無事、出発出来れば、この一年の締めくくりにようやく入れる。
年末の怒涛のライブ予定も、インフルエンザを乗り越えた今、行ける気しかしていない。いい風なら、吹いている。


翌日、夫は無事出発し、しばらくすると出張先から
「蚊に刺されたから、マラリアを発症するかも…」
と連絡を寄越した。


マラリアは、1ヶ月間は発症の危険がある。

再び突如として、
「夫よ、どうにか絶対マラリア発症するなよゲーム」の火蓋が切って落とされた。


結局、夫はマラリアを発症せず、私は無事怒涛の年末のライブ参加を終え、夫は再び海外出張に行った。

これが、出張ばかりする夫と、ライブばかり行く私の下半期のまとめである。

年末まで無事に過ごせますように…


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?