
ライトレ ③「具体例」編
今回は「具体例」です。
「For example だけじゃないの?」
と思うかもですが(そして For example で大抵は乗り切れますが)、他にも便利な表現があります。
具体例は、「自分の言いたいことをサポートする」ための強い味方。
たとえば、「夏っていいよね」と繰り返し言うだけでは説得力が薄い。
そこに具体例を追加することで、話を分かりやすくし、臨場感をもって相手を説得できます。
「夏ならではのアクティビティがあるよね、海で泳いだりサーフィンしたり…」でもいいし、
「学生なら長期の夏休みを使って旅行に出たり…」という具体例も効果的かもしれません。
では早速いきます!
◆「たとえば」の代表選手2名
◆For example,
◆For instance,
「代表選手2名」といっても、使用頻度では For example の圧勝です:

辞書では両者の違いが説明されていたりしますが、
実質的には大きな差異はないようです。
たとえば The Britannica Dictionary のページでは、
・両者にほぼ違いはない ("very little difference")
・for example の方がずっと使用頻度は高く、
academic writingではfor exampleの方が安全なチョイス
と説明されています。
なお、文頭で使うことを想定して "For example," と書きましたが、実際には文中・文末でも使われます。
試しにChatGPTに例文を作ってみてもらうと:
Reading books, for example, improves vocabulary and enhances imagination for personal development.
ただ、ミスする可能性も高まるので、慣れていない場合はまず文頭で使うところから練習を始めるのが良いと思います。
◆シンプルに具体例を列挙したいとき
ライティングを添削していると、このような答案によく遭遇します:
[よく見る答案例]
People have different hobbies. For example, skiing, dancing, and singing.
1文目はOKですが、2文目が気になります。というのも、これは「文」というよりも、「名詞の羅列」という感じですよね。
もちろん、わざと標準的でない文を作っちゃうことだって、あるにはあります。
例)
The answer? No.
そして、場合によってはとても効果的な表現手法。でも、上の[答案例]の2文目は、特にそういう効果を狙っているわけでもなく、「あれ、この文、名詞が並んでるだけでは…」という印象を与えるだけです。
こういう場合、まずは
(i) For example, を使って2文目もしっかりSVで書く
という手があります。
[パターン1]
People have different hobbies. For example, some often go skiing, while others love dancing.
( ↑ some は some people ということ)
しかし、分量が長くなりがち。そこで、
(ii) 単純に名詞を羅列するのに such as 等を使う
という別の手が登場します。
[パターン2]
People have different hobbies, such as skiing, dancing and singing.
こうすることで、シンプルに名詞の具体例を挙げることができます。
また、末尾で「~など」と表現したければ、
[パターン2']
People have different hobbies, such as skiing, dancing, singing and so on.
のように
◆ and so on.
◆ and so forth.
を使うのもあり。
【補足1】
具体例を挙げるのに「~のような」を使うとき、
such as の他に like も思い浮かぶかもしれません。
両者は非常に似ていますが、少し違いがあります。
例えば
I want you to visit some Asian countries, like Indonesia and Singapore.
といったとき、必ずしも「インドネシア・シンガポールの2ヶ国を必ず含めて訪れてほしい」と言っているわけではなく、アジア諸国のたとえとして挙げています。
他方、
Tim visited some Asian countries, such as Indonesia and Singapore.
なら、Timはインドネシア・シンガポールの2ヶ国は実際に訪れています。
…こうした違いはありつつ、どちらを使ってもOKというケースが多い印象ではあります。
(参考: When to Use “Like” vs. “Such As” [英語] )
【補足2】
「Oを含めて」と言いたいときは including O もありますね。
◆補強する "in fact"
◆in fact (実際)
も、自分が述べた内容を補強するために使えます。
Collins Online Dictionaryでは、述べたばかりの内容に関してより詳細な情報を付加する合図として in fact を使うと説明されています。
ChatGPTに例文を作ってもらうと:
Regular exercise is crucial for maintaining a healthy body. In fact, engaging in activities like jogging, swimming, or yoga can significantly improve cardiovascular health.
(*cardiovascular 心臓血管の)
「健康な身体のために定期的な運動は不可欠」
→「実際、ジョギング・スイミング・ヨガなどは…」
という流れで使っていますね。
ただし、for example よりは出現頻度は下がります(下の方で紹介するグラフ参照)。
in fact は、いつでも前述の内容を強めるために使われるわけではなく、むしろ否定したり修正したりするのに用いられることもあるので、そこもおさえておいてください。(~~, but in fact, ~~. みたいな場合など)
◆頻度は下がるillustrate系2つ
◆ To illustrate (O),
◆ As an illustration (of O),
illustrate
「挿絵を入れる」
+「説明する、例証する」、
illustration
「挿絵」
+「説明、例証、(実)例」
↑
日本語だと「イラスト」で馴染みのある単語ですね。
どちらも
(Oを示す・Oの)例を挙げると、といった感じの表現ですが、
for example 等に比べて出現確率はぐっと下がります:

単語の意味通り、前述の内容を例証するような内容を用いるときに使いましょう。
ChatGPTによる例文:
Bicycles are a popular mode of transport. To illustrate, they don't produce pollution like cars do.
◆具体例を一般論に戻すとき
上で使用頻度が低いと述べたillustrateですが、
今度は "This example [ ]" という形のとき、[ ]に入る動詞ランキングを調べてみます。すると…

is が最強なのは良いとして、第3・4位に注目。
◆ This example illustrates ~
◆ This example shows ~
なんと、illustrateが上位入賞を果たしています。
これらはどちらも、具体例を述べたあとに、一般論に戻すときに使われていることが多そうです。
「私はサッカー部に入って、チームメートと協力して行動できるようになりました」
↓
「この例は、スポーツが対人スキルの向上に非常に有益であることを示しています」
といった感じ。
まず【一般論】
→それをサポートする【具体例】
で終わらせることも多いですが、
語数が長めにとれるライティング問題なら、
まず【一般論】
→それをサポートする【具体例】
→そこから再び【一般論】へ戻す
という流れにすることもあって、その際には上の表現が使えます。
もっとシンプルなのは、
◆ Like this, (このように)
ですね。
個人的に好きなのは、
◆ As can be seen from this example,
(この例から分かるように、)
です。ちょっと凝った表現。
複数の例を述べた後なら
These examples illustrate/show ~
(※動詞のsをトルのを忘れずに)
とか
As can be seen from these examples,
に。
◆まとめ
◆ For example,
◆ For instance,
◆ such as ~
◇ like ~
◇ including ~
◇ ~ and so on.
◇ ~ and so forth.
◆ In fact,
◆ To illustrate (O),
◆ As an illustration (of O),
◆ This example illustrates ~
◆ This example shows ~
◆ Like this, ~
◆ As can be seen from this example, ~
今回も、あんまり紹介する内容は多くないかもなと予測していたのに、書いてみるとなかなかのボリュームでした。
いろいろ書きましたが、悩んだら基本的には For example, でなんとかなっちゃいます。が、他にも表現の幅を広げたい人は参考にしてください!では!