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憧れをコピーペーストして生きていたら、編集できない部分が自分だって気づいた話


この「憧れをコピーペースト」ってフレーズ、めちゃくちゃ素敵ですよね。

雑誌に出てくる女優さんやインスタのキラキラ女子への憧れから、同じものを買ってみたりすること、誰しも一度はあると思います。
それをあらわしたくて、私が寝る間も惜しんで考えたフレーズです。
嘘です。これは親友から教えてもらったバンド、
ハンブレッダーズさんの「東京」という曲に出てくる歌詞、

憧れをコピーペーストしたって
誰にもなれない僕がいた

東京

を私がコピーペーストさせていただいたものです。
めっっちゃいい歌詞だよね。一瞬でもフレーズ泥棒してごめんなさい。

私は自他共に認めるミーハー&量産型です。
化粧品は@cosme上位のものから買っていくし、「これ使ったらお肌ちゅやんちゅやんになった🥹」って投稿を見たらすぐ阪急百貨店に走ります。その「物」が欲しいんじゃなくて、「憧れの人に1ミリでも近づいた自分」を求めて、少ないお給料からお金を払います。

学生の頃は、そうやって少しずつ持ち物や格好をコピーペーストして東京にいけば、私もキラキラできると信じて疑いませんでした。脳内で描く大人になった私はなぜか、石原さとみみたいな顔面で、長い脚にヒールを履いていたような記憶があります。実際は幸薄顔でコンパクトな御御足にスニーカーなのにね。


そんな憧れを抱いて社会人になった私は、初任地で横浜に配属していただき、週末は東京に繰り出す日々を送りました。
うさぎオンライン系の服を着て、なけなしのお金でセリーヌのラゲージを買い、表参道で髪を切る。

憧れを少しずつ取り入れていったら、いつかキラキラ女子になれるかな〜って想像しては、恵比寿ガーデンプレイスや表参道ヒルズで撮った写真をみて、「なんか違う…」と思って、またコピーペーストできる部分を探す毎日。

本当は体力もないし、人酔いするから都会はあんまり好きじゃなかったし、セリーヌのバッグは私にはちょっと重たかった。でもそんな自分の本音から目を逸らして、いつしか自分が本当に好きだったものがわからなくなってしまって、体調を崩して、私は関西の実家に戻ってきました。

そして、東京の歌詞は、最後こう締め括られます。

東京にきてわかった
僕が本当に本当に願うのは
ド派手な成功じゃなくて
お金や権力じゃなくて
君と朝ごはんを食べることさ

東京

私も、「僕」と同じです。

横浜に行ってわかったんです。
私が本当に本当に願うのは
キラキラなインスタじゃなくて
持ち物や場所じゃなくて
大好きな人たちと、家族と、いつものお店で美味しいものを食べてケラケラ笑いあうことなんだって。

でも!だからといって憧れをコピーペーストしてきた自分を否定するつもりもないし、これからもコピーペーストをやめるつもりはないです。

ミーハーと憧れは止められないからね。

ただひとつ忘れないようにしたいことがあります。それは「私」が憧れているものを真似することは、「私」が「私」を好きになるためのひとつの手段にすぎないこと。

コピーペーストできない、編集不可能な部分にある、心の真ん中の固いところ。人酔いしやすいところや、お上品なお店より、酸欠になるくらい友達とお喋りできるお店が好きなところ、重たいブランドバッグよりも肩が凝らない軽いバッグが好きなところ、かわいいジェラピケよりガンガン洗えるGUのパジャマばかり着てしまうところ、高級ホテルより変なホテルが好きなところ、そんな、キラキラしてない自分を憧れの誰かのコピーペーストで上書きしてしまわないように、ちゃんと愛して生きたいなと思うのです。

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