秋きのこの花形*ハナイグチ
秋のきのこシーズンまっさかりに出てくるハナイグチは、とても人気のあるきのこです。少し知識がある人にとっては似たきのこがないので同定しやすく、また一度にたくさん見つかるきのこだからです。
ハナイグチはカラマツに出るので標高が高めの場所でしか見られません。
姿もぽってりとしてかわいい!傘は雨に濡れるとぬめりを帯びます。その姿もつやつやで美しいです。そしてしっかりとしたツバを持ちます。
イグチにはツバがある種類が少なめですから、このような特徴が同定を容易にしているんですね。ハナイグチはカラーリングも独特で、一度見たらすぐに覚えられると思います。
基本的には赤茶色の傘なのですが、こんな風に黄色いタイプもいます。日本では黄色型はややレアです。それなのに世界的には黄色型が多いらしいです。なぜだろう。
傘の縁にツバの名残りがつくことが多いです。これも特徴的ですね。
これは若い個体なので管孔がとてもきれいです!ハナイグチは虫の入りやすいきのこなので、裏返して管孔を見るとギョッとすることもありますので、心して管孔を覗いてください。
ハナイグチは別名の多いきのこで、ジコボウ、リコボウ、ラクヨウ、などさまざまな地方名があります。きのこ大国の長野では特に人気があります。長野では似たなかまのシロヌメリイグチ(色が白い)などもまとめてジコボウなどと呼ばれているようです。
栃木のチチタケ人気のことを紹介しましたが、土地によって人気のきのこが異なるのはおもしろいですね。たくさん採れるというだけでなく、地理や歴史文化にも影響がありそうです。
チチタケの記事はこちら↓
9月は低地ではまだまだ夏の名残がありますが、標高の高いところではハナイグチなどが出始めすっかり秋のようです。ハナイグチは10月いっぱいは見られるきのこですので、標高を変えながら探せば長く楽しめますよ。