きのこ散歩*2021/9/23高尾山とその周辺
高尾山にカエンタケ発生中!の通知を見て、毒きのこが大好きな私は休日に出かけることにしました。
情報の場所へ行ってみると、さっそく注意喚起のポスターが。カエンタケに会うのが楽しみです!
カエンタケは内部の汁に触るとかぶれると言われており、また誤って食べると死亡する可能性もある、猛毒中の猛毒菌です。
しかし、実際には公園等で発生したカエンタケによる被害は報告されていないらしく、食中毒も少ないきのこなのです。その理由のひとつは、過剰に恐れられて駆除されてしまうからではないかと考えています。個人的には学習のためにも注意喚起しつつ残しておいてほしいなと思います。東京都では指定がないものの、神奈川県では準絶滅危惧種で、本来珍しいきのこだからです。
カエンタケの食中毒は2020年8月に発生しましたが、きのこクラスタの間ではかなり話題になりました。この事故の前は1999年まで遡らないと事例がないからです。それほどカエンタケの食中毒は少ないのです。
というか、どう見てもおいしそうには見えないし、普通のきのこ形でもないし、なぜこれを食そうと思ったのか!?という方向へのざわつきです(笑)
ともあれ、私は過去に1度しか出会ったことがないカッコイイカエンタケに会うべくわくわくしながら進みます。
……。
……あれ?
カエンタケ、いないじゃん!!!
もしくは誰かが駆除してしまったのかな?高尾山は動植物菌類の保護区なのですが……。新たな発生がなくても、古くなったものが残っていてもいいはずなんだけどな。
すてきなカエンタケの写真撮りたかったな。ガッカリ。
しかたがないので、気を取り直して他のきのこ探しに行きましょう。特にお目当てのきのこはないんですが、9~10月は一年の中でも最もきのこが多く発生する時期ですから色々見られると思います。人が多いところは嫌なので、高尾山周辺のマイナーな場所へ行くことにします。
大量に発生した灰汁色の不明菌を撮影中にタイミングよくザトウムシが通りました。マクロの世界ってこういうことがあるから楽しいんですよね!
ウスヒラタケ。ヒラタケのなかまで、ヒラタケより薄っぺらく色も薄いきのこです。ヒラタケは寒くなり始めてから出るのに対し、ウスヒラは気温が高い時期に出ます。
遠目に見て真っ赤な姿をカエンタケと見間違えた、ベニチャワンタケのなかま。チャワンタケは種類が多く、図鑑に載っていないものも多いので難しくて同定できません。
かわいいヒイロベニヒダタケ、を撮ろうとしたら謎の黒いフサフサがいます。誰だ、君?
twitterで聞いたら、クロヒメオニタケに似ているとの情報が!とっても珍しいきのこのようです。会えてラッキー!場所覚えておいて、来年また見に来よう。
これは、白っぽいけどクサウラベニタケかもしれません。ヒダがピンク色を帯びていて、柄をつまむと中が空洞になっていました。ウラベニホテイシメジやハタケシメジなどと間違って採り、中毒することが多い毒きのこです。
スンッと立っているおかしなきのこ。カラカサタケです。
人の少ない場所と言えど、さすがの高尾山ですからすれ違う人も何人かいます。でも、目立つカラカサタケに誰も気づいていない。それほど一般の方にはきのこの姿が見えていないのです。
繰り返して言っておきますが、高尾山とその周辺は動植物菌類の保護区です。許可を得た観察会以外では、絶対にきのこを採取しないでくださいね。
保護区であるからこそ、多様なきのこが観察できる貴重な場所となっているのです。
ずっとこの自然が守られていきますように。