番外編*きのこ観察山歩きは登山にあらず
☆今回は文章がメインです☆
いつもより長文ですのでお時間のある時にお読みください!私のきのこ観察に対するスタンスをダラダラと語っております。個人的な所感なので、これが正解というわけではないことをご承知おきくださいね。
「きのこ観察が趣味で休日は山へ入ります」
と言うと、登山が趣味の人を紹介されて「一緒に登りなよ!」と言われてしまうことが多いんです。実際にきのこ観察をしたことがある人ならわかると思うんですが
「無理!!」
の一言でお断りします。(実際にはもっと柔らかい言い方ですよ、一応ね)
なぜ登山者と一緒に山へ行けないのか?
きのこを探すためにゆっくり歩く
きのこを見つけたら立ち止まる
きのこを見つけていなくても立ち止まる
きのこを見つけたらじっくり観察して動かない
きのこを見つけたらじっくり撮影する
ピークを目指さない
森林限界より上に興味がない
杉林でテンションが下がる
展望が悪くジメジメしたところに行きたい
きのこがなければ歩く場所を変えたい
などなど。
とにかく登山の醍醐味である展望や爽やかな景色に目もくれずに、下ばかり向いてのろのろ歩き、ときには寄り道し、這いつくばり他の登山者に怪しまれ。登山を目的としている人にはお荷物なことこの上ないと思います。
あ、一応景色のいい場所も喜びますよ!通りがかればね。
パーティで登山するならメンバーは離れ離れになってはいけないのがセオリーですが、きのこ観察していると確実にはぐれてしまいます。
ひとつのきのこ観察で10分とか場合によってはそれ以上、平気で同じ場所で過ごしますから、ほとんど距離も稼げず、目的地に時間通りに着くことなどありません。
タイムレコードを競うような登り方をする方でなくともイライラして仕方がないはずです。
それでも一緒に山へ行ったとする
もし登山者ときのこ屋が一緒に山へ入ったら?と仮定してシミュレーションしてみましょう!
***
登山趣味の同僚に誘われて山へ行くことになりました。一度は断ったのだけど、どうしても同行者が見つからず単独登山は嫌だと言う。そこはきのこがたくさん出ることでも有名で、自分もひとりで行くつもりではあったから、きのこ観察させてもらうけどそれでもいいなら、と前置きした上で承諾。
当日。出発!
相手がきのこに興味がないのに気を使って、よほどの美菌やレア種や好きなきのこ以外では立ち止まりません。
撮影しても特徴を捉えられる2〜3枚を撮影するだけにとどめなくてはいけません。早くしなければと焦る。山の中は薄暗いですから、手ブレ写真大量生産で消化不良になりだんだん気分が落ち込みます。
あー、もっとゆっくり観察したい!さっきのきのこのところに戻りたい!待っていられるの苦痛!
一方の相手はきのこに興味はないけれど、きのこを見つけたら教えてあげようと気をきかせます。
でもきのこ目を持っていない一般の方が見つけるきのこはサルノコシカケ型の硬質菌や目立つけど写真映えのしない普通種。しかも虫食いや古すぎて崩れかかったものなど。きのこ好きの反応も「ああ、よくいる◯◯タケね、あんまり状態よくないね……」などと鈍い。
せっかく教えてあげたのに。しかも自分が見つけたきのこと何が違うのか、気持ちの悪いやつに時間をかけて撮影している。
時間押しているのに!同じようなきのこばかり撮って!早くして!計画通りに歩かないと!
行動できる時間がどんどん少なくなる。
きのこ好き→下山すればいい。
登山者→ペースを上げて山頂目指したい。
揉める!まとまらない!
***
ね?お互いイライラすることがわかっているのです。
私のように、きのこをかわいく撮りたい勢は、レンズ交換したり撮影データチェックしたりライティング考えたり三脚使って撮ったり、本気で撮る時はものすごく時間をかけて撮ります。(撮影をしない菌友さんと一緒の場合は同士でも遠慮して短めにしますけどね)
きのこ観察は時間がかかる
どうです?
登山、できないでしょう?
きのこ観察の山歩きは登山にあらず。
フィールドが同じ山というだけで、歩き方や歩く場所は全く異なるものなのです。きのこ目を持っていても、ゆっくり歩かなければ多くのきのこを見落とします。キョロキョロと落し物を探すように歩きます。
ところで、登山が趣味の方とは相入れませんが、虫屋さんや植物クラスタなら一緒に楽しめることが多いです。山頂に行きたいわけじゃないからね。それぞれ見たいものは違うものの、お互い教え合い知識を増やせるので楽しいですよ!自然系研究趣味ということで、広義では同じ趣味として扱えるのかも。
趣味だからこそ、人に合わせることが苦痛なのですよね。趣味なのに好きなようにできないって悲しい。
まとめ
きのこ観察の時はピークを目指さない
登山のお誘いを受けるならきのこは諦めなけらばならない
きのこ観察には登山時間プラス観察時間が必要
友達をなくさないためにも同行はやめる
登山趣味の方、登山趣味の方をきのこ好きへ紹介しようとお節介焼きたい方、同じ山へ行くのでも一緒に行動できないのがお分かりいただけたでしょうか。
あ、言い忘れましたけど、きのこガチ勢から登山者へ同行のお誘いをすることはほぼないんでご安心を(断言)。
シロテングタケの幼菌でお茶を濁して終わります!
きのこをかわいく撮れるレンズ増やしたいです🌱🍄🌿