櫻の木の下には*アミガサタケ
櫻の木の下には屍体が埋まってゐる!…とは梶井基次郎氏の有名な短編小説の冒頭ですが。
きのこクラスタ的には桜の木の下…といったらアミガサタケ。常識です!
春先になると、変なきのこ生えてきた!とSNSで大騒ぎになるアミガサタケ。いくつか種類があるのですが、桜が咲く前から出始める黒っぽいアミガサタケをブラックモレルと呼んでいます。こちらはトガリアミガサタケ。
春を告げるきのこと呼ばれており、3月も半ばになるときのこ好きたちが今か今かと待ち焦がれます。
アミガサタケは英語でモレル、フランス語でモリーユと呼ばれています。
珍しく3月末に雪が降ったので、雪の中のアミガサタケを撮影できました。
こちらは桜が散り始めるころに出るアミガサタケ。ブラックモレルに対して、黄色っぽいのでイエローモレルと呼ばれています。
アミガサタケはキモチワルイなんて言われがちなんですが、きのこ好きにとっては、とてもかわいいきのこです。
冬はきのこがとても少なく雪に覆われる山へはなかなか入れませんし、特に関東の冬は大変乾燥していますから、きのこに飢えているのです。長い冬を超え、きのこシーズンの幕開けを告げる、まさに桜の花のような存在なのです。
だからその年一番はじめのトガリアミガサタケを見つけると、待ってたよ!と声をかけるのです。
アミガサタケは桜や銀杏の木の下に出ることが多いようですが、それらがない場所にも出ることがあり生態がよくわからないきのこです。俗にブラックは銀杏、イエローは桜、なんて言いますけど、私の知っているポイントはブラックもイエローも桜の近くで銀杏はないです。探していないけど、杉林にも出ているらしい。
桜の季節になるとみんな上を向いて歩いていますが、ちょっと下を向いて歩いてみませんか?かわいいアミガサタケが春を告げに来ているかもしれません。