ブラック企業から搾取されないために、とった行動
私はかつて、ブラック企業に勤めていました。
長時間労働、休日出勤、残業代なし、は当然でした。
社長や上司からの、罵倒、罵詈雑言は日常茶飯事でした。
休日だろうが夜中だろうが、いつ呼びだされるか分かりません。
いつでも携帯電話に出れる状態にしておかなければ、怒られます。
具体的な業種は伏せますが、仕事自体は、社会的に意義のある仕事だったと思います。
なぜ、そんなブラックな状況にも関わらず、耐えていたのか。
それは、職を失うのが怖い、いまさら転職活動をして再就職先を探すのもしんどい、見つかるかわからない、と思っていたからです。
また、当時の私は、労働基準法に関して無知過ぎました。
労働基準法(以下、労基法)は、労働者を保護するための法律です。
労基法に、
「労働条件は、労働者が人たるに値する生活を営むための必要を充たすべきものでなければならない」とあります。
私は人たるに値する生活を送っていたのでしょうか。
毎日へとへとになって、顧客の機嫌を取って、上司の機嫌を取って、社長の機嫌を取って、自分のいいたいことは我慢する。
毎日気を使って、神経がすり減っていくのを感じます。
「まるで奴隷だな」
そう思いました。
社長は言います。
「数字がすべてだ。自分の給料分くらいは稼げ。俺はお前を食わしてやってるんだ。そのことを忘れるなよ」
私は上司に仕事を辞めたいと相談したことがあります。
上司はこう言います。
「やめておけ。いまさら転職活動して見つかると思うか?後悔するぞ」
私は、しょっちゅう、社長のアッシーをさせられていました。
それは休日であっても、社長のプライベートな用事であっても、です。
社長には逆らえませんでした。
ある日、社長を助手席に乗せて、車を運転していました。
どこに向かっていたのかは、よく覚えていません。
いつものネチネチとした、嫌み、説教を一方的に聞かされていました。
私はすでに我慢の限界だったのだと思います。
社長に対し、自分でも驚くほど大きな声で、何かを叫んでいました。
「オレはいつ辞めても構わないんだぞ」
というような内容だったと思います。
その時は、もうクビになってもかまわない、という開き直りがあったのでしょう。
意外なことに、社長は、しおらしくなり、こちらの機嫌を取ってきました。
人手不足の会社なので、今辞められては困ると思ったのでしょう。
それ以降、しばらくの間は、優しくされました。
私は結局、そのまま働き続けることになったのです。
当時、私は労基法について無知過ぎました。
会社の命令には絶対だ、逆らえない、と思い込んでいました。
知識があれば、労働者の権利を主張することができたかもしれません。
自分の利益や目的のためには、人を道具のように躊躇なく利用する者がいます。
そのような邪悪な人達が存在すること、彼らの手口を知ることは大事でした。
そのような人達とは距離を置き、関わらないようにするのが一番です。
読んでいただき、ありがとうございました。