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【業界研究】コンサル志望動機は"練"を見せろ!

どうも、外資系うさぎのちょこさんです。

前回は会議の進め方(準備編)的なnoteを書いたのですが、形式的にはこれから本格的な就活シーズン突入っぽい感じなので、コンサル業界を対象とした選考対策的なnoteを先に書くことにしました。

選考対策と言うとケース面接ってどう準備すればいいの的なものを想像するかと思いますが、その2段階くらい前として、エントリーシートや面接で必ず聞かれる"なぜコンサルになりたいのですが"、"なぜ弊社なのですか"、"コンサルになったら何をしたいですか"といったいわゆる志望動機への質問の打ち返し方について解説します。

ちょこさんはお仕事で採用活動にも関わっていたり、キャリア相談室でエントリーシートの添削をしてたりもするのですが、効果的な志望動機の書き方/答え方が出来ているケースはとても少ないと実感しています。

ちょっとでも心当たりのある各位、このnoteを読んでしっかり対策してから選考に臨むようにしてください。

あ、そうそう、このnoteは一応、新卒向けの想定で書いていますが、若手の未経験コンサル転職の際にも参考になると思いますので、転職活動中の各位にもオススメです。




さて、本編入る前にいつものコピペです。
この記事も有料設定していますが、全文無料で読むことができます。もしいいねと思っていただけた場合は、ちょこさんの大好物のおいしいチョコレートを一粒調達するための費用としてカンパいただけると大変うれしいです。

では、本編をどうぞ。



◆はじめに、全ての質問には意味がある

いきなり抽象的な入り方ですが、選考において全ての質問/設問には意味があると最肝に命じておいてください。

例えば、自己紹介前のアイスブレイクや、最近だとオンライン面接が主流なのであまりないですが、受付の通り方や面接室への入り方なんかも評価に関わってきたりします。

なぜかと言うと、コンサルタントはどんなに安くとも月百数十万円とかでフィーが請求されるため、いくらコンサル適性や事業会社での実績が素晴らしくとも、こいつをクライアントの前に出すのはまずそうだ、という評価が付いてしまったら選考はお見送りルート一直線ですね。


当然、志望動機に関する質問も、ただ単に志望動機を問う以上の意味があります。

ちょこさんはこれをハンターハンターでいうところの『"練"を見せろ』と表現しています。


一応、質問への回答の趣旨としては"志望動機を答える”で合っているのですが、その答え方の中でコンサル適性を感じさせることができなかったら選考の序盤でいきなり大きく出遅れることになります。


表面的には選考のゴールは内定を獲得することです。
しかしそれは、年間数百万円のコストがかかる"自分という商品"を買ってもらうこと、と言い換えることもできます。

しかも新卒の場合は最初1年くらいは育成コストを考えると大赤字です。
なので、そのコストをかけてでも採用したい候補者である、と採用企業側に思わせることができて初めて、内定を獲得できます。

新卒でも中途でも年間数百万円のコストがかかる高額商品をいかにして売り込むかという観点を忘れずに活動してくださいね。


というわけで、本題に入りましょう。


◆志望動機、こんな答え方してませんか?

早速、よくない例をひとつ見ていきましょう。

どうでしょう、身に覚えのある各位、いますか?
それとも、"え、これダメなの!?"って思っちゃったりしてますか?

ちょこさん的には、これはぱっと見それっぽいことを言っていそうだけど中身がゼロなので全然ダメ、という評価です。


これを読んでいる各位も、ぜひ面接官の視点に立って"この候補者を採用しようと思えるか"を考えてみてください。
どうでしょう。
採用したくなりましたか?
多分、ならないですよね。


では、なぜこの回答がダメなのか解説していきます。



◆志望動機に盛り込むべき3つの要素


コンサル業界に限らず、エントリーシートや面接で志望動機を語る際には、
・要素①:なぜこの業界か
・要素②:なぜこの会社か
・要素③:自分はどんな貢献ができるのか

3つの要素をもれなく伝えないと盛大にアウトになります。


これらの要素を適切に言語化し、面接官になるほどと思ってもらえるような論理展開で志望動機を記載する/語ることによって、単に志望動機を伝えるだけでなく、コンサルに必要な言語化力、論理的思考力、プレゼン力…などが備わっているというアピールをすることができます。


具体的にどう言語化していけばよいのか個別に解説していく前に、さっきの良くない例を添削したちゃんと中身のある志望動機の例を先に読んでみてください。

どうでしょう、どこがどんな感じで改善されたか、わかりましたか。
なんだか添削前の面影が全然残ってない気がするのはコンサルあるあるです。

では、各要素を1つずつ見ていきましょう。

- 要素①:なぜこの業界か

はい、どうせそのあたりの就活解説サイトとかと同じこと言うんでしょって思っちゃった各位、いませんか。
どうせちょこさんも"それって他の会社でもできますよね?"的なありきたりなこと言うんでしょって思っちゃった各位、正直に手をあげましょう。
そして落ち着いてこのnoteのタイトルをもう1度見直すのです。


そう、”練”を見せろ、です。


ここで求められるのは、"それって他の会社でもできますよね?"って言われないような綺麗な志望動機を伝えることではなく、なぜ自分はこの業界を志望するに至ったのか、を自分が持てるロジカルシンキング力の全てを発揮して言語化することです。

ちょっとこの彼には申し訳ないですがダメな例をもう1度見てみましょう。
あ、大丈夫です。
これは架空のサンプルなので晒し上げになっている具体的な誰かはいません。
安心してください。

たしかに、この回答では
・"別にそれコンサルファームじゃなくてもいいですよね?"
・"社会課題を解決したいなら国家公務員や政治家を目指しては?"
などといったツッコミどころが満載に見えますね。

とはいえ、このご時世、士業などの特別な資格が必要なお仕事でも無い限り、大抵のことはどんな業界のどんな会社でもやろうと思えば出来るっちゃ出来るんですよね。

面接官もそのあたりはちゃんと分かっているので、候補者を徹底的に詰めて論破してやりたいとかは別に全く思ってないです。
ちゃんと説得力のある自分の言葉で”なぜこの業界に行きたいのか”が述べられているか、を見ています。

なので、候補者が考えるべきは、自分はこの業界に行きたいんだという言葉に説得力をもたせるにはどのような論理展開で言語化する必要があるかです。

良い例ではこのあたりをどう語っているか、分かりやすく赤字にしたたのでこちらももう1回見てみましょう。

どうでしょう、説得力を感じることはできましたか。


ここでのポイントは、
・仕事のあり方を変え生産性をあげるという課題が日本社会にある
そして
・大学やアルバイト先で(広義の)DX事例を見て興味を持った
だから
・自分もそのような生産性向上施策を提供する側になりたいと思った

というロジックを用いて、コンサル業界への就職を希望するに至った、と説明しているところです。

あと、全体的にちゃんとPREP法を使ってロジカルな説明ができることもアピールできてますね。
こういう細かいところにも気を抜かないのが"練"なんです。
簡単にできませんで。


話を戻しましょう。
説得力とはロジックです。
もっと言うと、説得力とはロジックであり大抵の場合はPREP法が有効です。

 Point:テクノロジーコンサルになりたい
  ⇓
 Reason:生産性向上の施策を提供したいから
  ⇓
 Example:大学やアルバイト先でそのような事例をみて興味を持った
  ⇓
Point:テクノロジーコンサルになりたい)

これが唯一の正解というわけではないですが、こんな感じで言語化ができれば志望動機に説得力が生まれるのです。


え、この理由だとコンサルでもSIerでも事業会社の企画部門でも同じことできるのでは?って思いませんか?

できますよ。
そう、出来るんですよ。
でもそれでいいんです。

大事なのは"それって他の業界でもできるよね?"って突っ込まれる余地が1ミリもない志望動機を作ることではなく、説得力をもった自分の言葉で志望動機を伝えることです。



あ、そうそう、PREP法のおさらいはこちらのnoteからどうぞ。
ちょこさんここではPREP法はハンターハンターでいうところの”纏"って言ってたみたいですね。



- 要素②:なぜこの会社か

なんかさっきのところでもう結論言い切っちゃった気がしなくもないですが、ちょこさんは偉いのでここもちゃんと解説していきます。

でも大筋はさっき言ったのと同じなので、さくさく進めていきましょう。

同じということは、"別に弊社じゃなくても良いのでは?"というツッコミを完全に打ち返すことは無理なのと、逆に選考する側も"私には御社しかありません!"みたいな状態で応募してくる候補者も困るっちゃ困るので、それなりに説得力を持った状態でなぜ他社ではなく御社かを語れるようにするってことですね。

そう、他社との違いを見極める、つまりハンターハンターでいうところの"凝"です。


とりあえず例によって赤字の箇所を見てみましょう。

ここも具体的なエピソードを交えたり、応募先の会社の特徴と自分の希望のどこが合っているのかを説明したりすることで説得力を出そうとしていますね。

ここ、面接官的には、どれくらい競合他社と自社の違いを分析したうえで、"御社のここに惹かれます"と言おうとしているかを見ている感じです。

正直、同業のトップ企業数社の間で、A社でなくてB社でないと絶対にダメ、みたいな状況って基本ないと思います。

コンサルの場合、特にBig4同士でこの違いを明確に言語化するのはかなり難しいです。
各社とも、大きくマネジメントコンサルかテクノロジーコンサルのラインがあるとか、グローバルネットワークがあるとか、だいたい同じですからね。


なので、それらを踏まえ各社新卒採用ページを熟読のうえ、それぞれどういう特徴を打ち出そうとしているかを比較分析し、自分の経験や価値観と絡めて自分なりの言葉で説得力を生み出す、という高等テクニックが必要になってきます。
常に”凝”を怠らず、読み取った情報をもとに最適な戦い方を考えていきましょう。

だんだん念能力の説明っぽさも増してきました。
ちなみにちょこさんの属性は具現化系か操作系じゃないかって思ってます。
うさぎをたくさん出して操作し、筋の悪いコンサルを効率的に詰めていきたいですね。



- 要素③:自分はどんな貢献ができるのか

結構います。
"御社のここに魅力を感じました!"って言ってくれるのは分かったけど、"あなたを雇うと弊社にどんなメリットがあるの?"ってのが示せていないとても残念な志望動機を書いてくる方が結構いるんです。

きっと業界分析、企業分析までやっただけで満足しちゃったパターンです。
自分について

もうひとつ結構あるのが、最初から何だからやたら高すぎる目標を語ってくるパターンです。

こういうやつですね。


あ、急にハンターハンターじゃない作品を取り上げてしまいましたがそのあたりはご愛嬌でお願いします。

たしかに、高い目標を持つこと自体は良いことです。
でも、その高い目標にどうやってたどり着くのか全くもってノープランな語り方だけはしてはいけません。
ちゃんと自分に出来ることを理解し、まずそこから結果を出していくことを忘れてはダメです。

よくある勘違いとして、"目標の高さ = 視座の高さ"ではないですからね。

ちょこさん的には、視座が高いとは、高い視点から俯瞰的にものごとの全体像をとらえつつ、適切な解像度でものごとの細部まで意識を巡らせることができる状態、だと思っています。


ここでのポイントは俯瞰的に見ることができるということです。
俯瞰的に見ることができるから、大きな課題を解決するための道筋が見えてくるのです。
ただ単に高いところに登ってお空ばかりみてても何も解決の道筋は見えないですからね。
足元がお留守なのはいけません。

それでもどうしても社会課題の解決に興味がある各位、ちょこさんは高い志を持つこと自体は否定しません。
ただ、せめてその社会課題の背景や原因をロジカルに要素分解し、そのうちのひとつでも具体的にどうやって解決するか、そのためになぜこの会社に入る必要があるのかといったことを説得力をもって語れるように修行に励んでください。

そこまで語れるのであれば全く問題ないですからね。


最後に、良い例をまた眺めることにしましょう。

この例では、社会課題についての言及もあるものの、それについては大学やアルバイト先で見聞きした例を交えて語っているのでそこは端折るとして、理系の研究室で仮説検証側の実験やその結果のレポート作成の経験があるのでコンサル業務もすぐに慣れることができる(=だから自分を雇うメリットがある)というロジックで自分が貢献できそうなところをアピールしていますね。

他に就活中の学生が挙げられる例としては、ありきたりなサークル運営やアルバイトに関するものでいいので、何かしらの改善活動やチームの立ち上げなどに携わった経験を具体的に語る、などするとよいでしょう。
その際は、どのような効果が出たか数字を使って客観的に説明できれば更によいですね。

大事なのは珍しい経験をしていることではなく、PDCAを回して効果を出したことがあり、その経験をコンサルにどう活かせるかを語れることです。
コンサルの仕事は理系の実験と同じで、再現性が求められますからね。

こういう話をせずに、"御社に入りたいです!"、"社会課題を解決します!"、とだけアピールしても年間数百万のコストがかかる高額商品なんて採用してもらえないので、本当に気をつけましょう。

これが中途採用面接であれば、SAPの導入バリバリやってたとか、銀行の国際的な規制の事情に詳しいとか、人事部で組織設計の経験が豊富とか、応募先部門の募集要項にダイレクトに刺さりそうな経験を押していってください。

そういうのがあまりなかったら、何かしらのプロジェクト的な活動に関わったことがないか自分の過去を徹底的に洗って探してみてください。
必ず何かしら見つかるはずです。
ものは言いようです。



◆最後は自分の言葉でストーリーを語ること

はい、ここまでだいぶ長かったですね。

今回もたくさん文を書いてきましたが、とくにかく具体的な経験に基づいたストーリーをPREP法で組み立て自分の言葉で語るのが大事ということに尽きると思います。

面接官は歴戦のコンサルタントたちなので中身の薄いどこかで覚えてきたような志望動機を話し出した候補者がいた日には、
・”それはどのような経験に基づく考えですか”
・"その事例の中であなたは具体的にどんな役割でなにをしたのですが"、
・"○○についてあなたの見解はいかがですか"
などと徹底的に深堀りします。

もちろんこの深堀りの質疑応答も、結論ファーストでストレートなコミュニケーションが出来ているか、相手を説得するための効果的な話し方ができているか、などもしっかりチェックします。

最後まで気を抜かず”練”を維持したまま面接を終えられるように頑張ってください。



◆まとめ

というわけで、コンサル面接やエントリーシートにおける志望動機についてのあるあるNGとその対策、みたいなnoteでした!

いつも以上にとても実践的な内容に仕上がったんじゃないかと思います。

実践的とはいえ、このnoteを読んだ各位たちが一斉に同じような志望動機を語りだしたらそれはそれで差別化が難しくなるかもしれないですね。

このnoteに書いてあることは型のひとつにすぎないので、ぜひ型を身に着けたら自分なりの型を編み出し、この型を破っていって欲しいとちょこさんは思います。
くれぐれも型ができあがる前に謎のオリジナリティを発揮しすぎて単なる型なしで終わってしまうなんてことのないよう、修行に励んでください。


今回も長いnoteにお付き合いいただきありがとうございました!



そうそう、これは余談なのですが、事前に予告編的にこんなツイートをしたところ、同業っぽい各位から”こういうところに気をつけて”的なアドバイスが結構寄せられたので、このツイートのリプや引用RTも眺めてみてください。

色んな視点や経験談があってとても勉強になるはずです。



中には志望動機への質問なんて茶番ですなんてツイートもありましたが、これにはちょこさんも同意です。

あくまで、コンサル面接の本番第一戦はケース面接だと思います。
ただ、そこに辿り着く前の茶番でNG食らうと勿体ないですからね。
こういう茶番を茶番と分かった上で全力で”錬”を見せるのもまた一興です。
ケース面接に入る前の組手やウォーミングアップみたいなものと捉えて、楽しんで選考を受けてください。

コンサル面接って傍から見るとハードルが高く厳しいイメージがあるかと思いますが、無事合格を貰うコツは面接官と一緒に議論を楽しむことですからね。

これを読んで色々と実践してくれた各位からの"選考突破しました!"とのお知らせお待ちしております。
その際にはぜひ、ちょこさんに情報料としておすそ分けのチョコレートも投げていただけると徳があがるのでおすすめです。


追記
近しいジャンルnoterの久松さんがちょうど同じタイミングでITエンジニア向けの志望動機のアドバイスを書かれていたので、ITエンジニア職やITコンサルを目指してる各位は合わせて読んでおくと有益です。
エンジニアはエンジニアで、プロダクトへの指向、サービスへの指向、技術そのものへの指向など、色んな方向性があるので応募ポジションに沿った志望動機を練り上げなければいけないのはちょっと大変そうな印象です。


◆オススメの1冊

面接対策的な本を貼ろうとしていたのですが、さすがにここまで長いnoteを読んで更に面接対策の本を紹介されるのも気が重いだろうと思ったので、ちょっと方向性の違った本をひとつ紹介しておきます。

ちょこさんも若かりし頃この本を読んで"リーダーシップ"というものに対する考え方が一気に変わりました。
全員がリーダーシップを発揮できる組織、作っていきたいですね。
ぜひ読んでみてください。



ではまた次回!


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